こんにちは。
剣道は審判が絶対で、 公式戦では3人の審判で勝ち負けが決まります。ビデオ判定はタブーです。
気剣体一致(きけんたいいっち)、と言って、声、打突、打突の音、足と手の動きが揃ってるかなどを見て、肉眼で瞬時に判断されます。
経験者しかわからない部分が多いのです。
しかも、その経験者同士でも判定は分かれることもあります。
2人の審判が同じ色の旗が上がれば、そちらの色のタスキを背中にしている方が勝ちになります。
どんなに上手い審判をしても、 3人中1人しかその判断をしないと無効です。
その、上手い審判というのも解釈が難しい。
指導者に言わせれば、誰もが一本とわかる打突をしろ、という事で、普通は基本審判に文句は言いません。
試合している当人たちにすれば、さっきの一本は逆じゃね?とか、今入ってないけど?とかはわかる事も多いそうです。
けれど、絶対文句言いません。
暗黙の了解です。
外から見ている審判の旗が絶対なのです。
合議(審判3人で軽く話し合う)をしてくれる場合もありますが。
なぜビデオ判定がいけないのか。
あいまいな所で判断しないといけないからです。
気合い=声 剣=竹刀の打突 体=体捌き
の一致をスローで判断できません。特に
「気合い」「気」の部分。
コレは剣道ならでは、の難しい部分。
大きな声。気合い。
メーン、コテー、ドウー、と打突と同時に言う声もですが、試合中ヤァーとか気合いの声、何かを必ず言わないといけません。
そこも審判は見ています、聞いています。
絶対勝つ!!という気合いが入ってるか。
全日本クラスの試合でも、VTRのリプレイで打突が外れていたとしても、声と動きが良くて3本上がるという事もよくあります。全日本クラスの試合になると打突を肉眼で追って、さらに芯に打てたか、を瞬時に判断するのは至難の業です。
打突音、声、身体さばき全体を見て、芯をとらえているか、気合いは十分入っているか。などを判断しています。
人間、しかも経験者の方しかわからない。
経験者でも、気剣体一致の中のどこを重視しているか、で好みもおありでしょう。
最近見てた試合。
名前も売れてるKくん。個人戦2回戦。
相変わらず激しい剣道をしていました。
もう相手をグイグイ押しまくる。
場外は出た方が反則1本。反則2回で相手の1本になってしまいます。
素人ですけど、見てるこっちも嫌な気分になる。
相手の子は激しい動きに消耗させられて、ふらふらしています。
見かねた主審がKくんに何か指導をします。(何を話しているかは聞こえません)
それでもKくんは変わらない剣道をしています。
そうなってくると、審判はKくんには旗が重くなります。なかなか上がらない。
Kくんも、焦り始めてさらに荒い動きになり、最後は渾身の面を打った勢いで場外へ。もうダメ元のような動き。
結果は反則2回で相手の勝ち。
Kくんは、うなだれている様子でコートを去りました。
審判の好みの剣道というものもあります。
試合内容も大切ですが、礼法を重視する審判にとっては、試合態度の良い選手は好まれます。
旗も軽くなりましょう。
前述のKくんは、試合前に相当プレッシャーをかけられてたのを見たよと息子が言ってました。絶対勝たなきゃ、が、あの荒い剣道になってしまったのかも知れません。
そういった悔しさも飲み込む。
負けても最後まで丁寧な態度をとる。
逆に、勝ってガッツポーズなどやろうものなら、一本取り消される事もあります。
試合相手に、戦ってくれてありがとう。
身内に、応援や送迎ありがとう。
大会の企画、計画をしてくれた役員の方々、
試合会場の設営、審判、ありがとうございます。
指導者の先生方、監督、コーチ、いつもありがとうございます。
多分、ここまで考える事ができるようになれたら、剣士として資質が育ったと言えます。
しかし、そんな殊勝な子どもはなかなかいないでしょう。勝てないから嫌だ、先生が嫌だ、剣道なんて辞めたい、面倒、理不尽。
そんな思いを抱えながら継続する。
いつか、感謝いっぱいできる強くて優しい剣士になってくれたらな、と思ったりします。
私はそんな武道を頑張ってる息子たちを尊敬しています。
継続は力なり