次に市民を含めた民間活力導入についてであります。
 5月に実施されました行政視察で伺った香川県高松市では、「高松観光プロモーション事業」ということで、企画立案及び事業遂行にあたって民間の活力を導入した取り組みを実施されていたところであります。
 こうした事業は他市でも複数実施されておりますが、高松市の場合は500万円を予算の上限に据え、年間で5事業を採択しており、地元の団体や企業に加えて東京にある県人会や旅行エージェントなどを通じて大手企業も関わることが可能となっております。
 また、成果が上がった事業や認定に至らなかったものの、うまく行ったら面白いと思われる事業については別途取り上げられることとなっており、フォローアップ事業も別メニューとして存在しておりました。
こうした事業は網走でも実施すれば効果が期待できるのではないかと、感じたところでありますが、以前実施されながらも途絶えてしまっている「網走旅プランコンペ事業」などとあわせて新たな取り組みとして実施されてはいかがでしょうか。見解を伺います。

この種の事業を実施する際には、高松市のように網走市内の団体や企業に限らず幅広く募集した方が当面は良いのだと考えます。
 また、旅行業界やイベントなどを実施する広告業界などに勤務する網走出身者も少なくありません。
 他の地域で実施する同様の事業との差別化を図る上でも、企画する団体や企業の直接担当者は「網走市出身、またはゆかりのある者」や、熱烈な網走ファン」であることを条件にするのもよいのではないかと考えますがいかがでしょうか。
 あわせて、網走には団体や企業だけではなく、個人でガイドとして活躍している方々もあります。
 今後力を入れなければならないであろう、着地型観光を強化するためにも、こうした個人の観光ガイドなども対象に含む柔軟な考え方が必要と考えますが見解を伺います。

「高松市の観光行政と高松観光コンベンションビューローの活動状況」と「網走市の観光行政と観光協会の状況」を比較すると、行政依存度や企画力に差異があるように感じたところであります。
 例えば、「高松観光プロモーション事業」についても公募や選定など、事業実施においても高松観光コンベンションビューローの占めるウエイトは高く、公募で決定した事業の遂行は当然ながら起業や団体が実行するものです。
 こうした観光活性化におけるポイントは、網走市における観光行政に対する大きな示唆を与えるものであります。
 今後の観光部と観光協会の関わり及び民間活力の導入についてどのように考えるのか見解を伺います。

観光事業及び関連産業における利害関係の調整や、多様な顧客ニーズに対応するためには、全体を最適化させるためのコーディネーター役が不可欠となります。特に着地型観光に一層力を入れていくのだとすれば、この部分こそが大変重要であり、今後の網走観光の未来を左右するといっても過言ではないのだろうと思います。
 これから、このような役割については行政が担うのか。観光協会が担うのか。それとも他の誰かが担うのか。網走市としてはどのように考えるのか見解を伺います。

次に、Facebookの積極的な活用について伺います。
 このことについては繰り返し質問しておりますので端的に伺います。
 現用、市役所内における書き込み担当者が増えるなど取り組みは進んでいると理解しております。また、担当者については少なくとも全ての課に複数名配置する必要があります。さらに、実施にあたって予算の係る事業ではないこともあり、進捗を早めることも可能だと考えますが、改めて現状と今後の展開について見解を伺います。

今回の行政視察では、FBの活用で大変注目されております、佐賀県の武雄市に伺ったところであります。
人口約5万人の武雄市では、全職員を対象に3グループに分けて研修を行い、全員実施を実現し、短期間で全職員への導入と活用をスタートさせております。
 私は、網走市においても積極的な双方向の情報発信を図るためにも早期の職員全員の実施が必要だと考えております。導入や活用方法については、基本さえ押さえれば、それほど複雑なものではありません。まずは、武雄市のFacebookCity課Facebook係の山田係長などを招聘し、部署ごとの担当職員などにレクチャーを受けると共に、管理職を対象にFB導入の意義などについてプレゼンしてもらうなど、早期の職員全員実施に向けた取り組みを加速させるべきと考えますが見解を伺います。

