もう7、8年前のこと。

私が働いていた職場に、1人の契約社員さんが入ってきました。

仮にAさんとしますね。

歳は私より3つほど上だったと思います。

背は180以上あったんじゃないかなぁ。

仕事に関してはすごく覚えが早くて、効率的に自分で考えてサクサクやるタイプ。

ただ、あまり表情を変えないし、喋り方も機械的な感じで、ちょっと近寄りがたい雰囲気だったことを覚えています。

「鉄仮面」っていうんですかね(^-^;

職場の人と全く話さないわけでもないけど、打ち解けているわけでもない、そんな感じでした。


そんなAさんが入社して半年ほど経った頃。

ひょんなことから趣味の話になり、私もAさんも洋楽とラーメンが大好物ということで意気投合。

普段はクールなAさんも、その時は心なしか生き生きしているように感じました。

改めてラーメンでも食べながら話しましょうということで、数日後の仕事帰りに一緒に行くことになりました。


約束の日。

一旦家に帰ってから待ち合わせをし、車はAさんが出してくれました。

あのAさんと2人でどっかに行くというのが、なんか不思議でしたね〜。

食事中はとにかく音楽の話をしていたと思います。

お互い好きなバンドは違うものの、ロック好きなのは一緒で話は尽きませんでした。

盛り上がった勢いで、2軒目のラーメン屋へ。

今後を考えても、ラーメン屋のハシゴはこの時が最初で最後だろうな(°▽°)

Aさんは普段見せない表情で、終始楽しそうに語っていました。

お互いCDを貸し借りすることを約束し、「また行きましょう^ ^」と言って別れました。

その後、会社で会ったタイミングで、CDを2枚貸してくれました。

1枚はFall Out Boyの『Infinity On High』、もう1枚はこれでした↓


今まで聴いたことのない類のロックびっくり

なんだろう、この妖しげな雰囲気…

自然と耳を傾けていました。


2001年発表の「Toxicity」より。

"Chop Suey!"
System Of A Down



ベタですが、真っ先にこの曲に惹かれましたおねがい

緩急自在のメロディ…

激しいけど切ない…

こちらは比較的最近で、
2015年のアルメニアでのライブより。

彼らのホームとも言える場所ですね。





過去の記事で紹介したロシアの超絶ギタリスト、
Alexandr Miskoも同曲をカバーしています。


相変わらず何が何だかわからないくらい弾き倒してますグラサン

そもそも、
Chop Sueyってなんだろう?思い調べてみると、チャプスイというアメリカ式中華料理なんだそうです。

以下、Wikipediaより引用。
広東省台山市名物の広東料理炒雜碎(チャーウチャプスイ)がもとになった料理で、豚肉鶏肉タマネギシイタケモヤシなどを炒めてスープを加え煮た後に水溶き片栗粉でとろみをつけ、主菜としてそのままあるいは白飯中華麺に掛けて食す。


20世紀前半にはかなり人気があったのですが、1960年代以降はアメリカ人が本物志向にシフトし、その人気は下火になったとのこと。


さて、Aさんの話に戻りまして…

ラーメン屋ハシゴから数日後、「System Of A Down良かったです!」と伝えたら、とても嬉しそうにしていました。

各メンバーのソロ、特にボーカルのサージ・タンキアンについて詳しく教えてくれたりもしました。

これから洋楽について色々情報交換できるなぁ^ ^と楽しみにしていました。


が、そんな矢先…

Aさんは仕事中のちょっとした揉め事で突然辞めてしまったのです。

本当に突然でした。

私は関与していなかったのですが、内容自体はそこまで重いものでもなく、当事者間の言い方に問題があったのだと思います。

その後、改めて上司がAさんに電話して話を聞くも、結局復帰はせず…

当時、私はまだガラケーでLINEもなく、メアドも交換していなかったので、自然と交流も無くなってしまいました。


あれから7、8年。

働いてたのは短い期間だったし、ご飯も一回きりだったけど、

ラーメン屋のハシゴをしたり、新しい音楽を教えてくれたAさんをふと思い出すことがあります。

人との出会いって不思議なものですね…