ずっと前から読みたいと思っていた単行本をブックオフで見つけました![]()
ストーリーは、
東京・広尾にある超高級の介護付きマンション
「セブンスタータウン」で働く3人のアラフィフ女性を主人公として、
彼女たちが抱える深刻な介護問題を背景に、
少しずつ平穏な日常が変わり始め、ある大きな事件へと発展していく様を、
時に明るくユーモラスに、時に深刻に重々しく描いていきます。
新しく受付担当としてパート入社した細川邦子(48歳)は、
「大学には行かずに声優の専門学校にいきたい」と言い出した一人娘と、印刷会社で働く50歳の夫の
3人で暮らす平凡な主婦だったが、実家で兄夫婦と同居している父親の痴呆状態が進んだ事から,
兄嫁が家出してしまい、最後には自分が父親の介護をする事になってしまう。
独身の看護師 田代朝子(54歳)は、母親が3年前に脳溢血で倒れて以来ずっと1人で面倒をみてきたが、
年子でバツイチ無職の弟・慎一が突然実家に舞い戻り、初めの頃は自分が母親を介護すると言いながら、
ひと癖ありそうな年上の彼女に入れあげて実家のお金をあてにし始める始末。
同じく独身、ダイニングで働く丹羽さつき(52歳)は、優しい両親と3人で平和に暮らしてきたが、
父親が進行性の膵臓がんと診断されて半年後には亡くなってしまい生活が一変する。
癌の治療に貯金の半分以上を使った末に、住んでいた借家を追い出されることになったのだ
そんな、50歳前後の女性なら誰もが他人事とは思えない悩みを持った3人が、
入居金8千万円~1億2千万円で、入居者はほとんどが医師や大企業の役員、
会社の経営者やその妻たち。豪華さと手厚いサービスは日本一と謳われる高級老人ホームで出会うのだ
帯の説明書きに、
「それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える3人は、
困窮していく我が身と、裕福な施設の入居者たちとの想像を絶する格差を前に、
一世一代の勝負に出る!」とありますが、
確かに、一世一代の勝負である物語の中盤からは無謀ともいえる展開になってくるので、
「それはないんじゃない?」と心で突っ込みを入れながら読みました。
私も、実家で1人暮らしをする高齢の母親がいる身なので、
邦子、朝子、さつきが抱える悩みがとてもよくわかりますし、
親を介護施設に預けることに決めてから色々と施設を調べて探し、
ようやく契約をした先が介護士による虐待で世間を騒がせた施設のフランチャイズだったことがわかる・・・
というくだりは参考になりました。
少子化と同じく、今の日本で最重要課題といえる介護問題。
林真理子さんが強く訴えたいメッセージが、主役の3人の声となって心にしみてきます。
「介護は優しい人間が負けるのだ。
親を思いやる心を持ち、常識や気配りがある方が負ける。こういう人間は争うことを放棄して
しまうからだ。誰かがしなくてはならない。こう思った方が負けて辛い目に遭う。
損ばかりして悔し涙を流すのだ」
何もしなくても金が湧き出るすべ(株や、家賃収入、企業の特別報酬など)を、
いくつになっても持っている、本当のお金持ちが暮らすセブンスタータウン。
少し前のテレビドラマ「やすらぎの郷」と似た部分はあるかもしれませんが、
介護の現場で働く、普通の人たちとの対比が秀逸で、最後のありえない展開が読んでいてスーッとしました。
世論調査の結果で、
今の政権を支持する人々は「今の生活に満足している」「豊かになった」と答える層が圧倒的に多いそうです。
当然、、不支持の層は「生活が苦しくなった」「将来が不安だ」と答えているとか。
日本はこれからどうなっていくのでしょうか・・・・
毎日新聞で連載中から大きな反響を呼び、映画化も決定しているそうですが、
配役はどうなっているのか?調べたけど不明でした。
3人を演じる女優さん、誰になるのでしょう…興味深いところです。
