おはようございます。

代表質問の原稿です。(全てこのまま読むとは限らず、変更の可能性もあります。)
本日、登壇するのは2番手。13時ごろの見込みです。
お時間のある方は傍聴、またはweb中継・録画をどうぞご覧いただければと思います。

私は、会派民主市民ネットを代表して、網走市における平成25年度市政執行についてならびに教育行政執行について伺ってまいります。
水谷市政も折り返し地点です。黒字決算が続いていることもありその財政運営については堅実に進められ、これまでのところ導水管の事故などを除くと、大きな問題もなく推移していると捉えております。
また、市長が選挙戦で掲げたマニフェストについては多くの項目で着手、あるいは実行へと取り組みが進められ、そのことについて評価する声もあり、市長もそのように感じていらっしゃると推測するところであります。
しかし、マニフェストが制作された時点から、その内容や政策の精度については必ずしも十分ではないという指摘も多く、客観的にみるとマニフェストの進捗状況だけでは水谷市政を評価できないと考えます。
そこでこれまで実行された政策を見ていくと、課題であった各種政策については一定程度進捗が図られ、特に第3次行政改革推進計画と表裏一体で進められようとしている大型の建設関係予算を伴う懸案事項については、一部を除いて順調に推移してきたと捉える事ができます。
しかし、第3次行政改革推進計画においては、これまで手をつけなかった人件費削減を含めた市中経済の縮小。特に飲食業や商業、小売業などの中小企業をとりまく経済的影響への懸念が指摘されていること。観光部が新設され、観光について新たな流れが構築される期待もある一方で、その施策展開については期待したような変化は今のところそれほどはみられず、今後の動きしだいではありますが、経済部から観光部を独立させたことは正しかったのかどうか検証も必要だという指摘もあります。
加えて、経済対策については積極的な政策展開も随所で見られ、評価する声もある一方で、雇用対策を含めてはっきりとした効果が見られないとの見方もあり、具体的な目標を定めた政策展開が必要になってくると捉えております。
また、健康をキーワードに進められている政策展開の中では、新年度の事業の中でも随所に医療・福祉に関する新たな取り組みがみられ、これまでの取り組みと併せて評価する声もあります。しかし、一方で地域福祉の観点からみると、在宅を中心とした暮らしを支えるインフォーマルサービスを含めた取り組みについては、従来の域を脱するには至っていないという指摘もあります。
こうしたことから、水谷市政のこれまでの評価については、評価する声がある一方で、若さと民間出身・市議出身であるという自らのスキルを活かしながら、行政組織を本来の意味で束ねきってはいないのではないかという手厳しい指摘もある状況です。
私たちは、従来から良いものは良い。悪いものは悪いと、是々非々の立場で臨んでまいりました。
今後も、二元代表制の地方自治の下、これまで以上に積極的に提案を含めた取り組みを行いながら、「生活者・働く者・社会的な支援を必要とする者」の立場にたち、水谷市政に対して、そのかじ取りの行方がどのような影響を市民生活と網走の未来に与えていくのかしっかりと見極めながら、臨んでいきたいと考えております。

