花火。 | abarkaのブログ

花火。

先日、花火を見にいきました。熱海です。

あいにく開始予定時間のすこし前から小雨がぱらついて、風も強い。

1時間前から場所をとり、君と傘をさして、花火を待つ。


とりとめもない会話をしながら、肌寒くさえある天気のなか、

商工会が呼んだらしい痛々しいまでに「営業感」の漂うバンドの

演奏を聞きながら、花火を待つ。


「さあ、照明が落とされました。いよいよ、花火のはじまりです!

みなさん、カウントダウンを!」


司会のお姉さん、よくとおる声でお仕事がんばっています。

カウントダウンってちょっとやっぱりなんだか恥ずかしい。

でも、そんな恥ずかしいことできるか、と白けた顔するトンガった

年頃も過ぎ、素直に楽しく、


じゅう、きゅう、はち、ななっ、ろく、ごぉ、よん、さん、にぃ、いち、



ぜろっ!


最初の花火があがった瞬間、ちょっと涙がでそうになった。

花火に、ではなく。


最初の花火があがった瞬間、そこにいたみんなが、

「わぁっ・・・!」と言った。

とてもかわいい、ぱちぱちとした拍手といっしょに。

おじさんもおばさんも、ちいさな子供も、だるそうにしてた若い子も、

なんだか怖そなお兄さんも、「わぁっ・・・!」って。



アメリカのどこかの都市での花火の様子をテレビで見たことがある。

絶叫かと思うよなカウントダウンにつづいて、花火があがった瞬間には、

ピーピーと派手な指笛と「ウォー!」「キャー!」の声。

その映像を見て、ちょっと気圧された覚えがある。



声にならない「わぁっ」の声が重なって、

そのたくさんの横顔が、花火の光でぱぁっと明るく照らされる。

その表現、愛らしく、つつましやか。


わたしは日本人という国籍にとくに自負も誇りもないけれど、

ああここは、つつましくかわいい人たちのいる地なんだと、

くすぐったくて、じんときた。


それだけじゃないのかもしれない。


待つことが大嫌いな君が、雨のなかいっしょに辛抱強く花火を待ってくれた。

君が本当に好きなのはわたしではないと知っていながらも、

それがうれしくて、切なかったんだ。


よい花火でした。