2020年1月25日土曜日、2015年以来4年数か月ぶりに梅田芸術劇場で上演を開始した“梅田芸術劇場版”『CHESS THE MUSICAL』が2020年1月28日火曜日、大声援、大拍手の中、無事に閉幕した。
『CHESS』(ミュージカル版)はロンドンで1986年に初演され、3年間のロングラン公演を実現した。その後、ブロードウエイをはじめ世界各地で上演されてきたが、同じ80年代に英国で作られた『キャッツ』『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』とは違い、大衆性に欠けていたと言われていた(以下、敬称略)。
日本では2012、13年に梅田芸術劇場がコンサート版を公演し、2014年には東京インターナショナルプレイヤーズが“日本初”の『CHESS』のミュージカル版を東京・新宿で公演(ただしすべて英語によるもの)し、翌年、梅田芸術劇場が日本語版初の『CHESS』を上演したのが『正式な』ティム・ライスからの発表である。
*100%の日本のメディアが「日本で初めて『CHESS』のミュージカル版を上演したのは梅田芸術劇場としているが、ティム・ライス本人が「日本で初めての『CHESS』上演は東京インターナショナルプレイヤーズ」と公認している以上は、それが『真実」であるのに、なぜ日本のメディアは梅田芸術劇場に『媚びを売る』書き方をするのかわからない。「嘘」はよくない、「嘘は」!結局、日本のメディアはABBA、MAMMAMIA!、CHESSをきちんと取材していないので「嘘」ばかり書く。そのたびに、ABBAファンやCHESSファンやMAMMMAMIA!ファンを悲しませていることをもっと「深く」認識してほしい。
1984年、初演に先駆けてリリースされたコンセプトアルバムは大ヒットを記録。「ワン・ナイト・イン・バンコク」は全米3位に、「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウエル」は全英1位にいきなり躍り出た。1983年の活動停止したABBAはミュージカルでも健在を世界中にアピールした。1984年にはまずコンサート版がロンドンで上演され、続いて前述したミュージカル版が1986年にロンドン・ウエストエンドで上演開始し、1988年にはブロードウエイでも開幕。以降は世界各国をまわり、2012年、ようやく日本でコンサート版が開催される運びとなった。
本作は、日英ドリームキャストの共演が実現し“ロンドン初演版の台本”を用いながらも新たな演出が施されているとのことだが、『ロンドン初演版』を日本のメディアや梅田芸術劇場は観に行ったのだろうか?観に行ってないのに『ロンドン初演版』という“うたい文句”を一体誰が証明してくれるのだろうか?多くのABBAファンは不可思議に思っていることだけはお伝えしたい。なお、筆者と数名の日本のABBAファンは1986年の『CHESSロンドン初演』を観ている。普通はこうした『ロンドン初演版』を経験した人に取材するのが筋だと思うが全くなかった。“誇大広告”と言われても仕方がないと思うのだが読者の皆様はどのようにお考えになるでしょうか?
ストーリーは米ソの冷戦のさなか、イタリアのメラノで『CHESS』の世界一を決める選手権が開かれ、ソビエト連邦のアナトリーが、アメリカ合衆国が誇る世界チャンピオン・フレディに挑戦。アナトリーは国家を背負うことへの重圧に苦しみながらもゲームを優位に進行。フレディが精神的に追い詰められて試合を放棄したため、不戦勝で新王者につくことになる。さらにアナトリーは、故郷に妻子がいながら、フレディのセコンド・フローレンスと敵味方の関係を超え、恋に落ちてしまう。フローレンスは、1956年にハンガリー動乱で親を亡くし、孤独な身の上。アナトリーは亡命を決意し、フローレンスと生きることを選択する。
悪夢よ再び(第三次世界大戦)の可能性もにおわせていた当時の米ソの睨み合い。CHESSの世界試合も単なる王者決定戦におさまらず、両国の威信をかけたものとなる。その異様な緊迫感に襲われながら闘いに挑むアナトリー、フレディの姿が劇中では巧みに描かれている。また、「国」という大きなテーマをもとに、故郷を捨てて亡命の道を選ぶアナトリー、敗北によりCHESS界を去るフレディ、ホームを持たないフローレンスの三者が、個人にとっての居場所を探す物語にもなっている。またこのCHESS選手権を利用して「自分のみ得しようと」する両者のセコンドにも注目だ!