さて、取り巻く情勢を見ると、3年半に及ぶ民主党政権の政策で、削減が続いた地方交付税が増額されるなど地方財政計画が見直されたことによる影響もあり、網走市の財政もひと息ついた状態であります。
こうした状況下で政権交代があり、状況も大きく変わっています。
積極的な財政緩和措置として市場を含めて評価がある一方、09年以前の公共事業依存型の経済政策が復活したとの指摘、経済政策ブレーンが「新自由主義」の旗手であることや、「適正化」という言葉で説明されている、事実上の生活保護の切り捨てなどの政策を実行しようとしていることなどから、格差拡大の懸念など、多くの不安要素があるのも事実です。
次に、海外の情勢をみると日本と中国及び韓国との関係は悪化しており、経済的な影響も生じている状況にあります。
さらに、北朝鮮の暴走ともいうべき挑発行為も、核実験の実施に止まらず、休戦協定の破棄の可能性について言及するなど、国際的に無視できない事態を発生させ、大きな懸念が広がりつつあります。
加えて、TPP交渉参加の是非は、大きな課題として引き続きあり、総理の訪米後の発言と与党自民党の動きや発言を聴くと、すでに参加の意思を固めているように受けとめられます。
このことは、網走の第一次産業を含めた産業全体に大きな影響を及ぼすのは必至の情勢であり、果たしてGDP比約15%ほどの輸出産業を伸ばして行くことが、食料自給率を高め、食料安全保障を守るという考え方と比較した時に、国益にかなうものなのか。網走農業の主要作物についての影響を限定的なものにとどめられるのか。
かえって国内の財の流出につながらないのかという懸念を払しょくする材料もなく、極めて厳しく、難しい判断が求められており、時代の岐路に立たされています。
こうした状況の中で誕生した安倍政権は、一言で言うならばその発足前から「行き過ぎた右傾化傾向」に関する懸念が多くの専門家などから指摘されており、ここにきて幾分トーンダウンした感はありますが、経済政策よりも実は憲法の改正や、防衛予算の必要以上の増強にこそ狙いがあるのではないかとの指摘も少なくありません。
このような政策が中国などアジアからの観光客が訪れるまちである網走市にも大きな影響を与えており、早期の関係改善が求められています。
すでに工業生産額では米国を抜き去り、そう遠くない将来GDPでも米国を追い抜くであろう、中国を初めとしたアジア各国との早期の連携強化は近々の課題であり、その中で網走市がどのようにアジアの成長とつながり、網走市の成長へと結びつけていけるのかどうか。このことは、大きな課題です。
以上のような安倍政権の政策と、国内外の状況を踏まえて、市長は安倍政権の各種政策に対してどのような捉え方をされているのか。
また、それがどのような影響を網走市に与えると考えているのか。さらに、その影響についてどのような対策を行う考えなのか、あわせて見解をうかがいます。

次に第3次行政改革推進計画についてであります。一昨年から実質的にはスタートした網走市の第3次行政改革は、持続的な財政運営を将来にわたって確保するという目的を達成するために、必要だということは承知をしております。
 しかしながら、第2次行政改革推進計画まではなかった人件費の削減によって、市中経済に与える影響を懸念する声も少なくないこと。職員のモチベーションを維持する仕組みが見受けられず、結果として計画でいう市民サービスの維持は、本当にできるのか。他市の事例のようにモチベーションの低下とそれに伴うモラルハザードの問題など、さまざまトラブルが起こる状況が生じることはないのかなど、いくつかの懸念も出ています。
 本来は、人件費の削減などが網走市の経済に与える影響を試算したうえで、達成すべき経済成長や雇用増の目標値を定め、行革による影響を補完する政策を着実に実施することが必要であり、このことは職員のモチベーション低下を防ぐ、極めて基本的かつ有効的な手法であることはご承知のとおりであります。 
こうした状況の中で、国の地方交付税は小泉政権時代から始まった三位一体改革の水準以前には回復しました。しかし、少子高齢化が急速に進むことなどから社会保障費増大が見込まれ、一括交付金が廃止されひも付き補助金が復活することや、国及び道の財政状況が大変厳しいことなどから今後の交付税増額は困難との考え方は理解できます。
ただ、一方で地方は独自の努力を積み重ねることも大切であり、将来にわたって持続的な財政運営を確立するためにも、財政の健全化と併せて職員のモチベーションの維持に資する積極的手法を含めた目標設定が不可欠であります。
 現在のところ第3次行革の終了以降の見通しは示されておりませんが、これまで述べてきた観点を踏まえながら、第3次行政改革推進計画の進捗状況と今後の見通しについて見解を伺います。

