NHK連続テレビ小説
「半分、青い。」
■放送概要
□4月2日〜9月29日放送(全156回)
□NHK総合
(月～土)午前8時～8時15
(再放送)午後0時45分～1時
□BSプレミアム
(月～土)午前7時30分～7時45分
(再放送)午後11時30分～11時45分
(1週間分)(土)午前9時30分～11時
■登場人物
永野芽郁（ヒロイン・楡野 鈴愛)
松雪泰子（鈴愛の母・楡野 晴 役）
滝藤賢一（鈴愛の父・楡野宇太郎 役）
中村雅俊（鈴愛の祖父・楡野仙吉 役）
上村海成（鈴愛の弟・楡野草太 役)
風吹ジュン（鈴愛の祖母・楡野廉子 役 ／ ナレーション)
佐藤 健（鈴愛の幼なじみ・萩尾 律 役）
原田知世（律の母・萩尾和子 役）
谷原章介（律の父・萩尾弥一 役）
余 貴美子（町医者・岡田貴美香 役）矢本悠馬（鈴愛の同級生・西園寺龍之介 役）
六角精児（龍之介の父・西園寺満 役）
広岡由里子（龍之介の母・西園寺富子)
奈緒（鈴愛の同級生・木田原菜生 役）
高木渉（菜生の父・木田原五郎 役）池谷のぶえ（奈生の母・木田原幸子 役）
豊川悦司（鈴愛の師となる少女漫画家・秋風羽織 役）
井川遥（秋風の仕事上の？パートナー・菱本若菜 役）
清野菜名（鈴愛の生涯の親友となるアシスタント仲間・小宮裕子 役）
志尊淳（鈴愛のアシスタント仲間・藤堂誠 役）
■第12週 「結婚したい！」
6月18日(月)～6月23日(土)
上京して、２年。鈴愛（永野芽郁）は漫画家デビューを果たすこととなった。さらに、秋風（豊川悦司）の口利きもあり、ユーコ（清野菜名）の連載も決定。苦楽をともにしてきたふたりは、そろって連載を持つことになった。ところが、いざ連載が始まるとアイデアはぴたりと止まり、徐々に追い詰められていく鈴愛とユーコ。そんな姿を見かねた秋風は、菱本（井川遥）を通じて、創作活動の後押しに乗り出す。漫画家デビューから３年がたち、鈴愛はかろうじて連載を続け、アシスタントを雇うまでに成長。一方のユーコは、一時は映画化の話も持ち上がるなどブレイクしながらもアイデアが底をつき連載の打ち切りを告げられる。すさんだ生活を秋風は心配するが、ユーコは聞く耳を持たない。そのころ、時代を代表する漫画として脚光を浴びていたのは、秋風のもとを去ったボクテ（志尊淳）だった。
■第68回 あらすじ
ガーベラ北野編集長が移動の挨拶にやって来ました。
「移動…どちらへ？」
「青年誌です、ビッグイブニングです。先生と別れするのは辛いですが…」
「目が笑ってるぞ？嬉しそうだ…」
「いやいやいや…」
その時、秋風の脳裏にあるアイデアが。
帰りがけの北野を呼び止める秋風。
「北野くん！いや、北野さん！北野編集長！」
あまりの勢いに気圧される北野。
「どうでしょう？！ビッグイブニングで小宮の『5分待って』を連載へ。…私はもとよりあの作品はガーベラよりも少し柔らかめな男性誌に向いていると思っておりました」
いつになく丁寧な物腰で迫る秋風に援護射撃の菱本。
「僭越ではございますが、私も賛成です…！おき土産ではなく、手土産にぜひ！小宮裕子をビッグイブニングに持って行っていただきたい！です！」
「私はこれで連載をとり、やがてゴールデンタイムのテレビドラマにする。最終回は映画だ」
秋風たちの押しを知る由もなく、秋風ハウスのキッチンで野望を語るユーコ。
勢いのある漫画家は言うことが違います。
「ユーコ…欲が深い」
と、呟く鈴愛に、
「鈴愛には負けない…！」
と返すユーコ。
同時に連載を勝ち取った2人は同時にスタートを切ったのです。
そして他誌での連載が決定したユーコに、改めて担当が挨拶にやって来ました。