★アナトリー(ラミン・カリムルー)
アナトリー役には、『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』など多数のミュージカルに出演するラミン・カリムルー。政治の駒として利用されてしまうことや、うまくいかない夫婦関係など、様々な憔悴と葛藤の中で生きる男を演じている。
★フローレンス(サマンサ・バークス)
フローレンスに扮したのは、映画『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役で印象を残したサマンサ・バークス。幼少期の出来事を乗り越えられない苦しみを、観る者に訴えかけてくる。
★フレディ(ルーク・ウォルシュ)
フレディを演じたのは、『ロック・オブ・エイジズ』UKツアーで主演を務めたルーク・ウォルシュ。カリスマ性があり、自信をみなぎらせながらも、実は愛情に飢えていて弱さを備える複雑な心情を表現している。
★アービター(佐藤隆紀)
ヴォーカルグループ・LE VELVETSのメンバーで、今作では世界選手権の審判・アービター役でストーリーテラーの役割も担う佐藤隆紀のパワフルな歌声にも心が揺さぶられる。
★筆者観劇感想
筆者は1984年から『CHESS』のコンサートヴァージョン及びミュージカルヴァージョンを世界各地で観てきたが、前回までの「日本人が主人公の『CHESS』」とは明らかに違い、一瞬「海外にいるのではないか?」と言う錯覚さえ覚えた。だが「大阪公演」は「東京公演」と毎回反応が違う。大阪のほうが異常にテンションが高いのだ。2月1日からの東京公演で“真の結果”がでるのではないかと思う次第である。
さあ、次は東京公演!是非、皆さん、国際フォーラムCに足を運びましょう!!
【東京国際フォーラムホールC】
2020/2/1(土)~2020/2/9(日)
料金S席 13,500円 A席 10,000円 (全席指定・税込)
問い合わせ:梅田芸術劇場 0570-077-039
2月1日土曜日・17:30
2月2日日曜日・12:30・17:30*
2月3日月曜日・18:30
2月4日火曜日・13:30
2月5日水曜日・13:30・18:30
2月6日木曜日・休演
2月7日金曜日・13:30
2月8日土曜日・12:30・17:30
2月9日日曜日・12:30
*アフタートーク(登壇者:ラミン・カリムルー、ルーク・ウォルシュ、佐藤隆紀)
◆チケット取り扱いhttps://www.umegei.com/schedule/838/ticket.html#place936
『CHESS THE MUSICAL』公演概要
★公演期間
東京公演:2020円2月1日(土)~2月9日(日)
★会場
東京:東京国際フォーラム ホールC
★公演時間
約2時間20分(25分間の途中休憩を含む)
(英語上演・日本語字幕有り)
★料金
S席13,500円 A席10,000円
B席7,000円※大阪のみ
U-25チケット 5,000円(25歳以下対象)※チケットぴあ、e+、ローソンにて販売中
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可
★セット・リスト
ザ・ストーリー・オブ・CHESS(The Story of Chess)
私の目指す場所(Where I Want to be)
アービター(The Arbiter)
ノーバディズ・サイド(Nobody’s Side)
Chess
山頂のデュエット(Mountain Duet)
別の誰かのストーリー・サムワン・エルシズ・ストーリー(Someone Else’s Story)
アンセム・聖歌(Anthem)
ワン・ナイト・イン・バンコク(One Night in BangKok)
ヘヴン・ヘルプ・マイ・ハート(Heaven Help My Heart)
アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウエル(I Khow Him So Well)
かわいそうな子(Pity the Child)
*詳細は後日発表致します(まだ観劇していない人が多いので今はネタバレはしません)。
★出演者
アナトリー:ラミン・カリムルー
フローレンス:サマンサ・バークス
フレディ:ルーク:ウォルシュ
アービター:佐藤隆起(LE VELVETS)
スヴェトラーナ:エリアンナ
モロコフ:増原英也
飯野めぐみ
伊藤広祥
大塚たかし
岡本華奈
柴原直樹
仙名立宗
染谷洸太
中井智彦
菜々香
二宮愛
則松亜海
原田真絢
武藤寛
森山大輔
綿引さやか
和田清香
(五十音順)
※河野陽介は一身上の都合により降板致します。これによる払い戻しは行いませんことご了承ください。
※都合によりキャストが変更になる場合があります。
<STAFF>
作曲:ベニー・アンダーソン、ビヨルン・ウルヴァース
原案・作詞:ティム・ライス
演出・振付:ニック・ウィンストン
音楽監督:島健
照明:ベン・クラックナル
音響:大野美由紀
映像:ダンカン・マクリーン
衣裳:DAISY石橋瑞枝
ヘアメイク:森哲也
演出助手:加藤由紀子
舞台監督:藤崎遊
大阪公演主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ
東京公演主催:梅田芸術劇場
後援:WOWOW
企画・制作:梅田芸術劇場