次に財政についてであります。
網走市の財政は危機が叫ばれていた状況を脱し、大きな財政出動を伴う事項がなければ財政破綻をきたす状況にはないと捉えるところであります。
しかしながら、国の地方交付税の動向は、いわゆる15カ月予算と呼ばれる大型の補正予算の要素を省いて来年度予算を見たときに、地方交付税は削減されている状況で、平成26年度予算以降の地方財政計画がどう変化をするのか見通せない状況にもあります。
加えて、国の経済対策により多くの公共事業が地方でも実施できることで、短期的には事業量も確保され、地元企業にも受注できる形になればという前提はあるものの、一定程度の経済対策が行われることになります。しかし、これは従来型の手法であり、見直しや是正が必要な点もありますが、何よりも心配なのは網走市の財政に与える影響であります。
ほかにも、雇用対策やものづくりに関する補正予算が国では決定され、網走市でも具体的な検討をされていますが、大切なのは「将来、発展する可能性のある事業にできるだけ多くの資金や人材を集中させながらも、設備の維持を図ることで」であり、バランスのとり方が大変重要になります。
網走市としてはこうした国の財政状況を踏まえながら、どのような考え方を基本として市政運営及び財政運営に当たられるのか。また、今定例会に上程され、先ほど可決された補正予算とは別に、今後見込まれる雇用対策やものづくりなどのソフト事業に関する補正予算の活用については、どのような体制と考え方をもって取り組みを進められるのか、市長の見解を伺います。
 
次に政策検証と事業評価の充実についてであります。
 網走市の財政は公債費の割合が高く、そのなかで事業の取捨選択をしながらも、新しい事業にも取り組む姿勢は一定の評価をするものであります。
 一方で、実施した事業について評価を行い、背景となった政策的な効果について検証を行うことは、実施された事業の効果がどの程度で、政策課題の解決にどの程度寄与することになったのかを図り、今後の政策展開と事業実施に影響を及ぼすものかを決めるためにも大変重要です。
これまで、網走市は実施事業の評価の仕組みについてはPDCAサイクルを中心に進めてきたと理解はしておりますが、政策的な検証作業が事業実施後必ずしも行われてきたとは言えない状況にあります。
 これまで実施してきた事業で、来年度以降も継続して行おうとするものは、なおさらこうした政策的検証を行うことが必要と考えますが見解を伺います。
 また、政策的検証を行うためにはそれぞれの事業を立案する際に、政策的な目標を具体的に定めるとともに、可能な限り達成すべき目標を数値化したうえで「事業を進めながら途中経過も含めて検証を行う」ことがより効果的な政策展開と、充実した施策の実施に繋がっていくと考えますが網走市としての基本的な考え方をお示しいただきたいと思います.


 つぎに、指定管理者制度の運用と情報公開の強化についてです。
網走市における指定管理者制度は、様々な施設で実施され、徐々に広がりを見せています。
 指定管理者制度は、あくまでも行政コストの削減が一番の目的ではなく、公が直接行うよりも民間のノウハウを含めて事業展開したほうが、市民サービスの向上につながるということが第一であり、そのためにも、指定管理者での雇用条件は、一定水準を下回らないよう維持することも必要になります。
 こうした観点から、指定管理者の運営状況を差し支えのない範囲で出来る限り「フルオープン化」させていくことや、指定管理者の選定理由だけではなく、選定資料を含めて選定に至るまでの過程を全面的に公開していくことなど、情報公開の強化が必要だと考えますが見解を伺います。

次に、職員のソーシャルネットワークサービス活用を含めた情報発信体制及び広報体制の強化についてです。
網走市では、積極的な取り組みを進めており、実は道内では最先端に近い取り組みを進めている状況で、積極的に評価するところであります。
しかし、それでも改善の余地はあります。情報を職員自らが責任を持ってFacebookページや自らのFacebookで発信するなどの取り組みは、実は組織変革と意識変革につながるものであり、それは他市の先進事例を見ても明らかであります。
地域で最大の人員と能力と資金力を有する自治体が意思を持って積極的に情報発信を行うならば、必ず地域の発展につながるというのもうなずけます。
しかも、ほとんど予算がかからないことなどから、積極的かつ組織的、意図的な発展が必要な分野であり、最近注目が集まっている、F&B良品の取り組みなどもそこから派生し、全国の自治体へと派生しているものであり、網走市も次なる戦略的な対応が必要な段階に来ています。
 改めて、こうしたソーシャルネットワークサービスをどのように活用していくのか。また、今後にむけて情報戦略と広報戦略を持って来年度は取り組んでいくのか見解を伺います。


