Gas Panic!
Oasis
2000年発表の『Standing On The Shoulder Of Giants』に収録。
正直、oasisの中で一番好きなアルバム。
12年前の記事でも書いてました笑
もちろん1st、2ndも良いのですが、この時期にしか味わえない空気が何ともたまらんのです。
絶頂期から3rdの酷評、そしてブリットポップの終焉。
光を浴び続けた分だけ色濃く伸びた影。
荒廃したサウンドがアルバム全体を支配し、リアムの声は甘さを残しつつビター。
ジョン・レノンやマトリックスを思わせるルックスとファッションもカッコいい。
何ならジャケットも部屋に貼っておきたいくらい好き
さて、そんなoasis初めて(?)の挫折や苦悩を最も投影したのがこの「Gas Panic!」かと思います。
冒頭から何やら不穏な金属音。
逆回転風のギターは人の声にも聞こえます
What tongueless ghost of sin crept through my curtains?
カーテンの隙間から 舌の無い罪の亡霊が忍び込んでくるのか?
Sailing on a sea of sweat on a stormy night
嵐の夜に汗の海へと出航する
I think he don't got a name but I can't be certain
奴は名無しだと思うが確かじゃない
And in me he starts to confide
そして奴は俺に打ち明けるんだ
'That my family don't seem so familiar
"俺の仲間はどこかよそよそしく見えて
And my enemies all know my name'
俺の敵は全員俺の名前を知っている"
'And if you hear me tap on your window
"もし俺が窓を叩く音が聞こえたら
Better get on your knees and pray panic is on the way'
膝まづいて祈った方がいい パニックが襲ってくる"
いかがでしょうか。
数年前まで、
「俺とお前は永遠に生き続ける」(Live Forever)
「より輝く日が来るだろう」(Some Might Say)
「若くて無敵のままでいろよ」(Stay Young)
と歌っていたバンドの歌詞とは思えません
が、
ノエルのドラッグの禁断症状体験を元に書かれたと聞くと腑に落ちます。
途中から挿入されるモーター駆動音がさらに不気味さを加速。
間奏のブルースハープのフェイドアウトは今にも亡霊が出てきそうです
こちらはTV番組でのライブ
完全にジョンですね
同時期にライブアルバムを出していますが、この時の方がコンディションは全然良い。
ウェンブリーでは泥酔していたそうですから
さて、
この曲を含め色々と過渡期となった4thアルバムですが、前作までにはなかった音作りでoasisの幅を広げたことは間違いありません。
そろそろリマスターしてくれても良いのになぁ…
頼みますよ、ギャラガー兄弟