亜東関係協会の彰会長による特別講座です。

115年間一度も日台関係は中断したことがなかった。清朝支配の時代から日本領になる。

当時の清朝と日本政府は2年の間に、台湾に残るか中国に帰るか選ばせた。ほとんどの人は残留。台湾は自ら残ることを選んだことに対し、韓国は国家を併合したというところに違いがある。

また、日本は秩序を台湾に与え、新たな国づくりをおこなった。

50年間の日本統治で、共通語としての日本語普及を行う。これではじめて先住民と中国からの移民が話せるようになった。それまでは会話することもできず、交流もできない状態だった。
第2次世界大戦中には日本兵に志願する台湾人もいた。

台湾は歴史の偶然に翻弄されて来たとも言える。

戦後、1949年台湾に、200万人の中国から移民が。ライフスタイルや文化の違いに驚く。
日本は秩序ある文化で、シンプルなライフスタイル。

中国からの移民は闘争心が強い。損をするのは台湾に住んでいた人々であった。
日本の文化は行動な美的文化である。それは今日まで生きているが、時代の流れでそれを守り続けられなかった。

17世紀以降に中国から移民が入るまでの記録はほとんどない。

蒋介石は日本の対中戦略参謀200名を招聘し、対共闘争を行った。
しかし、冷戦構造の中で構想は終結せざるを得ない状態が訪れた。

朝鮮戦争の影響で、1950年台湾海峡を守るために米第7艦隊を派遣。大陸からきた国民党による独裁政治を当時は米国も受け入れていた。

1960年代、蒋介石と日本とのパイプの影響もあり、日本のGDPが世界第2位になった時代には台湾との蜜月関係が続く。

1971年、国連撤退を余儀なくされる。
1972年の日本と中国との国交樹立で台湾との断交。
72年以来、これまでの運命共同体から屈辱的な状態を我慢してきた。しかし、政権が交代した今がチャンスだと考えている。

「日本も自尊心を持って外交を展開すべきだ」
72年体制の見直しを進めてほしいと考えているし、民主党にも呼びかけている。

2001年の、李登輝前総統の日本での診療実現に私は尽力した。

「尊厳は命より大事だ」と、条件をつける当時の日本政府に一旦断りを入れる。

日本は中国を恐るな。大義は我らにある。

中国が台頭し、オバマ政権の新たな国際政策の実施されるなかで、台湾と日本はほぼ同じ状態にある。

もともと親しい関係の日台が協力することは自然なもの。
台湾は中国とのもっとも特異な外交関係を有してきた国。この台湾の知識を日本にもうまく活用してほしい。

温厚で美的感覚のある優秀な日本文化。しかし、それだけでは国際関係は発展していかない。一つの自己主張のある国へと進化してほしいと思う。

台湾では、日台関係を悪化させると政権を失うことにつながる。だから台湾では日本を大切にしている。

対中関係の展望については、現在、中国政府は国民を豊かにさせることに集中させ、国を安定化させることで民主化から国民の目をそらしている。

しかし、世界の歴史は豊かになれば民主化を求める。
中国は10年1期のリーダーが統治に当たる。指導層は民主化を模索しているが、急げば失脚することになるということを知っている。
だから、中国に対しては辛抱強く待つことになると思う。
中国は意思決定が独裁のため早い。こうした所に注意しなければならない。
一握りのエリート集団が覇権を持つようなことは阻止せねばならない。もっと戦略を高いレベルで練る人材が日本には必要になってくると思う。
中国を変えるには外圧ではダメ。内部から。そのためには辛抱が必要となる。