あーばぁちゃんがサ高住から
今のマンションに引っ越して早3ヶ月。
いろんなことがクリアになって落ち着いて来た反面
どうにもならないことがならぬまま悶々としている。


『追い出された』と思っているサ高住の存在感が
日に日に大きくなっていくというか(笑)。
改めて、感謝の気持ちがむくむくと。


娘まるちゃんのイラ度は、ハンパない。

距離が近づいて
共に過ごす時間が長くなって
特に、夜の時間の過ごし方が激変したことが
イラ度UPにつながっているのか。

あーばぁちゃんだけなら簡単だったのに
高血圧・痛風持ちの夫の食事作りに
手間ひまがかかるようになって
それがストレスなのか

はたまた、単なる更年期?
結局、そこかーい!と
あれやこれやの理由が、ぐるぐる回り続けている。


今、う○こトラブルは一切ない。
下着も寝具もよごさない。
トイレも詰まらないので、スポスポもしばらく見ていない。
*一応、捨てずにとってある。

あんなこと、こんなことと報告を聞くこともない
しゃべる気分じゃないのに世間話に花を咲かせることもない

物理的にも、メンタル的にも
解放されたことは山ほどあるのに
今の方がイライラしているのは何故なんだろう。


家族社会心理学が専門のポーリン・ボス博士は
『認知症患者の家族は曖昧な喪失を体験して
大きなストレスにさらされる』とおっしゃってるそうだ。

この『曖昧の喪失』には2種類ある。
・さよならのない別れ
・別れのないさよなら

さよならがなかった別れは、
戦争や自然災害などによるあまりに突然な別れ、
行方不明の状態、身体的に不在な状態だけど
人々の心のなかで生き続けている状態のこと

一方で、別れのないさよならとは
今目の前に、身体的には存在しているけれど
心理的には不在であるという現実。
その人の心がもう存在しない状態。

心はもちろんその人のなかにあるんだけれど
以前のその人ではなくなるという意味で。
その人とのかつての関係性を失うことが
大きなストレスを抱えるというのだ。

だから、認知症の人を
『まったくの別人』と割りきるとよい。
以前のその人と比べて悲観したり
怒りイライラすることもなくなるのではないかと
話は続く。

*和田秀樹『ボケたくないという病』より

 

「ボケたくない」という病 (健康美活ブックス)

 



なるほどなぁと思った。
そして全然別の視点から、あることに気づいた。

私は、母娘になったからイライラするんだと。


私は諸事情から、ある一時期
祖母に預けられて生活している。
祖母を母と慕う一方で
母であるあーばぁちゃんを
疎ましく思ってすごした時期があり
再び一緒に暮らし始めたとき
母として機能していない彼女を見て
なかば呆れて、かわいそうだと思いつつも
母という存在を求める気持ちが残っていた
自分に気づいて苦笑いをした
そしてそのまま
自分の中の母という存在を再び消した
そんな経験がある。


もちろん血のつながりのある母娘なので
いろんなことができなくなっていく母の
サポートをするのは自分に課された任務で
あるという自覚はありつつ
そこは、人間としてというレベルの話で
捉えていた気がする。
隣人愛といってもいい。
近所のおばあさんを気にかける感覚。



サ高住と、今と何が違うかというと
あーばぁちゃんに現れた変化。
母親じみたことをしようとするのだ。
結果的にできないんだけど
母親としての言行動をとることがあるのだ。

サ高住時代は
昼間来て帰っていく人だった娘が
今は、毎日帰ってくる。
行ってらっしゃいと言って送り出し
お帰りと言って迎える。
結婚している娘が何故毎日帰ってくるのか?
その矛盾には気づけないけれど。


それをムカつくとは言わない。
私も大人だから(笑)

でも、そんな今さら母親ヅラされても~
と、正直思っている。
実行できるならまだしも
思いだけが伝わってくるという面倒くささ。


親子関係を自然に得られなかったのであれば
再構築すればいいのでは?
そう思ってきたことも事実だ。
寂しかったあーばぁちゃんの人生の最後に
優しい娘として寄り添ってあげるなんて
なんて素晴らしいことだろうと思った。
私自身
親になれなかったコンプレックスがある。
親子関係はひっくりかえってるけど
親になる最後のチャンスだと思った。


でも、うまくいかないこともある。
些細なことで空回りが続く。

自分の気持ちをコントロールできるのは
自分しかいない。

隣人としてではなく
娘として優しく寄り添ってあげられたら
良かっただろうとも思う。



今、目の前にいる老婆は
私の母親ではない。



再び、そう思ってもいいのではないだろうか。
介護職が対応した方がうまく回ることもある。
家族がうまく回せることもある。

あっちいったり
こっちいったり
自分の気持ちを大事にしたり
あーばぁちゃんを最優先してあげたり
いろいろやってみよ。