次に網走市における農業についてであります。
市長の市政執行方針によると、今年度、新たな農業振興計画を策定し、経営の安定化と、活力ある網走農業実現に向けて、担い手対策や、畑作基幹作物の生産基盤の整備などを重点として取り組むとのことであります。
また、今定例会に提出された補正予算では、大型事業として小麦船積みセンターの新設を予定されるなど、積極的な政策は一定の評価をするところです。
しかし、こうした政策を展開しつつもTPP交渉に備え、対策を考えていくことも重要であります。現在の情勢では「例外品目はありえる」とする解釈もできる一方で、「品目は限定的なものであり、網走農業への影響は避けられないのではないか」という指摘もあります。
市長はこうした観点で捉えたときに、新たな農業振興計画策定にあたって、状況の変化に対応しながら将来へと展望の持てる網走農業を構築のための計画をどのようなものにするのか、見解を伺います。
また、小麦船積みセンターについては、将来にわたって一定の方向性と考え方をもった対応が必要になると考えますが現状での見通しをうかがいます。

次に畜産業についてです。畜産振興のため、網走市は「あばしり和牛産地基盤づくり」として、これまでも各種取り組みを進められ、その結果もあって、飼育頭数も徐々に増加し、品質についても品評会などで非常に高い評価を得るなど、高まりを見せております。
こうした状況の中で課題としては、飼育頭数をさらに伸ばすことや、堆肥を活用した農業の確立などが挙げられ、網走市としても従来の取り組みから一歩進んだ対策が求められております。
特に網走農業においては堆肥の自家生産・自家消費の確立が積年の課題であり、網走農業における最重要課題の一つといっても過言ではありません。
こうした状況の解決は急務であります。これらの課題について網走市としてどのような姿勢で臨むのか。見解を伺います。
加えてあばしり和牛の食肉処理は、網走市内で対応できていないという課題もあり、解決に向けて具体的な対策を進めながら、販売ルートの確立と、さらなる付加価値を高めるための商品開発に取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。

次に林業についてです。森林は「緑のダム」と呼ばれるほど、保水性に優れ、豊かな水資源の供給基地になるばかりか、災害を防止する役割をもち、さらに地球温暖化防止の観点からもその重要性は高まっており、その価値はますます高まっているといえます。
従来から森林組合とも連携しながら育林・植林に努められていることは承知しておりますが、造林や伐採後の植林、除間伐の作業については必ずしも十分ではない箇所も見受けられる状況にあるほか、危険個所も散在される状況です。
適正な森林整備と併せて、安全性の確保の観点からも実態を適切に把握し、必要な対策を直接あるいは間接的に実施していく必要があるのではないかと考えますが見解を伺います。

 次に水産業について伺います。網走の漁業はここ数年、魚種による偏りや差異はあるものの、比較手良好に推移しており、魚価の安定もあって経営状況は良好であるものが多いと認識しております。
 しかし、こうした状況の中でも課題はあり、新たな「育てる漁業」の対象となる魚種の開発や、網走港からの冷凍ホタテ輸出がゼロになっている問題をはじめ、高騰する原材料が水産加工業に少なからず影響を与えていることから、新たな商品開発支援も含めた積極的な支援策が必要な状況にもあります。
 網走市はこうした水産業の状態をどのように分析し、その原因をどのようにみているのか。また、その解決のために具体的な対策を来年度から実施していく必要がありますが、どのような考え方を持っているのか見解を伺います。

次に内水面漁業における課題についてです。
網走湖・能取湖・藻琴湖などの内水面で行われている漁業については、それぞれがそれぞれ固有の課題を抱えているものの、基本的に「水を守る」ことが必要であります。
網走湖についてはしゅんせつが近年実施されていないことによる漁業への影響が徐々に深刻さを増しており対策が急務です。
能取湖においてはアオシオ発生抑制対策などが必要であり、藻琴湖ではイガイの発生による、シジミの死滅問題や、湖の面積縮小傾向など、それぞれの課題があげられます。
 これらの課題については網走市が直接予算化して事業を進めるものもあれば、北海道が行うものや国が行うものなどもあり、それぞれ連携した対応が求められている。来年度はそれぞれの湖沼における課題について、どのような対策を進められるのか見解を伺います。

