あーばぁちゃんの体調は、このところすこぶるよろし。
転倒からの不調、アザなども全くみあたらない。
私の介護人生が何年も伸びた(笑)
そんな軽口がたたけるほど、喜ばしいことだと思っている。
このところ長尾先生の本を2冊読んだ。
この『薬のやめどき』は、大きく背中を押してくれることになった。
そもそも、あーばぁちゃんは服薬管理が難しい。
この1~2か月、自分でもホルモン剤を飲み始めて
毎日きちっと薬を忘れずに飲む。ということが、意外に難しいと感じている。
ましてや
高齢者、認知症となれば…自分で管理できないとしても不思議じゃない。
今は、かなりの薬が減った。
確かに、あーばぁちゃんが何か言うたびに
医者の先生はお薬を出してくださるが、
きちっと飲めない状態の中で、どれほどの効果を発揮しているのだろう。
どうしても、ひとつ飲まなくてはいけない薬がある。
血液サラサラの薬だ。
ただ、これもその効果が数日間もつので・・・神経質になるなと
以前、大学病院老年科の先生に言われた。
なるほど、その時もスコーンと腹の中に合点が落ちた。
もちろん、毎日きちっと飲めていれば言うことはないけれど
義母のお薬管理はすばらしかった。ルーティンを確実にこなせるタイプの人だった。
私が、あーばぁちゃんを管理するかのようなことになったら本末転倒。
互いのストレスをためるばかりで、おそらくいいことはないということだったんだと思う。
飲めなかったら、飲めなくてもしょうがない。くらいの気持ちでいなさいと。
だとすれば、私の行く頻度で
その時に確実に飲めたら、それでいいのだ。
毎日のお薬は、そんなわけで今では2種3錠のみとなっている。
問題は、眠剤だ。
本人が希望して、長年ずっと飲んできたこれが…
転倒につながっているのは、間違いなかった。
それでも、『眠れないのがつらい。頭も痛くなる』と言われると
爆睡っ子の娘まるちゃんとしては、そのつらさが理解してあげられず
ずっとそのままにしていた。
たまたま残薬管理を強化していた時
眠剤の残数まで確実にカウントしてた時
朝、送り出しで行ったらベッドのサイドレールに必死でつかまりながら
身動きがとれなくなっていた。
起き上がれないのだ。
よく、つかまっていられたなぁと感心する。
床はフローリングだけれど
体が冷え切って、どうしようもなかったということでもないから
ものすごい時間は経過していなかったんだろうと思う。
ベッドに戻してあげることはできなかった。
37kgのあーばぁちゃんでも、持ち上がらないのだ。
逆にマットを引きずりおろして、床の上でその日は寝たのだ。
実は、この時
眠剤を、トリプルで飲んでしまっていたようだ。
デイサービスに行くために、眠らないといけないと思ったんでしょうね。
飲んだのに、忘れて
飲んだのに、忘れて
3倍飲んでしまったのだ。
本当に、たまたまの残薬管理が功を奏した。
原因がわかるって、非常に大事だ。
なぜ?その状態になっているのか…
もちろん、眠剤のせいじゃなかったかもしれない。
それでも、2~3日中にすっかり良くなったので
それが、結論でいいのではないかと思っている。
その日から、眠剤を隠した。
少しずつ距離を作り、さらっとは探せないように段階を踏みつつ。
眠剤をやめたら、ふらつきなどがなくなって
転倒が減るだろうというのは、素人の私でも単純に想像できていたし
それ通りの結果が出ている。
ところが、もっと大きな変化があった。
確実に、クリアになっているのだ。
頭の中のあれやこれや…記憶とか判断力とか、そういったものが。
30秒前に薬を飲んだことは忘れる。
目の前にあるものが何なのかを判断・理解するのが難しいこともよくある。
だけど…
蓄積されていたクスリの成分が、いったんクリアになったことで
そんな変化が表れているのではないだろうか。
クスリの効能とか
クスリを飲んでいることへの安心感を否定するつもりはないけれど
生活を含めて、デイリーレベルで観察できてこそ
取捨選択ができるのではないかなぁと思う。
もちろん、今後ずっとこの方法がいいわけではないかもしれないことも含めて。
常に、選択していかなければいけないことなのだろう。
本人のためにはどうしたらいい?
本人の代わりに、私が。
失敗が怖くて、判断に迷うけれど。
そこは大胆に。ケセラセラ。
![]() |
薬のやめどき
1,404円
Amazon |

