-早乙女 照-編 1-4 | -犯罪都市-

-早乙女 照-編 1-4

今回の事件の主犯、それは言うまでもなく・・・照だ。
照はすでに店から大きく離れた道を歩いていた。
照はバックの中にいくつかの盗品が入っていた。どれも食材だ。
お惣菜からはじめ、飲料、菓子類に至るまで・・・収穫はかなりのものだった。

「クククッ・・・いやぁ最高だな・・菓子類や飲み物にも手が伸ばせた。わずかの間だか、生活には困らない。」

照はどうやって犯行に及んだのか。それは岡咲が捕えた例の男の出現から・・・照の計画は実行されていた。
それは昼を迎え客入りがピークに迎えたころ・・・・・。


「さて、前回の店にはしばらく手をだせないからな・・・今日はこの店だ。さっき店の裏手を確認した時、数人の人物が換気ダクトを確認して回ってた。捜査官達だとはすぐに分かったよ・・・当然岡咲も来てるはずだが・・」

そういうと照は、駐車場の隅へ行き人目をさけて、持っていた小型の機器をいじり始めた。

「カチカチ・・・ピピ・・・・・・カチカチカチカチ・・・・・・ピピピピ」

照は笑いながら呟いた。

「フフフ・・・さすが岡咲さん、監視映像の不正操作にセキュリティをかけてやがる・・・だがそのセキュリティは恐らく外からの遠隔操作を不可能にした性能のはず、もし店内から遠隔操作されたらどうなるか・・・・まぁ・・・今回アンタ達には僕の影すら見る事ができない・・・ん?・・・やっと来たか」

照は1人の男が店に入っていくのを確認したのだ。岡咲が捕まえた男だ。

「奴の事はよく知ってる。いつか利用させて貰おうとは思ってた万引き犯だ。おそらくこの店で岡咲が警戒体制を取っているという事は、商品に前回使った特殊バーコードステッカーを使用してるだろう・・・だがあの男はそれを知らないはずだ。必ず捕まるはずだ。
・・・・あの男が捕まって事務所へ連れ込まれる・・・その時が勝負だ。」

そして、岡咲の手元の発信機が探知し捜査官達が例の男を捕えた。それを確認し、いつの間にか店内に忍び込んだ照が足早に動き出した。

「読み通り・・・利用させてもらったよ・・・お前は俺のおとりになってもらう・・・さぁ・・・勝負だ岡咲。

そして、例の男が事務所に連れ込まれ岡咲の尋問を受け始めた頃、照はいくつかの小さめな商品をバックに入れ・・・なんと他の客達のバックや手荷物の中に、特殊バーコードステッカーが貼られた商品を入れて回っていたのだ。

気ずかない客達はそのままレジカウンターを通過し、外へ出ていく。当然その瞬間、発信機のブザーは反応する。照が手にかけた客達の数は20人以上・・・ブザーが断続的に鳴るのは当然・・・照からすれば正に成功への合図だ。
捜査官達の慌ただしく動き出したのを見計らい、犯行エリアへと素早く移動しポケットに入っていた小型の機器・・・監視映像を不正操作する機器のスイッチを素早く押した。
映像削除が成功すれば、小型機の青いランプが点滅するのだ。

「ピピ・・ピピ・・ピピ」
青いランプが点滅し始めた。
一時的な映像削除が成功したのだ。映像削除していられる時間は約1分半、照は素早く商品を手に取り、客達に紛れて犯行を行い始めた。

その頃、混乱状態にあった岡咲は監視映像が一時停止状態になっているのに気ずいてはいなかった。そして、岡咲は捜査官達に出入口の緊急封鎖を命じた。

そして、1分半が経過し照が持っていた小型機のランプが青から赤へ色を変えた。
その瞬間、事務所の監視モニターは一瞬ブレて元の録画画面へ復帰した。

そして、店の出入口が一斉に閉じられた。

しかし・・・照はすでに外へと脱出していた。

「ギリギリセーフってとこか・・・ハァハァハァハァ・・・・・・・ククク・・・俺の・・・・勝ちだ・・・」



悪魔の予告通り、影すら残らぬ犯行。
照は・・・1人笑っていた。
勝利が、悪知恵が彼を強くしていく。
前回に続き、岡咲の惨敗。
もう誰も、悪魔を止められないのか。
今日も・・・日が暮れてきた。
照の周りを、深い闇が多い始めたのだった。