敗走記 | 負けるが勝ち犬

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40歳を前に突然会社を辞めてしまった女、独身。しかし、ここからが真骨頂の「リアルタイムサクセスストーリー!」…勤労意欲をなくすこと1年10カ月。のち、不惑にして東京デビューの荒技に出るも、2年後の春にリストラに!またまた崖っぷち~!

今朝の『ゲゲゲの女房』

水木先生の戦時中の回想シーンがかなり壮絶だった。


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見張りをしていたら、反対側からやってきた敵に猛攻をうけ部隊は壊滅。

唯一、とっさに崖から海に飛び込んだ水木先生だけが助かったのだが、ここから死ぬより苦しい試練が続くのである。


敗走を続ける途中、必死によじ登った断崖絶壁で、松明を持った敵兵を発見!
見つかった殺される! というわけで

なんと、崖にぶら下がって、必死で身をひそめるのである。


このとき、「もうダメだ」と覚悟を決めた水木先生は、心の中でご両親にお別れのあいさつをするのだった。


な、な、なんと不思議なことに

就寝中だった境港の母親の元に、その声が届いたのである。

「これは夢なんかじゃない」と、必死の形相で訴える母。

「よし、しげるの名前を呼ぼう」と、これまた必死の父。


こうして水木先生のご両親は、「しげるー」「しげる死ぬなー」と、2人で一晩中叫び続けていたのだ。


さらにまたまた不思議なことに

ご両親のこの声が、死と紙一重の断崖絶壁にいた水木先生に、ちゃんと聞こえたのだ!?


その後、敵兵は断崖絶壁の上を通り過ぎて去って行ったのだった……。

~~~~~

というわけで

親子の絆の深さに、思わず涙がこぼれてきたことは言うまでもない。

あぁ、(また)朝から、せっかく塗った日焼け止めBBクリームがだいなしだ……。

と、思いつつも、やはりこの大きな感動にはかえられまい。


それにしても、不思議だ。

携帯もなんもないのに、なんでお互いの思いや声が聞こえるんだろう……。

人の意識は全部つながっている。

ってのをどこかで聞いたことがあるが、やっぱ本当なのかも!?

もしそうだとしたら、なんだかスゴイ。。おそるべしだ。。


そうだ! オラも心の中で思いを伝えてみよう!

ということを思いつき

「○○出版さん、○○さん、早く入金してねー」

と、心の中で唱えてみる。


念のため、声にも出してみた。

(さすがに、叫ぶことはためらわれた)


…こうご期待である。。


敗走記 (講談社文庫 み 36-12)/水木 しげる

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