「あなたがガーベラの連載を取るために書いていた『5分待って』のネーム、読ませていただきました。…大丈夫。よくできています。手直しすれば連載にすぐいけます。うん、いかせます。私は信じてください…！」
「…どなた？」気圧されるユーコ。
「失礼。私ビッグイブニングの藤真由美と申します。これから小宮裕子先生の担当をさせていただきます。私と一緒に頑張りましょう！」
と、いきなりネームに詰まる鈴愛。
身振り手振り、妄想を総動員させて部屋で忙しなく動きます。
「ツグミ、飛んで、私の為に跳んで！」
「飛ぶ！飛んでみせるさ！2ｍcm45センチ！世界新記録！」
そこで我に返る鈴愛。
「なんやこれ…あかん、アホみたいなセリフや…」
そう呟いてベッドに横たわる鈴愛。
秋風の怒りのレクチャーか頭に浮かびます。
「つまらないものなら書くな。この世にない方がマシだ。その時間で君たちはバーガーショップでバイトした方が世のため人のためだ」
「今更バーガーショップでも使い物にならないしな…」
項垂れる鈴愛。
「…私のために飛んで…？跳ぶさ！！君の夢を叶えるよ…それや！！」
その時、飛び上がる鈴愛の部屋の壁がドンドン叩かれました。
「鈴愛、うるさい！」
鈴愛は壁に近づき訊ねます。
「ユーコ、今の聞いとった？」
「うん。ないと思う…」
にべも無い返答。
「うん、だすよね…」
凹む鈴愛。
「それに、ツグミ普通の高校生だよね？さすがに世界新記録は飛ばないと思う」
そりゃそうだ。
「ユーコ…『5分待って』ネーム順調？」
「うん…恐ろしいぐらい順調」
と答えるユーコの近くで大きな物音が…
不審に思った鈴愛がユーコの部屋を覗くと、ユーコは掃除をしていました。
「あんた…何やっとった？」
「えっ、ネームやっとったよ、ほら、これ…」
「その手に雑巾を持っている…」
言い訳に詰まり肩を落とすユーコ。
「バレたか…。苦しくなるとなぜか掃除をしてしまう。そしてこのまま模様替えに突入する勢いや…あかん明日が来てまう…！」
ユーコもネームに行き詰っていたようです…
「模様替えは私もした、主に試験前に。…ユーコ。出来ん時は出来ん。気分転換しよ？いいもの持ってきた」
鈴愛はぐるぐる定規を手にしていました。
あなたのこと思うと
すごく胸が熱くなるの
いつもは憂鬱な雨も
サンバのリズムに聞こえる
気持ちよさそうに歌いながらグルグルするユーコ。
「ユーコこの歌好きだね」
「シーラ＆ロケッツ、神様！」
嬉しそうに答えるユーコ。
「しかし、こんなのよく持ってたね？」
「うん。昔、弟がくれた」
しかし程なくユーコの手は止まります。
「はぁー。気が晴れない…。ぐるぐる定規の絵が溜まれば溜まるほど追い詰められていく」
そう言って、書き連ねたグルグル絵を眺めるユーコたち。
「これは私たちが無駄にした時間の集積だ！！」
2人は秋風ハウスを後にしてレクリエーションルームに移動しました。
今度はお気に入りのモスコミュールで気分転換です。
「私…本当は看護婦さんになりたかった」
突然打ち明けるユーコ。
「初耳。深夜の告白タイム」
と微笑む鈴愛。
「ふふ、酔っちゃった…」
「飲まんとラブシーンなんか描けん」
鈴愛もすっかりお酒を嗜むようになったのね。
「小学校の時、足折って入院したら看護婦さんが優しくて優しくて…。嬉しかった…。うちの母親はフランスかぶれで子供を徹底的に甘やかさなかったから…人に甘えるのってこんなに気持ちいいんだって思った。…安心した」
「看護婦さんになりたいって言わなかったの？」
「…親は許さない。きっと医者になれっていう。でも…私はお医者さんじゃなくて、看護婦さんが良かった」
「ユーコの看護婦さん似合いそう」
と、その時、ユーコは何かを発見したようにジェスチャーを始めました。
「…ここは海！」
両手を広げて遠い目で叫びます。
「突然やな…ワニが居るの？」
「ワニはいないっ」