次に第一次産業をさらに発展させる6次産業化と、地産地消の取り組みについてであります。
国は6次産業化を進めるように奨励しており、北海道や網走市をはじめとしたさまざまな分野の方が、こうした状況の中で取り組みを進められようとしておりますが、生産拠点が市内及び網走管内にないという課題もあり、輸送費の問題やロット数対応の問題などが、事業の発展を阻害しているという課題が解決できずにいるのも現状の1つです。
こうしたことを解決するのは行政として大切な役割ですが、一方で行政だけでは解決できないものでもあります。
農協・漁協・大学・市民団体などを含めた連携を進め、確かで豊かな食材を多く持ち、まだそれを活かしていく余地のある網走ならではの食文化を育てながら、地域で消費できる食材の開発と、外部に売り込んでいく政策の展開が求められております。
また、ブランド化と「地産地消」とをどう両立するのかも課題としてあり、特に、児童期から郷土に対する愛着を持つことを考えると、学校給食・家庭における地元食材活用は重要です。
こうした観点から、食の6次産業化及びブランド化をどのように捉えて網走市は進めていく考えなのか。また、地産地消の取り組みとこれらの両立をどのように進めていく考えなのか。見解を伺います。

次に、網走港の状況について伺います。
網走港の昨年の貿易額は過去最低を記録するとのことで、輸出は9300万円と前年比38・1%増と大きく伸びてはいるが、その中でも主力商品だったはずの冷凍ホタテの取り扱いが2年連続で全くない状態であり、対策が必要な状況で、新年度予定されているEU向けホタテ輸出の推進に係る事業でどの程度効果があがるのか。見通しきれない状況にあります。

 また、輸入で見ると外国からの貿易船は前年比5隻減って79隻となっており、国別ではカンボジアの船が27隻、ロシア船が25隻、シエラレオネが19隻などとなっているところであります。
 こうした状況についてはどのように捉えているのか。また、課題解決に向けた見通しを含めた網走港の今後をどのように見通しているのか見解を伺います。

 次に、網走市及び圏域における医療体制についてであります。
 網走市を含めた圏域の医療体制は、比較的安定している状況にあり、3次医療まで一定程度の範囲で受けられる体制が構築されています。また、ドクターヘリも導入され、機動性や信頼性はさらに高まっています。
 一方で、地域医療には共通した課題もある。1つには医師と看護師の人材不足の問題が引き続きあげられます。
 現在、網走市の医療現場の人材は比較的確保されているが、特に看護師の数を見ていくと、将来的には厳しい状況も予想されており、医師の確保と含めてこうした課題に対しても解決のための取り組みが必要と考える。このことは、網走市のみならず近隣全体の課題であり、これは1自治体のみならず関係自治体の連携が不可欠でありますが、網走市としてはどのような考えで取り組むのか見解を伺う。
 また、医療従事者の確保のためには「疲弊しないで済む体制と、地域の土壌づくり・意識改革」が何よりも重要とされている。
 特に、安易な時間外診療の利用や救急車の不適切利用、さらにはコンビニ診療といわれるような、本来は病院にかかる必要のない方も病院を利用することなどから発生する課題もあり、いずれも対策は急務。
今年度、これらの課題を解決するためにも相談体制の充実について予算化し、取り組みを開始するようだがどのような考え方に基づいて実施されるのか見解を伺う。また、医療人材の不足。特に看護師の減少の問題にどのように対処する考えなのか見解を伺う。

次に在宅を支える医療体制についてであります。 
予防医療を含めた医療体制の強化充実を図るための施策展開を網走市は進めており、取り組みは評価するが、在宅で暮らし続けることを支える仕組みについてみると、特に医療面で進捗がなかなかみられないものである。
 北海道は、畳の上で人生の終焉を迎えられない都道府県として全国2位の状態にありますが、道内及び全国ではこうした状況の改善が進められており、このことは医療費抑制とご本人と家族のニーズと合致するものであります。
 網走市もこうした取り組みを進めていく必要があるのではないかと考えまますが、「在宅を支える医療体制の充実」と、「医療モデルからケアモデルへの転換」という考え方に基づく、在宅または、それに近い環境で人生の終焉を迎えられる地域づくりの推進についてどのような考え方を持っているのか見解を伺います。

