最初に防災対策について。


私は、以前にも災害が起こった時には、町内会や行政機関の機能が著しく損なわれることを指摘し、その対応策について質問してきた。

今回の東日本大震災では、想定していた以上の混乱が随所で見られたこともあり、改めて各種対応策を検討することが急務。


そこで質問の第1は、防災訓練実施方法の再検討について。

幾つかのパターンを想定し、行政や町内会が機能しなくなった際の避難や救助などの訓練を行うことが重要。

網走市及び町内会などが実施する各種防災訓練及び図上訓練の実施形態について、減災につなげるためにも早急な見直しを図ることが必要不可欠。市長の見解を。

質問の第2は網走市の災害対応マニュアルと災害時の市職員の役割分担について。

災害時には災害対応マニュアルに従い、市職員はそれぞれの役割を果たすことになりますが、指示命令系統が整うまで、長時間の混乱が予測される。

全国的にも、必要なシュミレーションを複数行うことで、災害対応マニュアルの制度を高めていくことに加えて、職員が携行している名札の裏に、災害時の職務を明記し、迅速に行動できる形態を整えている自治体が増えている。

網走市においても、こうした取り組みをいち早く行うべき。市長の見解を。

質問の第3は避難所及び公共施設への津波対策についてで。

津波が到達する可能性の高い避難所や、保育所など老朽化が進み耐震性に不安のある避難所について、状況によっては避難所指定を見直す必要性の高いものがあると考える。市長の見解を。

また、被災地では下水処理施設への津波被害が問題となっている。

網走市の浄化センターやスラッジセンターが、津波などの被害にあった際の対応は、どのようになっているのか。あわせて、津波に対する対策は、これらの施設に対して現状でどの程度なされているのか市長の見解を。

質問の第4は災害時のトイレについて。

被災地では下水処理施設の被害と併せて、下水道が破損し、衛生環境の悪化となって生活に影響を及ぼしております。これから夏を迎えるにあたりその影響はさらに大きくなる。

給水環境の悪化も懸念される状況の中で、網走市において同様の災害が生じた際に、避難所におけるトイレの問題は深刻な課題の1つとなる。

今後、各避難所に一定量の雨水を含めた貯水可能なタンクを設けるなど、対策が必要。市長の見解を。

 質問の第5は、障がいのある方や高齢の方々に対する避難所での対応について。

 高齢の方々や、身体障害や知的障害のある方々の中には、嚥下障害のある方々が少なくありません。そのため流動食や食物を細かくするキッチンバサミなどが必要になるますが、それらを備蓄している市町村はほとんどない。

 また、身体障害のある方や高齢の方には和式トイレが使えない人が多くなります。しかし、仮設トイレはほとんどが和式だったため、布団にオムツをしき、その上に掛け布団をかけて用を足すような姿が、多数あった。このことは過去の災害の教訓が活かされていない事項の一つ。

加えて、各避難所で自閉症や知的障害のある方がなかなか受け入れられない、あるいはいたたまれずに、結局、車の中やくずれかけた建物の中で夜を明かさざるを得ない状況が随所で見られた。

 これは、「彼らの日常を知らない地域の方々には、彼らの行動が受け入れにくいものである」ことが原因。

 さらに、被災地では知的障害者の急死が相次いでいる。これは苦痛を伝えることが苦手なところに、持病を抱えている方が少なくなく、長時間の移動や周りの人との関わりなど、環境変化が致命的な影響を与えることなどが原因と考えられる。

 私は、こうした事例から東日本大震災において問い直されている「普段から日常生活の中に溶け込めていない福祉サービスの現状」は、網走でも起こりうると考える。

こうした高齢者や障がい者に対する災害における避難所対策を、どのように考えるのか市長の見解を。