コロナウイルの影響で、今院内では面会禁止、入院患者の外出・外泊禁止となっている。
わたしは院内唯一の開放病棟に勤めていて、そこは内科も混在して終末期(ターミナル)の患者さんもいる。
精神科の入院病棟は主に開放病棟か閉鎖病棟であり、細かい原則はあるのだが簡単に言えば、患者さんが病棟と外を自由に移動できないように管理されている病棟が閉鎖病棟である。病棟の出入り口は24時間施錠されており、スタッフが鍵を開けない限り患者さんも外に出られなくなっている。
開放病棟はその逆であるが、開放病棟の患者さんの中でもさまざまな行動制限があり、外出禁止の人もいたりする。
今回のコロナの影響で、タバコ外出は許されているが、病態から主治医からの制限が厳しくてタバコ外出も行けなくなった人がうちにいる。

Aさん「わたしはいつタバコ行けるの?他の人は行っているのにダメなんだね」


かなりストレスが溜まっているみたい。
正直、主治医も少し変じゃないかと思うこともある。
もともと外出の際にタバコ吸っていた人だから、急に吸えなくなったらストレス溜まるであろうと思うし、そこは考えているのかな、とか。
わたしがリーダー業務で主治医に申し送る時、なんとか少しの時間でもダメだろうかと持ち込もうとしたが呆気なく「ダメ、あまり言うなら閉鎖に下ろすって言っておいて」と言われてしまった。
ちょっとかわいそうだった。


ある日曜勤務の時、わたしがリーダーでもう1人いた40歳の精神科病院歴長いベテランの先輩が「今日Aさんあとでタバコ連れて行こうと思う。こっそりと」と言った。
バレたりなんかしたら怒られるし主治医の指示に反することだが「だってかわいそう、変じゃん」と言ってその先輩はAさんをタバコに行かせようとした。
他のスタッフの目を盗んでこっそりとAさんをタバコに連れていく先輩。
わたしは万が一バレたらとかリスクを考えてそんな行動できないが、その先輩は「万が一バレたらわたしが怒られるだけだし、それでいいよ」と言い連れて行った。
もちろんAさんには「絶対に誰にも言うんでないよ」と口止めして。

精神科病棟にはたまにこういう、患者さんのことを本気で同情して何とかしようとする天使みたいな人がいる。
次も土日にその先輩との勤務があれば、こっそりタバコにAさんを連れていきたいと思う。