○地域福祉について
 網走市では現在、第5期高齢者保健福祉計画・介護保険計画を定め、各種事業の推進を図られているものであります。
 特に、第5期となる計画については施設から在宅へという基本的な考えや、介護保険設立当初から念頭にある介護の社会化などについて具体的かつ、必要な取り組みが記載されたものになっていると認識しております。
 一方で、国も今年度から新たな事業を新設するなど毎年のように新しい福祉サービス制度が生まれているが、そこに追いつけていない感もあります。
 こうした状況を踏まえ、網走市としては現在、第5期高齢者保健福祉計画・介護保険計画の進捗状況を現在どのようにとらえているのか見解を伺う。
 また、新たな事業への対応状況を含めて、課題として捉えているものにはどのようなものがあり、それに対して来年度どのような対策を進める考えがあるのが見解を伺います。

次に、障がい者福祉における支援上の課題についてです。
 障害者自立支援法が障害者総合福祉法に変わり、これまでと取り組みが変わりつつあるのはご承知の通り。
 児童期においても支援計画作成とそれに基づくサービス提供が義務付けられることになり、そのため地域生活支援事業における相談支援事業に加えて、ケアプラン作成などを行う相談支援事業者及びその体制確保が急務となっている。
こうしたことは成人期においても同様であり、対策について進める必要性が極めて高いもの。
網走市では現状どのような体制にあり、それで十分対応できると考えているのでしょうか。進捗状況と基本的な考え方について見解を伺う。

次に生活保護における課題と網走市への影響と対策について伺います。
国は生活保護の適正化という名のもとに、子育て世帯などを中心として社会的弱者でもある生活保護の切り捨てを断行しようとしています。
確かに、その分就労支援を強化するなど配慮をして行くとしていますが、それで十分対応ができるとはとても思えないのが現状であります。
生活保護制度の見直しは、網走市の財政への影響はどの程度あるのか。また、生活保護を受けている方々どの程度が対象となり、その影響はどのようになると試算されているのか。見解を伺います。
さらに、国の変更による影響が大きい層に対しては何らかの対策が必要です。本来であれば、減額分について網走市が独自で支給するなどの積極的な検討が
必要ですが、現行の生活保護制度では、実施が困難なことは承知しております。
だからこそ、まずは地方の現状を伝えながら減額分の早期回復を求め、国に対し全国市長会などを通じて異議を唱えて行くなど、積極的な対応が必要な情勢であると考えますがいかがでしょうか。
また、子育て世帯が最もその影響を受けやすいとされております。網走市としてもそのような認識をお持ちなのか。お持ちならば、対策の必要性はどのように考えているのか見解をあわせて伺います。
加えて、就学援助など各分野における子育てに関わる予算などに影響が出ないことが望ましいわけですが、どのような考え方を持っているのかもお示しください。

次に、NPOなど市民団体への支援策の充実と協働に対する基本的な考え方についてであります。
網走市は市民団体やNPO法人との協働を進める一方で、協働のルールを定めた指針や条例については存在していない状況です。
北海道においては、平成15年に北海道協働推進基本指針を定めているほか、平成21年には「民間企業との協働の手引き」も作成しており、北海道協働推進基本指針に示されている、「協働に取り組む上での留意事項」をベースに、職員の意識や考え方、行動の取り方等のポイントをまとめ、協働事業の推進に役立てていると伺っております。
こうした取り組みは、他市にも広がりを見せており、客観的かつ積極的な協働推進のためには大変重要であります。
こうした状況を踏まえ、北海道における協働推進基本指針策定から10年目を迎える年に、網走市も協働推進の基本指針と、職員向けの「民間企業・NPO等との協働の手引き」を作成し、市民やNPO法人・企業などとの協働について、さらなる推進を図るための取り組みを進めてはと考えますが見解を伺います。

つぎに男女共同参画の進捗状況と基本的な姿勢についてであります。
網走市では平成24年3月で期間満了を向かえる現行プランに代わる、第2次網走市男女共同参画プランを作成しております。このプランは、網走市の基本戦略として総合計画との整合性を図りながらも、網走市の各種計画や施策に大きな影響を与えるものであることはご承知の通りです。
新たなプランを進めるにあたり、これまでのプランにおける理念の浸透がどの程度進んだと捉えているのか見解を伺います。
また、それらを踏まえて作成された第2次プランは、少子高齢化社会が更に加速的に進み、労働力の減少などの課題もさらに顕在化することなどから大変重要なものであります。
網走市の将来を明るいものにするためにも、しっかりとしたプランの推進と、市民や企業の意識改革を含めた状況改善が図られる必要が極めて高いといえます。こうした状況を踏まえて、市長はどのような決意でこのプランの推進にあたられるのか。見解を伺います。

