〝あの頃シリーズ〟ブログ、今回は3rdシングルの愛してないについてお届けします。
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愛してない
「菊池さん、この曲、選曲会のとき無反応でしたよね。あまり気にいってないんでしょ?」
不意にyasuにそう言われました。
「愛してない」のレコーディングの時です。
反射的に
「ラスサビのコーラスのピッチが悪かったよね」
と答えたら
「デモなんだし、それって曲の良し悪しに関係なくないですか?」
と正論で返されました。
ごもっともです。
いつも選曲会では、その曲に託したyasuの意図を推しはかりながら聴いています。
そのうえで過去からのストック曲も含めて〝今、出すべき曲〟に相応しいのはどれだろうか、と僕なりの答え探しに集中しているので愛のない反応に見えるときがあるのかもしれませんね。
そういえば当時、「愛してない」を、「あいのり」という番組の主題歌にプレゼンしたいとエイベックスから打診されたことがありました。
「あいのり」は、主題歌になれば大ヒットが約束されるほど、絶大的な人気があった恋愛バラエティ番組。
でも、プレゼンするには歌詞を変えなきゃいけない。
「愛してない」の歌詞は本当に良く出来ています。
サビの「愛してない...」「愛してるよ...」の痴話喧嘩会話劇が秀逸ですよね。
少ない文字数の曲なのに、端的に切り取られたエピソードが上手に散りばめられてるから、行間にあるだろう〝歌詞には書かれていない物語〟を連想しやすい。
たとえば、こう。
〝彼氏のことが大好き過ぎて、相手の一挙手一投足が気になって、〝今、何してるの?誰といるの?〟いつのまにか現実の彼よりも、妄想の中の彼の方が大きくなって、幻影の彼に振り回され、勝手に不安になって、勝手に寂しくなって、彼の前では可愛くいたいのに、会えば泣いちゃうし、文句ばっかり言っちゃうし、そんな自分に嫌気も差すし、苦しくて苦しくて、せっかく手に入れた恋からとうとう逃げ出そうとする〟
僕には、そんな女の子像が浮かんでますが、皆様はどうですか?
でも、番組の趣旨に合わせるなら、もっと恋愛初期のキラキラした感じ、「もう大好き!!」みたいな歌詞の方がいい。
歌詞変えは気乗りはしないけど、トライすらしないのは天井を決めることになるから、ということでやるだけやってみることに。
仕上げてはみたものの、やっぱりお椀でビールを飲むみたいなミスマッチ感は否めない。
これだと〝今、出すべき曲〟にはならないと判断してプレゼンをお断りしました。
もしも「もう大好き!!」みたいな歌詞でプレゼンも通り、番組の主題歌として大ヒットしていたならAcid Black Cherryも今とは違う世界線にいただろうけど、
〝こころ配り〟でファンの皆様が
「yasuに愛してない、って伝えておいて」
って優しい嘘をついてくれる今のこの世界線の方が僕は大好きです。