ラッシュ/夜間飛行 | カルロスのブログ

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オリジナルのヘヴィメタルバンド、Hollywood Lippsでドラムを叩いています。KISSのカバーバンドKISS HORNET、Raise The DEVILでも活動しています。
バンドのこと、好きなロックについて語ります。

6月に昔の仲間の紹介で一度スタジオで音合わせしたバンドがありました。それっきりで俺のドラムが気に入らなかったのかな?ぐらいに考えて忘れていました。それが先日「またドラム叩いてくれませんか。」と連絡もらいました。どうやらリーダーさんがボーカルを気に入らず、また探していたらしいのです。それならそうと一言言ってくれればいいのに、ともやもやした気持ちでいます。断ろうかな。

 

そんな時に聴いていたのは爽快なこれです。カナダを代表するバンド、RUSHの"夜間飛行”、原題は"Fly By Night"。75年リリースの詩人でニール・パートを迎えての実質的なファーストアルバム。

ニール加入で変わったことは曲に文学を取り入れたことですかね。楽曲にも文学の起承転結が活かされて複雑になったということのかな。

ニールは新加入にも関わらず変態的リズムを叩きまくっています。曲はラッシュの特徴となるキメや変調を多用。レッドツェッペリンの影響下にあると言われていますが、全体に印象は近いのですがちょっと違う。キメつまりリフを曲の途中に入れるのを多用しています。リフが曲を構成しているのではない。ツェッペリンとはちょっと違うと思います。

 

そんなふうにニールの加入によってレベルアップ、作風も変貌したわけですが、曲によってはゴリ押し、垢ぬけていないところが逆に新鮮でよいです。

後のシンセを多用した派手なハイテクアンサンブルとは違う、ドラム、ギター、ベースという最少ユニットによる鬩ぎ合っているジャミングは若さ溢れていて熱いです。ゲディの張り上げた声もザラついていて演奏に負けじと踏ん張っているようでよいです。

 

「岩山の貂」という組曲が取り入れられて、この後何年か続くRUSHスタイルの原型をみることができます。このことからプログレに接近したとか、バンドのカテゴリーがプログレメタルとか言われてますけど、そこまで区別するものでもないと思います。この時代のハードロックバンドは少なからずそういうものも取り入れていたし。

メンバーのセンス、向上心、時代を巧みに取り入れた巧さ、独自の世界観によって世界的なバンドになっていった。そんなラッシュがまだ粗削りでダイヤの原石だった頃の音を楽しめるアルバムです。

 

1曲はオープニングの"Anthem"で。シンプルでハードかつスリリングなアンサンブル。ニールの挨拶代わりのテクニカルで激しいドラム、ゲディのハイトーンボーカル、これぞラッシュと言える曲であります。

余談ですが、イングヴェイのアルバム"Inspiration"でマーク・ボールズのボーカルでカバーされています。聴き比べると面白いかも。

 

RUSH/Anthem