次に、導水管の事故に関わる課題について伺います。
 2月11日に発生した導水管事故に伴う断水は、翌朝には解消されたものの、市民生活と観光事業を含めた地域経済に少なくない影響を与えたのは事実です。
 このことについては大きく反省し、網走市としても再発に向けた取り組みを進められ、詳細については第3者による調査委員会の中間報告や調査結果を待って対応を進められるものと認識しております。
 今回の断水も、3年前の断水も事故発生したのは冬季であり、やはり冬季に発生する特殊な土壌環境も導水管の破断には影響を与えているのはほぼ確実。
 しかも破断面はいずれも溶接部分だったことから、導水管は耐用年数を経過しても使用し続けることが可能な状態になっていても、溶接部分はそうではなくなってきているということが想定されます。
 こうした事故への対策としては、破損しやすい箇所と想定される溶接部の点検・補修を進めることや、敷設替えを前倒しで行うこと。常設型流量計の設置や貯水池を新設し断水を防ぐことなどがあげられます。第3者委員会の調査を待っての対応も必要ですが、同時にさまざまな観点から断水防止に資する事業を進めることが必要と考えるが見解を伺います。

次に、公共交通総合連携計画の進捗状況と、公共交通空白域の対策強化についてであります。
 網走市における公共交通は鉄道・バス・タクシーなどを中心に維持整備が図られておりますが、その利便性の向上と利用率の向上は、両立を図らなければならない喫緊の課題であり、しっかりとした取り組みが求められている課題であります。
 網走市は公共交通総合連携計画を策定し、バスを中心に利便性の向上と利用率の向上のために取り組みを進めており、現在も2つの路線で実証実験が行われているところです。
 こうした取り組みは継続的かつ、柔軟性を持ちながら来年度以降も継続していく必要があり、継続的な運営ができるように支援策を含めた体制の構築が不可欠になってまいります。
 網走市としては来年度以降、公共交通空白域を解消する取り組みを含め、今回の実証実験を踏まえた取り組みを、どのように進めていく考えなのか基本的な考え方を伺います。

また、「公共交通を守る」ということも重要な政策課題です。網走市として明確な意思表示をしながら、適切な運行とサービス提供が図られるように今後も引き続き必要な対策や支援を行う考えがあるのか改めて見解をお示しください。

次に観光振興計画の策定に関して伺います。
現在、新たな観光振興計画の策定が進められており、今後に期待するところですが、いずれにしても全市的な意識の醸成のための政策展開が求められています。
 そのためにも、市民への情報提供を含め意図を持った政策展開が不可欠であり、広報や各種媒体を使って「観光は、観光関連業界だけのものではなく、市民の暮らしにこれほど大きなプラスの影響を与えている」ということを、いわゆる「見える化」していくことが必要であり、現在の手法では迫力不足の感も否めないものがあります。
 ここは、天都山展望台・流氷館の方向性を定めることと、新たな観光振興計画の策定というチャンスを最大限に活用し、「観光は市民をあげて」という市民意識のさらなる醸成を図るための取り組みを、思い切って進めるべきだと考えますが来年度どのような考え方で臨むのか見解を伺います。

 次に卯原内サンゴ草の再生についてです。今年度も事業として取り組みが進められており、地元を含めた関係者の皆さまのご苦労については敬意を払うところです。
来年度も予算措置されその取り組みは一定程度進むことを期待するとともに、心から復活を願うものであります。
 こうした状況の中で、さんご草の再生についてはその過程を含めて映像や写真などをしっかり管理し、後日再生が成功した暁には何らかの形で「その取り組みの過程そのものを観光や地域振興に活かすような考え方を持つべき」と考えるますがいかがでしょうか。さんご草の再生にかける決意とあわせて伺います。

