半分青い 第141回*スパロウリズムの船出 | SHIGAより愛をこめて

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最近あまり使ってませんでしたが、『四月になれば彼女は』『グラスハート』を応援していきます




NHK連続テレビ小説
「半分、青い。」

■放送概要
□4月2日〜9月29日放送(全156回)
□NHK総合
(月~土)午前8時~8時15
(再放送)午後0時45分~1時
□BSプレミアム
(月~土)午前7時30分~7時45分
(再放送)午後11時30分~11時45分
(1週間分)(土)午前9時30分~11時
■登場人物
永野芽郁(ヒロイン・楡野 鈴愛)
山崎莉里那(鈴愛の娘・楡野花野 役)
松雪泰子(鈴愛の母・楡野 晴 役)
滝藤賢一(鈴愛の父・楡野宇太郎 役)
中村雅俊(鈴愛の祖父・楡野仙吉 役)
上村海成(鈴愛の弟・楡野草太 役)
田中レイ(草太の息子・楡野大地 役)
咲坂実杏(草太の妻・里子 役)
風吹ジュン(鈴愛の祖母・楡野廉子 役 / ナレーション)
佐藤 健(鈴愛の幼なじみ・萩尾 律 役)
石橋静河(律の妻・萩尾より子 役)
山城琉飛(律の息子・萩尾翼 役)
原田知世(律の母・萩尾和子 役)
谷原章介(律の父・萩尾弥一 役)
余 貴美子(町医者・岡田貴美香 役)
矢本悠馬(鈴愛の親友・西園寺龍之介 役)
六角精児(ブッチャーの父・西園寺満 役)
奈緒(鈴愛の親友・西園寺菜生 役)
豊川悦司(少女漫画家・秋風羽織 役)
井川遥(秋風の秘書・菱本若菜 役)
清野菜名(鈴愛の親友・小宮裕子 役)
志尊淳(鈴愛の親友・藤堂誠 役)
間宮祥太朗(映画会社「クールフラット」の助監督・森山 涼次 役)
小関裕太(つくし食堂の従業員 健人 役)

■第24週「風を知りたい!!」
9月10日(月)~9月15日(土)
会社を辞めるという律(佐藤健)とそれを止める鈴愛(永野芽郁)が大げんかになる。会社を辞めたところでその後どうするかには具体的なプランがない。検査のために入院した晴(松雪泰子)を見舞いに行った鈴愛は、から気持ちいいそよ風を浴びたいと聞く。鈴愛からその話を聞いたはそよ風の扇風機を作ろうと鈴愛に持ちかけ、2人はひとりメーカーならぬふたりメーカーとして、そよ風の扇風機の開発を始める。早速自然の風と扇風機の風の違いを調べる2人。扇風機の風は自然のそよ風と比べると風力が強く、風が渦状になって吹くことが分かる。しかし、その問題を解消するのは難問で・・・。


■第141回 あらすじ
「おねぇ…明日家帰って来れるか?お母ちゃんが急変して家で倒れた」
草太の電話を受け、鈴愛は律を伴って岐阜に戻りました。
「草太!」
「姉ちゃん…!律兄ちゃんも…」
病院の廊下です。
「カンちゃんは?」
「置いてきた…光江おばさん家に預かってもらって。お母ちゃんどんな感じ?病室どこ?」
「すぐそこだけど…その前に一応説明しとく。昨日の夜中に急に容態悪なって病院来たんや」
「…ほうか」
「このまま入院して、4、5日して落ち着いたら手術することになった」
「…手術来週の予定やったよな」
「早い方がいいらしい…」
経緯と今後の話を胸に、鈴愛は律とともに晴の病室に入りました。
「鈴愛…!なんや…律くんまで…」
「こんにちは」
律が遠慮気味に会釈します。
「わざわざごめんね、律くんまで申し訳ない…」
「…お見舞い来れてなかったから」
宇太郎は座っていた椅子を鈴愛たちに譲りました。
「お父ちゃん、何か飲み物買ってくるわ…。これ、草太も…」
そして草太も連れて退出します。
晴は鈴愛たちに正直な気持ちを打ち明けました。
「あぁ…苦しかった。さっきはもう死ぬかと思った。お母ちゃんさすがに気が弱なってまった…」
余程辛かったのかいつにかく気弱な晴でした。
鈴愛は晴の手を握り、
「母ちゃん、大丈夫やよ…?」
と励ましました。

その頃宇太郎は草太に種を明かしました。
「今はな…あの3人にしたったほうがええ」
「…なんで?」
「晴さんああ見えて策士や。やらっせるよ〜?」
「何を…」
「律くんに鈴愛をもらってもらおうと思っとる…ふはははっ」

