②唐津市 唐津城マスコットキャラクター「唐ワンくん」徹底活用事業  鳴神温泉ななのゆ「木質ボイラー導入事業」(24日実施)
 網走市は、今年度の予算でゆるキャラを作成するための予算を組んでいます。ゆるキャラをつくったならば、それを徹底的に活用し、その存在感を活かして網走市及び網走産品の知名度を高めて行く必要があります。今回は、その活用方法について学びながら網走のゆるキャラ作成後の活用について考察しました。
 また、木質ボイラー導入事業は、網走市においても従来から検討はされてきたバイオマスエネルギーについて、その利活用の可能性について探る必要があり、今回実例を実例を把握することで今後の政策立案に活かしたいと考えます。

○唐津城マスコットキャラクター「唐ワンくん」徹底活用事業 -導入に至るまで
唐津城築城400年を記念し、2008年(合併後4年)に唐ワンくん(唐津は1つのワンもかけて)、舞ヅルくん(舞鶴城という別名があった事から)を作成。合併後のまちづくりに共通のキャラクターをつくろうという考え方もあったようだ。
 最初は総経費、5000円の手づくりで、担当者の妻が作成。「彦にゃんのモノマネだ」とういことで苦情が多かった。気持ち悪いと2チャンネルで叩かれるなどしたが、それで名前がかえって広がったことも現在の知名度の高さにつながっている。
 08年9月に全国放送テレビデビュを果たし、ゆるキャラとして上位にランクインしたことから不動の人気を得る。
 09年からふるさと雇用再生特別基金事業として実施。プロポーザルで、子育て支援情報センターが観光協会に競り勝った。その理由は「子どもの情操教育にも活用したいとの企画」が大変よかったことにある。(地域で愛されないキャラは外の地域でも愛されない。)

○その効果
露出が増えることで、メディアや情報誌、ゲームなどで活用されるようにあった。商標登録
は行っており、40件くらいの使用申請があった。基本的には公序良俗に反しない限り許可することになっている。現在のところ使用料はとっていない。
 ブログは100万アクセスを突破し、YouTubeなどでも繰り返しみられている。また、雑誌、テレビなどに取り上げられるなどしており、PR効果は1,500万円くらい(3年間)の計算

○今後の展開
 2012年からは予算を全額単費にして、600万円(2分の1になった)で実施。市の事業以外に出る時には、1時間3000円程度で出動している。経済的な自立を将来的にはできるようにして貰いたいという考えもあるが、有料にすることでクレームがつくこともある。

○その他の状況
 議会からは理解を得ていて好意的。全国の着ぐるみネットワーク(中に入っている人の)があり、全国から相互にオファーもされることでPR効果は高まっている。
 唐ワンくんのWeb書き込みも実施している。リポートや日記的な内容で記述するため、そこでのトラブルはない。
 具体的なキャラクター使用方法としてはお菓子、Tシャツ、ゲーム、パンフレットなど観光媒体に使いたいなどがある。また、キャラクターの改編は、イメージを崩さない範囲で許されている。
 着ぐるみは、現在4体あり、3体使用可能。一式35万くらいで製造している。
 あくまでも「唐ワンくん」は唐津城のゆるキャラであり、唐津市のゆるキャラではない。(そうしておかないと苦情が出る)
 露出して、メディアの目に触れる事が大事だが、売り込みをするとマスコミは嫌がる。
 構造として、アクティブな動きができるものはよかった。

○考察
・ゆるキャラづくりを公募で行う網走の取り組みは良いと思う。その際のポイントは「網
 走のゆるキャラ」とするよりは、例えば「天都山のゆるキャラ」「網走港のゆるキャラ」な
 どの位置づけの方が良いのだということが分かった。

・出来上がった後のどう使われるかということがやはり大切。露出方法や使用方法を含
めて検討しておくようにする必要がある。

○鳴神温泉ななのゆ木質ボイラー導入事業について
市長公約として実施した事業。市営の入浴施設で活用されており、発電量は550kw。予算は国の「地域ニューディール基金」で100%補助で実施している。
導入前の灯油使用量は、年間20万リットルだったが、23年度実績では、年間12,290リットルまでに圧縮に成功した。また、CO2の排出削減は38、6%にのぼる。
経費的には燃料費を1238万円から23年度には725万に圧縮する成功したが、新たな経費として、チップボイラーの電気代が185万増となるなどしており、LED導入や、廃棄ファン、エアカーテンなどを実施する事で、総額としては年額289,880円の増加で推移している。
課題としては木質チップの安定供給が挙げられることや、ボイラー維持管理経費の増加などが今後見込まれる。

○考察
・スイス製のボイラーが周辺では多く導入されており、唐津市でもその状況などから選定。修繕費などはかさむ傾向にある。

・市長公約であったことや国の補助があったことで導入できたが、そうでない場合納入に至ったかは検討の余地があった。

・市民からの評価は今のところ特筆するものはなく、今後PRを含めて行っていく考えは持っているとの事。市民の環境学習の場としての活用を含めた導入を当初から行っておくと、また違った展開もあったかもしれない。

・木質燃料の確保が九州においても課題となっている。網走で導入を検討する場合も、同様の問題が発生する可能性はある。また、維持コストも一定額が必要となることから、それに見合うような総合的な施設での導入を検討しなければならないと考える。