 次に網走市における雇用の課題について伺います。
網走市において人口の流出は続いており、特に若年層の流出についてはなかなか歯止めがかからない状態にあります。
 このことに対する対策をしっかりと行っていかなければ、人口構成を含めたまちづくり全体に大きな影響を与えかねない状況にあると認識しております。
そのためには、雇用の創造に資する取り組みが重要であり、新産業の創出に向けた取り組みや、起業支援策の充実と、効果的な中小企業対策の実施が必要となっており、来年度の新たな取り組みが行われることには期待感もあります。
しかし、そのためにもこれまで実施してきた施策について評価した上で、必要な見直しや改善を図ることは大変重要です。
網走市はこれまで実施してきた雇用を創造するための新産業創出に関する取り組みや、起業支援策、中小企業対策・行革の影響を受けやすい中小商業者対策などの予算措置と事業内容についてどのような評価を行い、それについてどのような見直しや改善を来年度行う考えなのか見解を伺います。

次に環境基本計画見直しについて伺います。
網走市の環境基本計画策定は、多くの市民参画のもとで、ワークショップ形式を採用するなどこれまでの各種審議会とは異なった手法でつくられてきた課程も含めて評価するものであり、手法については他課も参考にすべきものがございます。
今回改定を迎えるにあたり、環境の変化に配慮したものである必要があり、網走市も一般廃棄物処理場の建設などの大型公共事業も控えていることから、動植物などに与える影響調査などを含め、開発にあたって一定のルールいわゆる「環境アセスメント調査」について定めていくことも必要になってきます。
また、再生可能エネルギーについても開発のルールと目標設定が必要であることは、繰り返し会派でも質問してきたものであり、一定ルールの下での拡大が、環境保全に資するものであることは明らかでます
 環境基本計画の見直しにあたり、環境アセスメント調査などのルールづくりや、再生可能エネルギーの目標値設定について盛り込んでいくことが必要と考えるが見解を伺います。

次に教育について伺う。
国内では評判がよくなかったゆとり教育は、十分な検証が行われることもなく、現在の教育形態に変えられてしまったが、実はOECDの教育に関する報告書や関係各国からは高い評価を受けており、日本もやっとそちらの方向に進んだと、国際的に高い評価を受けていたものでありました。
もちろん、ここで改めてゆとり教育を取り入れることを求めるつもりはありませんが、網走市とも交流もあり、世界随一の教育環境と学力を誇るフィンランドなどの先進的かつ効果的な教育と比較したときに、大きな差異があるのは明らかであり、課題ははっきり浮き彫りになってまいります。
それは、フィンランドが自ら学ぼうとする意識の伸長に基づいて、職業について密接な教育を進めているのに対して、日本の教育は教えていくという形を中心に、職業から大きく離れた教育を行っているということが挙げられます
そこではどこの学校でまなぶということや、誰から学ぶということも重要視されておらず、「どこに行っても自分にあった教育を自ら受けていく」という考え方が定着し、子どもたちの自ら学ぼうとする力は、日本の子どもたちの比ではない状況です。
 私たちは、会派として網走独自の特色ある教育を行うことを求め続けておりますが、現在のところいくつか実施している事業はみられるものの、そこまでには至っていない現状にあります。
ここは先進事例にしっかりと学びながら、教育委員会としても、職業と密着し、自ら学ぼうとする意欲の高い子どもたちを育む教育を実現することが、結果的に「日本だけで一生懸命叫ばれている学力問題」を解決することになります。こうした観点から、網走市がモデルケースになるくらいの気概で教育に取り組んでいただきたいと考えますが見解と決意をお示しください。

次に学校教育と社会教育。生涯学習の連動性についてであります。
従来からこれらが連動することの必要性は指摘されており、網走市についてもいくつかの事業として実施され、効果をあげていると認識しております。
人は生涯学び続ける存在であり、この視点から見ていくと現在の考え方や組織形態は一定程度見直す必要があると考える。
具体的には生涯学習の中に、学校教育も社会教育も包括されているという形態が望ましく、学校教育も生涯学習の一環として捉えた上で、施策が進められること必要であります。
また、以前の公民館で見られたような青年層の居場所や生涯学習の場がなくなってしまっていることも大きな課題があり、あわせて対策が必要です。
こうしたことを参考にしながら、改めて網走市における教育についての考え方と、教育委員会組織の見直しを図る中で、さらなる効果を上げる政策実行へとつなげてはと考えるが見解を伺う。