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ぜんぶゆめ

お風呂とドライヤーがきらいです



7/24

舌ピアスを開けて丸二日経った。

寝起きの腫れと痛みは昨日と同様である。
つまり昨日と同じルーティンをこなし、
夜から天神祭に出かけた。



久しぶりに会う友人と他愛もない話をしながら、人波に身を預ける。


普段はどちらかというとインドア派なので、人が多い場所へ自ら赴くことはあまり無いのだが、夏祭りにはどうしても行きたかった。



夏は私たちがよそ見をしている間に、するりといなくなってしまう。


うだるような蒸し暑さも、打って変わる夜の涼しさも、やけに美味しく感じる自販機のジュースも、炭酸の幼さも、全てがどうしようもなく愛おしい。それは決まって、夏が過ぎ去った頃に芽生える感情なのだ。


何度だって夏はやってくると分かっていても、今この瞬間、この夏を取りこぼしたくはない。


だからここ数年は、夏の行事にはなるべくリアルタイムで参加するようにしている。





天神祭には去年も行ったなぁ。

たしか去年は花火が上がる日を選んだのにも関わらず、肝心の花火には目もくれず屋台の食べ物に集中してしまい、気がつけば天神祭が終わっていた。


そう、何を隠そう、

祭りといえば、屋台である。

もっといえば、屋台の食べ物である。



例年通りであれば、今年もありったけの屋台の食べ物を食べ、全力で夏を体感するところであるが、

しかしここで去年とは違う問題が出てくる。


そう、舌ピアスである。



友人は私が舌ピアスを開けた事を知っており、「ご飯たべれるん?」と常に心配してくれていたが、私は祭りの高揚感に押され、ずっと避けていた固形物に遂に手を出すこととなる。



食べたもの一覧↓



タン串
もも串
牛串
カステラ


              終
            制作・著作
            ━━━━━
             ⓃⒽⓀ





人間とは愚かな生き物である。じゃなくて私とは愚かな生き物である。
あれだけ刺激物には気をつけようと心に誓っていても、いざ誘惑を前にすると太刀打ちできなかった。


あんなに美味しそうに肉を並べるな。
あんなに美味しそうな匂いを漂わせるな。
あんなに手際よくカステラを焼くな。
手頃な値段で肉串を提供するな。


↑これは俗にいう他責思考である。

そう、全責任は私にあり、屋台の兄ちゃんたちは何一つ悪い事をしていない。カステラ屋さんなんて焼きたてを待つ間、試食までくれたからね。急な優しさはモテるから気をつけてな。全部美味しかった。


これだけの固形物を立て続けに食べていると、さすがのピアスも火を吹く。というかシンプルに出血した。痛かった。しかしこの時の私は舌ピアスの優先順位が完全に下がっており、その姿はまるで付き合って3ヶ月ほど経った頃に「ごめん、なんかちょっと冷めたから会う頻度減らしてもいい?」と突然言い放つ彼氏のようであった。


さて、彼女(舌ピアス)は多少傷つけてしまったが、天神祭は存分に楽しめた。ときどき「舌ピアスがなければもっと美味しくご飯食べられたな…」と邪な考えが頭によぎったが、帰路につき鏡でピアスを確認すると「やっぱちょ〜カワイイから守る」といった思考チェンジに成功するのであった。(まったくもう、単純なんだからっ☆)


私と舌ピアスは、2日目にして倦怠期を乗り越えた。

こうなってしまえば話は早い。
やはり、後はひたすら耐えるのみである。


私は友人がとても好きで、友人との時間を一人の時間と同じくらい大切にしている。しかし今日みたいに食事を共にする場合、相手に遠慮させてしまう。また、自分自身も、大切な友人と同じ熱量で食事が出来ないことをもどかしく感じてしまう。


しかし、これは今だけである。

1ヶ月もすれば舌ピアスはある程度安定し、そうなると元の日常に戻ることが可能である。というか戻ってくれないと困る。じゃないとさすがに別れます。

お互い歩み寄ろうね、舌ピアスちゃん!

リステリンと歯磨きをしっかりして、
今日はおしまい。





p.s.
私の夏のルーティン↓

・久石譲のsummerを聴く
・アニメ映画 時をかける少女を観る
・そしてそれを勝手に一人でアフレコし、勝手に一人で恥ずかしくなる
・あの花のめんまの最後のセリフ「見つかっちゃった…」もそれなりに練習し、やはり勝手に一人で恥ずかしくなる



未来で待ってる。