次に、情報発信ターゲットの設定と、組織の意識改革について伺います。
 以前のFBの運用をみると、網走市内の食や観光についての発信割合が比較的高かったが、最近は低下している。
 逆に網走市内の市民向けの情報について豊富になった点は評価できるが、FBを含めてwebの情報発信ターゲットは網走市民だけではありません。
 網走市以外の人々に対するPR活動を意識した造り方も重要。改めて情報発信ターゲットの設定についてどのような認識をお持ちなのか見解を伺います。

 双方向性の高いFBの運用には、これまでのHPにおける運用とは違った意識が必要であります。それは主に情報の鮮度に対する意識や、意見などを書いて下さった方に対する即応性及び書き込みに関する責任などであり、それらを効果的に運用するためには組織の意識改革と現場への権限移譲などが必要となってくると考えます。
 武雄市での視察では、そもそもの土壌もあったのかもしれませんが、即応性と双方向性を求められるコンテンツの運用が、こうした職員の意識を改革し、組織としての躍動感を醸成したことも否定できないものであります。
 また、武雄市の樋渡市長の「現場に可能な限り権限を持たせ、責任は首長がとる」という意識と行動の徹底、現場との日常的な繋がり強化による信頼関係の構築などがこのような組織の意識改革を生み、それがまちの活力や全国的な注目へと繋がっていることにも着目しなければなりません。
 たしかにこのような組織運営にあたっては、リスクが高まる側面もありますが、それを補って余りあるプラス面が多いのは視察の結果明らかでありました。
 網走市においてもFBに取り組みにあたってこうした組織の意識改革についてあわせて取り組むという姿勢や考え方が必要だと考えるが見解を伺います。


次に企業支援策の充実について伺います。
はじめに、起業支援策についてでありますが、網走市には新規事業展開に対する支援や、APT4に限った新規起業支援があるのはご承知の通りです。しかしながら、他に起業支援に関するメニューはないかと探してみると見当たらないのが現状です。
それではということで、国や道の制度をみても、雇用保険関係を除いてこうした事業は十分とは言えない状況にあります。
雇用の創出を行う取り組みも重要ですが、それとあわせて、自ら働く場所をつくりだそうという、若者や、やる気のある者を対象とした支援メニューや施策が有ってもよいのではないかと考えますが、見解を伺います。

(例)チャレンジショップと屋台村の融合
北見じまん村のような「切磋琢磨しながら一定期間で自立できるような」場所


次は、フォローアップ支援型のメニューの必要性についてであります。
 ものづくりを中心に、マーケティングや新製品開発、販路確保などについての支援策は前市長時代から充実してきております。
 一方で、現在実施している事業を、さらに大きな事業に拡げて行こうという場合や、販路のさらなる拡大など、次のステップに向かいたい場合の支援メニューは今のところ弱いと考えるところであります。改めて支援メニューについて検討を行い、フローアップやステップアップ支援型のメニューの実施を考えてはどうかと考えますが見解を伺います。

 次に、ものづくりを進めるにあたって必要となる生産拠点の課題についてであります。
 前市長の時代からものづくりへの取り組みについてはコツコツと取り組みが進められ、T―1グランプリで優勝したガツンと辛い山わさび粕漬けなどの新たな製品も誕生しており、今後も期待されるところであります。このような新たに誕生した製品を、網走で加工し販売へとつなげて行くことで、製造業としての雇用増加が期待できるのはご承知の通りであります。
ものづくりを進めるにあたって、少量のものならば問題は発生しないのかもしれませんが、一定数を超えて量産しようとすると、そのための拠点が少ないことが壁となって、さまざまなところで事業の伸びを阻害する要因となっております。
 こうした現状はなんとか変えていかねばならないと考えますが見解を伺います。

 この課題は網走だけではなく、網走支庁管内全体の大きな課題でもあります。各機関や団体などと連携し、そろそろこの課題解決のために動き出さないと、ものづくりについて、ハンデを背負ったまま地域間競争の荒波にさらされることになりかねません。
 こうした課題解決のために、産学官連携を進めながら現在すでに存在している組織や、機関、事業などを改変する事も選択肢に入れてはどうかと考えますがいかがでしょうか。
 また、北海道や多市町村との広域連携などを含めて、早期の取り組みを行い、生産拠点設置についての具体的な対策がが必要と考えますが見解を伺います。