電子書籍で出版した「網走五郎・神社物語」、今日の掲載は(11)  神社 。

 

    五郎は神社に勤めるまで、神社の宗教が神道だというこは全く知らなかった。五郎に限らず戦後教育を受けた日本人は、神道に関する知識は皆無に等しいだろう。

    戦後、アメリカの占領政策によって神社は国家管理から切り離されてしまった。その結果、日本人から神道に対する知識が無くなったのである。

    それでも五郎は北方領土へ泳ぐ時、神社に神様が住んでいることだけは知っていた。神社とは神様の住居のことである。神社には神様が住んでいる。

    全国には八万社以上の神社が点在しており、日本国中に神々が満ち溢れている。海の神・山の神・川の神・風の神のような自然現象を司る神、衣食住や生業を司る神、国土開拓の神、国家や郷土のため尽くした偉人の神など無数の神々が神社には祀られている。

    日本人は森羅万象を神から生まれた神の子と捉え、森羅万象全ての奥に生みの親「神」を見ていたのである。

 神社の宗教は神道である。神道は日本で生まれた日本古来の宗教である。仏教・キリスト教・イスラム教その他の宗教が日本に伝わる以前から日本にあった日本固有の宗教である。

 しかし占領軍は「戦争を起こした元凶は神道にあり」とし、神道を日本国家の宗教から外してしまった。

    日本弱体化政策である。学校での神道教育は禁止され、いつしか日本国民から神道が消え去り、神社という建物だけが残ったのである。