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ぜんぶゆめ

お風呂とドライヤーがきらいです



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舌ピアスを開けた翌日の朝。




舌の鈍痛で目が覚める。


舌ピアスのやっかいなところはこの<鈍痛>にあると思う。


例えばナイフで指を切ったりタンスに小指をぶつけた時の痛みは、さながらF1レーサーの如く、目の前をサーッと通過していくような鮮やかな痛みであるが、コイツに限ってはそうじゃない事を知る。


例えるならば、少量の埃を指にまとい「ちょっと、ここ、まだ汚れているわよ」とネチネチ言い放つ姑、もしくは一つのミスに対して過去の武勇伝を交えながら長い説教を垂れるお喋り好きな上司といったところだろう。


とにかく、ネチネチとした痛みなのだ。

こういった人間に対してはスルースキルを上手く発動して事なきを得ることが出来るが、舌ピアスに限ってはそれが出来ない。スルーできない。もしもコイツが人間ならば、私は早々に距離を取るだろう。しかしそうすることも勿論出来ないので、考えるだけ無駄だ。


やはり自主的に対策をとる必要がある。



ここでロキソニンの登場だ。



朝食におかゆを食べ、プロテインドリンクを飲む。余談だが、このプロテインドリンクは240mlに対してタンパク質が18gも入っている。味も申し分ないので気に入っている。思い通りに咀嚼ができない今、とても重宝する存在となった。



そして食後にロキソニンを服用する。


痛みが遠のいていく感覚がだんだんとクセになる。それと同時に、やはりこういった類の薬に頼らなかった自分は馬鹿だったのだろう、と自省するのであった。



肝心の舌の状態はというと、昼を過ぎてからそれなりに腫れてきた。これは覚悟していたので問題ない。昨日は余裕があったシャフトも、舌が腫れたことによりギリギリの長さに留まった。



このときの私は、




「やっべー‼️舌ピの洗礼、全部受けてるやん😸」



と、なぜか少しだけ得意気になっていたと思う。



というのも、ピアスを開ける前に膨大な数の情報収集をしたため、これから起こるであろうおおよそのトラブルは想定の範囲内として、対策も含めて脳にインプットしていたのだ。



範馬刃牙が精神と時の部屋で巨大カマキリと戦うかの如く、私は精神と時の部屋で舌ピアスのトラブルと向き合っていたのである。炭酸抜きコーラでパンプアップは出来なくとも、事前に収集しておいた情報たちで己の精神をパンプアップすることが出来た。



とはいえ、いざ舌の腫れを目にしたところで私に出来る事などなにもなく、ただただその違和感に慣れるよう気を逸らす他なかった。ここで私の嫌いな根性論がモノをいうハメになった。忍とは耐え忍ぶ事である、と、どこかの少年漫画の誰かが言っていたことをふと思い出したので、私は心の中で額当てをギュッと結び、時間が過ぎるのをただひたすら耐え忍んだ。「だーかーらぁー!!修行ってば大変なの!」←(これは浅すぎるナルトが言いがちな事)





時間はたんまりとあるので、


映画「ジョー・ブラックをよろしく」を鑑賞。


紳士なブラッド・ピットに惚れ惚れしつつ、


夕食はおかゆを食べ、リステリンをし、就寝。