「まぁ、おばさんも年やしな。何があっても可笑しいない…」
宇太郎の推察する通り、晴は鈴愛の隣の律に弱音を吐いていました。
「お母ちゃん、弱気になったらあかん。手術すれば助かる。ほら…昨日の夜はちょっと怖なったかもしれんけど」
「鈴愛…お母ちゃんはあんたが心配や」
と言って、晴は律の方を見ました。
律もどう視線を返していいものか、しばらく固まってしまいました。
晴はさらに続けて言います。
「草太はちゃんと結婚して、里子さんもおって、子供もおって…」
「…お母ちゃん、私もちゃんと結婚してカンちゃんもおるよ?」
「今はひとりや…」
「まぁね…」
「あぁ…お母ちゃんは誰か鈴愛と一緒におってくれる人がおらんと心配やなぁ…」
と今度は嘆きの声を絞り出しながらまた律を見ました。
律は今度は視線を外さずに晴に進言しました。
「おばさん…俺、今鈴愛と一緒に新製品を開発してるんです」
律から思いもしない話を披露され、晴は驚きました。
「律くんと?!」
鈴愛も律の話を膨らませます。
「ほうや、お母ちゃん。そよ風の扇風機。まるでそよ風みたいな自然な風の吹く扇風機や?これは売れる」
「えっ…律くんと…一緒に?!」
律は笑顔で返しました。
「はい、俺、鈴愛と一緒に会社立ち上げたんです」
「えぇっ!会社…?!」
その律の言葉には鈴愛も驚きました。
会社はまだ立ち上げてなどいませんでした。
「スパロウリズムって言います。スパロウが鈴愛で、リズムが律…」
会社名も鈴愛は初耳です。
「はぁ…2人で、会社…よかった。ほいでそよ風の扇風機」
先程まで弱音を全面に押し出していた晴でしたが、もうそんな素振りも何処吹く風。
満面の笑みで2人を見つめました。
「ええねぇ!そんな風浴びてみたいわぁ。お母ちゃん…生きとらなあかんな。死ねんなぁ。そよそ風浴びるまで…!うふふっ…楽しみや」
2人はすっかり晴をその気にさせて退出しました。
励ます意味も兼ねた見舞いだったので結果オーライですが、鈴愛が初めて知る話もあり、律に改めて問いただします。
「…律、本気か?2人で会社なんて本気か…?」
律は歩を止めて鈴愛を振り向きました。
そして少し恥ずかしそうに答えました。
「…よかったら、どうすか。一緒にやんない…?」
「いや…律…私はわかっとる。あれや…あれやろ?あの流れやとお母ちゃんを安心させようと思って、思わず言ってまったんやろ?」
こういう所を鈴愛はいつも気遣いました。
本心でないのに無理やりコトを進めるのは嫌なのです。
でも、律の返事は違いました。
「いや、鈴愛…思わずじゃない。思ってた…」
「…ほうなんか?」
「そよ風の扇風機…2人で作ろうよ。きっと楽しい…」
鈴愛はみるみる表情を明るくしました。
「…作る!スパロウリズムや!」
さっき覚えたての言葉を誇らしげに叫ぶ鈴愛。
そして律もおそらく考えに考え抜いた社名や、2人で会社を起こすことを承諾されて、俄然やる気が漲ってきました。
「スパロウリズムや!」
ハイタッチを交わす鈴愛と律。
2人の会社の船出です。

恵子のオフィスでは、恵子がパソコンで津曲の息子の修次郎が作ったという音楽映像ソフトを楽しんでいました。
「ふうん。これ修次郎が作ったの。すごーい!」
「こういうの流行ってるみたいよ?タイトルは『神様に似ている』」
「へぇ…すごいなぁ。修次郎、何年生になったんだっけ?」
「中1…」
「いつ会ったきり?」
「一年ぐらい前かなぁ。あんま合わせてくれないよ…。あれなんなの?」
緑のスクリーンに白ペンで大々的に書かれた言葉を見上げる津曲。
「あぁ、私の新商品緑のパン。成功するようにって」
「いや違う違う違う…その上お母さんのオペは何とかって…」
「あー、今鈴愛ちゃん、実家に帰ってるの。お母さんがガンだとかで。手術するんだって」
「あっそう…成功するといいなぁ。いや、そういうことって大々的にこうやって並べて書くんかねぇ…」
「ふふっ…ちょっと鈴愛ちゃん、独特なとこあるから。伏せるようなところ見せてくるから。でもそういうところが何かを生み出せる部分じゃないかと思う。人と違うことって、普通の感覚と違うことって何かの種だよ。そこから花が咲く可能性がある」

