先日、実家の屋根の修繕のことで親と話し合ってきました。何時立ったんだけっけかなと思いだしてみたら1975年。修繕も必要なわけですね。
1975年の今頃、自分はどうしてたんだろう?夏休みで少年野球に明けくれていた頃だ。町で一番弱いチームのピッチャーでした。
守備がボロクソで足を引っ張る野手、相手チームの口汚く容赦ないヤジ、もう、野球なんかやるもんかと思っていました。昔の少年野球なんてこんなものでしたよ。健全な少年の育成なんてかけらもありませんでしね。今はお習い事みたいなもんだから、お上品になってるんでしょうね。
それで、音楽に少し興味が湧いてきた時期でもあったのですが、洋楽ロックにのめり込むのはもう少し先のことでした。
それにしても、1975年って凄いですね。クイーンが「オペラ座の夜」、KISSがAlive!でしょ。ジェフ・ベックのBlow By Blow、超名盤がリリースされた年だったのですね。そしてLED ZEPPELINはスタジオ盤2枚組のPhysical Graffitiという大盤振る舞いでした。
ツェッペリンというと、Ⅳやファースト、プレゼンスをオススメしがちなんですけど、久しぶりに聴いてみて、これもよいなと思いました。
2枚組というボリュームなんですが、収録曲を調べてみますと…。
(レコードの表記です。)
Side A
1.カスタード・パイ (Custard Pie / Page & Plant)
2.流浪の民 (The Rover / Page & Plant)
『聖なる館』のアウトテイク
3.死にかけて (In My Time of Dying / Bohnam, Jones, Page & Plant)
Side B
1.聖なる館 (Houses of the Holy / Page & Plant)
『聖なる館』のアウトテイク
2.トランプルド・アンダー・フット (Trampled Under Foot / Jones, Page & Plant)
3.カシミール (Kashmir / Bonham, Page & Plant)
Side C
1.イン・ザ・ライト (In the Light / Jones, Page & Plant)
2.ブロン・イ・アー (Bron-Yr-Aur / Jimmy Page)
『レッド・ツェッペリン III』のアウトテイク
3.ダウン・バイ・ザ・シーサイド (Down by the Seaside / Page & Plant)
『レッド・ツェッペリン IV』のアウトテイク
4.テン・イヤーズ・ゴーン (Ten Years Gone / Page & Plant)
Side D
1.夜間飛行 (Night Flight /Jones, Page & Plant)
『レッド・ツェッペリン IV』のアウトテイク
2.ワントン・ソング (The Wanton Song / Page & Plant)
3ブギー・ウィズ・ステュー (Boogie with Stu / Bonham, Jones, Page, Plant, Ian Stewart & Mrs.Valens)
『レッド・ツェッペリン IV』のアウトテイク
4.黒い田舎の女 (Black Country Woman / Page & Plant)
『聖なる館』のアウトテイク
5.シック・アゲイン (Sick Again / Page & Plant)
と、まあ半数は過去アルバムのアウトテイクだったのですね。それでもクオリティは高くて、ドラマー的には「カシミール「や「死にかけて」でのボンゾのドラムがたまりません。テン・イヤーズ・ゴーンやイン・ザ・ライトの儚げな美しさに感動ものだし、黒い田舎の女のプラントの歌声は絶妙だし、聴きどころたっぷりですね。2枚目がちょっととっ散らかっている感もありますが、バラエティ豊かってことで、ある意味集大成的なアルバムといえます。
音の質感は、全盛期というか前期のような鋼鉄の塊のような重さが感じられません。これは、この後のプレゼンスでは復活しているので、このアルバムだけが何だか軽く感じてしまいます。演奏では前期のような各パートのバトルのようなぶつかり合いは影を潜めていて、そういうところも軽く聞こえるところでしょうかね。
なんて思ったらカシミールのような重い曲もあるわけで、これはペイジ&プラントで聴くことが出来ましたが、やっぱり本家のほうが重厚でよいです。まあ、ペジプラより本家のほうがいいに決まってるんですけど。重い曲でもうひとつ。「死にかけて」です。もっさりしたぐったり曲かと思いきや、途中から急展開してボンゾのどこどこずかずかドラムとペイジのへろへろギターが絡み合い、異常なグルーブを生み出しています。初期はこんな曲が多かったわけで、ZEPはやっぱりこんな曲がいいなと確認できます。
一方でDown By The Seasideや黒い田舎の女みたなまったりした曲があったりで、良く言えば音楽性が多彩ということですね。セレクトして1枚組でもよかったかなと思いますけど。
ジャケットは昔の学習雑誌の付録みたいな仕掛けがあって面白かったですね。CDになってからはただの絵になってしまい味気ないですね。