「スンマソン…」
「満天の星、落ちるように大きい！！」
白い用紙に絵を描き始める2人。
キラキラ輝く星の絵…
緑の波の海の絵…
「私達はスケート靴を履く！…フィギュア…白い靴！海の上を滑る！」
「へぇ、素敵やな。海が凍ってるの？」
「凍ってない。海は海なの。でも集中すると海の上を滑る事ができる。気を許すと沈む…」
「怖いの？」
「ううん…そんなには沈まない。すぐに浮かぶ。気持ちいい海のリンク！」
「そんなこと考えたの？」
「夢昨日見た夢なの…」
「…すごい夢やな。天才や…」
「夜の海は緑…深い緑…」
秋風が言った「想像の翼」で2人は部屋中を飛び回りました。
それが新たなパワーとなり、2人のネーム作りに活力を生み、アイデアが溢れだします。
再び机に向かいネームに挑む2人。
「なんか思い出すなぁ」と鈴愛。
「期末試験期間中に友達と泊まりっ子して勉強した…」
「ああ…私も」
「いつも友達より早く寝てしまった…」
「私はいつも朝まで勉強してたよ？」
「そんな感じや」
「嫌な感じか？」
そして、時々鈴愛はテトリスをして、ユーコはネームに没頭し、今度は鈴愛がネームをしてユーコがテトリス。
そうしてユーコのネームがまず完成。
「できた〜！」と大きく背を伸ばすと、鈴愛は机に突っ伏して寝ています。
ユーコは鈴愛に毛布をかけてやりました。
そしてユーコは寝袋でぐっすり。
今度は鈴愛が明け方近くにネームを完成させました。
2人は朝日を背後に並んで座り、初めての連載のネームをやり切った感動を噛み締めました。
「夢の中でユーコは看護婦さんやった。毛布かけてくれる…」
ユーコはネームを仕上げた充実感以上に、鈴愛が隣で寄り添う安心感に満たされていました。
「私、鈴愛好きだ」
と突然の告白。
いえ、自分に噛み締めるように言っているのです。
「…鈴愛といるとなんでも喋れる気になる。…私とボクテは自分のことを喋れない子だった。鈴愛が私達の心を柔らかくしてくれた。柔らかくなって、弾んで飛べるような気がする…」
そんな嬉しい言葉を言われて返す鈴愛の感謝の言葉は、いつだって「ありがとう」ではありません。
「ありがとう」よりも伝わる言葉を鈴愛は沢山持っているのです。
「私の生まれた日はこんな日だった…」と鈴愛。
「朝日が綺麗やったってお母ちゃんがよく言っとった…」
「ほしたら…今日は鈴愛の第2の誕生日。漫画家の鈴愛が生まれた日にしよう…！」
「うふふ。…いいね。じゃあユーコも漫画家誕生日。…赤ん坊としては律と一緒に生まれて、漫画家としては…ユーコと一緒に生まれた。…嬉しいな」
鈴愛の言葉に微笑むユーコ。
鈴愛にとっても、生まれて初めて人に「好き」と言われた喜びがありました。
みーんな、鈴愛のことが好きなんですけどね！！
※あらすじは完全に再現させたものではありません。台詞以外の文章は憶測です
鈴愛もユーコもデビューしちゃいましたね〜。で、早速ネームに詰まる2人。確か映画「バクマン。」では何話かネームを完成させてから編集部の選抜を勝ち抜き連載の流れでしたよね。バクマンは多分週刊、ガーベラは月刊なので、少しゆとりはあるのかも。それでも初っ端から詰まると、こちらもハラハラドキドキしますわ。でもまた名言が飛び出しました。「今日は鈴愛の第2の誕生日。漫画家の鈴愛が生まれた日にしよう！」
「じゃあユーコも漫画家誕生日！」
「赤ん坊としては律と一緒に生まれて、漫画家としてはユーコと一緒に生まれた。嬉しいな！」
結局、恐らく今週や来週にはユーコと鈴愛は漫画界を去ります。それでも、その時確かに輝いていた2人の足跡はいつまでも色褪せずに心にも作品としても残ります。漫画家記念日は永遠に残ります。朝日をバックに充実感を滲ませる2人のカメラアングル、神がかってたなぁ…