「ねえ、律…風ってどこから来るのかな。そしてどこでいくんだろうね…」
こちらは仕事帰りのまったり正人。
律オフィスにすっかり入り浸りです。
「その質問に答えるとだなぁ…まず風っていうのは空気の移動暑い場所に上昇気流が生じるだろう?するとそこの気圧が下がり周囲から空気が…」
「ふう〜ん…」
「まだ説明途中…これだから文系は…」
ぶつくさ呟く律をよそに、変わらずまったり気落ちムードに浸る正人。
「鈴愛ちゃんのお母さん…明日だよね。手術」
「うん…」
「うまくいくといいね」
「うん…この扇風機ができたら…第1号は晴さんにプレゼントだな…」
真面目に答える律を横目に、
「律は本当…鈴愛ちゃんが好きだな」
と呟く正人。
律が答えるより早くに外で花火の音が響きました。
「花火…どこだろう?」
窓から覗く夜空に花火を探す正人。
「神宮球場だよ。5回の裏に花火が上がる」
と律が教えました。
「へぇ…どこどこ?」
「音だけしか聞こえん。方向が逆だ…」
「なーんだ。そっか…。音だけの花火。なんか悔しいなぁ。終わる恋より始まらない恋の方がいいのか…」
「…え?」
「律とすずめちゃんは…。恋は必ず終わるもん。夏の花火みたいに…」
律と鈴愛は始まらない恋…
正人の言葉が律の心に魚の骨のように小さく刺さりました。
そして、正人は長く続いたアキコさんとの恋が終わったのでしょうかね…

いよいよ手術室へ向かう晴。
「ほんならな…」
「お母ちゃん頑張れよ…!」
「頑張れって、あんた…全身麻酔や。寝とるうちに終わるわ…」
ベッドに横たわりながら強がる晴。
「待っとるでな!」
「待っとるよ?」
鈴愛、草太、宇太郎が口々に励まします。
それでもいざ移動という時、晴は横たわりながら3人に右手を伸ばしました。
その手を3人にギュッと握り返されて、晴は運ばれて行きました。

そして手術室の前で3人は手術の終わるのを待ちました。
鈴愛がその間熱心に本を読んでいるのを、草太が感心します。
「姉ちゃんすげえな。こんな時よう読んどれるな」
「これは、そよ風の扇風機を作る為の資料や。律が置いていった。泣いて待っとっても笑って待っとっても一緒や。…そうや、お父ちゃん、草太…。私はお母ちゃんのためにそよ風の扇風機を作る。これはそのための勉強や。風を知る…」
鈴愛は今一度2人に覚悟を聞かせ、本に目を落とします。
すると、左ページの隅っこに「手術」と書かれた文字を見つけました。
次のページをめくるとそのイラストは少しずつ動いていきました。
手術室前で不安げに待つ鈴愛が、術後外に出る運ばれてて来た晴と抱き合って、周りに紙袋で祝福されて、そよ風を扇風機から浴びる晴が万歳する姿までがパラパラ漫画になっていました。
鈴愛はこれをコツコツと書き上げた律を想像して、胸がじんわりと温かくなるのを感じました。
そして、晴の手術は無事成功しました。


※あらすじは完全に再現させたものではありません。台詞以外の文章は憶測です


ウインク晴さんの策略には笑ったけどね!でもある意味それは本音でもあって。律の様子もうかがいつつ攻めたよね(笑)
でも律も察して、結婚方面をはぐらかすように会社の設立を打ち明けた。はぐらかす意味は大きかったかな〜と思ったけど、その後廊下で鈴愛に改めて打ち明けた律の思いは結構マジでした。いつにも増して素直でフラットな律がカッコよかったぞ!

「よかったら、どうすか。一緒にやんない?」

「いや鈴愛、思わずじゃない。思ってた」

「そよ風の扇風機、2人で作ろうよ。きっと楽しい」

ショボーン思えば律は幼い頃、鈴愛に誘われて色んなもの作ってきた。そして、今回のそよ風の扇風機も、鈴愛の発案に律が乗った。でも、今度は大人の男として、社会人として、そこは律からきちんと申し出たのよね。よかったら、一緒にやらないか、と。そして、きっと楽しい、とまで心の内を明かしてる。

鈴愛、いつぞやあなたが知りたかった、律の心の真ん中…結構さらけ出してるよ?ちゃんと気づいてますか?