エンジニア…市村正親
キム…ソニン
クリス…井上芳雄
ジョン…岡幸二郎
エレン…浅野実奈子
トゥイ…泉見洋平
ジジ…菅谷真理恵
帝国劇場 1階S列下手
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☆昼に続いてマチソワです。もともとこの日はソワレのチケットを持っていて、でも、渋谷イベントのあとで藤岡クリスを観たいなー、いつ観ようかなー、と考えた結果、複数日サイゴンみて暗い気持ちになるよりは、一日のほうがいいかなーと思ってマチソワにしたのでした。(なんだか、レミのときよりかなり一生懸命通ってるなぁ…)
☆ソニンキム。すごい。魂のキムです。全身でぶつかってくる。トゥイとの対決がすごかった。タムをとられまいとして最後までしがみついて、ほとんど床に倒れるほど。「♪運命が回る~」のところ、もうすでに歌は崩壊していて、絶叫になっていた。でも、キムの恐れとか心の奮えとか、痛いほど伝わってきた。泉見トゥイの激情も全く負けてなくて、この二人最後まで同じテンションで張り合っていて、もう見てるこっちが思わず悲鳴をあげそうだったよ。すごい……。
☆「ミス・サイゴン」に触発されて、近藤紘一の「サイゴンの一番長い日」という本を最近読んだのだけど、それによると、サイゴンの女性はかなりつよいそう。それを思うと、ソニンキムって、まさにサイゴン女なのかもね。
☆でも、だからこそ、ソニンキムが激しければ激しいほど、クリスとの恋はどうしたって実らなかったんじゃないのかな、と思っちゃいました。特に芳雄クリス。大人びて繊細な雰囲気。そんな彼と、ソニンキムのような熱い魂のキムが一緒に生きていく未来が想像できないです。たとえサイゴン陥落の際に、一緒にアメリカに行くことが出来たとしても、二人のあまりの価値観の違いに、結局最後は破局しちゃうんじゃないかしら、とか心配しちゃう。芳雄クリス、PTSDに近い状態になっていると思うから、ベトナムを思い起こさせるキムと暮らしていたら、いつまでもベトナムの悪夢を見続けちゃうんじゃないのかな…。
☆「サンアンドムーン」ってすごく素敵なラブソングに聞こえるけど、かたや日、かたや月、同じ空に住むものなのに、まったく違うもの、どうしてもひとつになれないもの、一緒にいることはできないものの象徴であるようにも思う。アメリカから来たクリス、ベトナムで生まれたキム、彼らの愛をお日さまと月に喩えて歌うのって、すごく皮肉。
☆ソニンキムの激しさは、泉見トゥイの狂気の愛に近くて、そういう意味では、この二人まさに近しいもので、むしろ、キムはトゥイと一緒になるほうが、うまがあったのでは、などということも思ったり。
☆浅野エレンは前回観たとき「私戦うわ」の印象ばかりが残って、このエレンでクリスは救われるかなぁ、と思っていたのだけど、今回観て、困惑し戸惑いながらもその奥に強さのようなものを感じ、これならクリスも救われる、よかったなぁ、と思いました。
☆芳雄クリス。今回一番印象に残っているのが、キムが事切れるところのシーン。これまで観たときは、キムを抱きしめて「だめだっ、キムだめだっっ」ってうわ言のようにつぶやいていたり、キムを激しくゆさぶってみたり。だけど今回は何も言わず、キムをぎゅっと強く自分の胸に抱き寄せて、自分の顔もキムの胸にうずめていた。言葉さえない様子に、逆にクリスの痛みが感じられて、今までのなかで一番胸にせまるものがありました。
☆市村エンジニアははやくも楽日でした。2回目なんだけど、ちょっと、うまく読み解けない(まるで禅さんジャベールのようだ)。そもそもエンジニアという人物像を、まだあんまりよく分かっていないのかも。続けて見るうちに、また分かってくる日もあるかな。
☆岡ジョンは「蓮ですか!」でした。噂にはきいていたけど、私は「はぁすぅうう~!?」のほうが好きかなー。あの緊迫したシーンで「蓮ですか」って台詞は似合わないと思うのです……