いつだったか、
君は、はじめて出来た彼女のことを、姉の私に話してくれた。
とてもうれしそうだった。
月日は経ち、
彼女は、結婚しない相手とは付き合いできないと、
君に結婚の意思を問う。
うちの母は、結婚には反対だった。
人のいい、やさしい君は、
それを口にすることが出来なかった。
それを知らない彼女の側は、お互いの顔合わせにと、一席設けた。
うちの母の意向を言えない君。
とうとう、その当日となり、
反対の意向は、白日の下に晒された。
その後
反対を押しきり、君は結婚。
自身の親族は誰一人出席しない結婚式を挙げた。
反対されてでも、
自分の意向を、もっとしっかり主張して、
その上でどうしてもなら、家を出ればよかったのではと思う。
結婚式に来てほしいと言われたが、
親がいかないのであれば、
私達夫婦も行くわけにはいかないと伝えた。
結婚後、君一人で、うちをたずねてきた。
新婚旅行に行って、あちらの親戚と集ってなどの話を聞いていると、
自身の身内は二の次なんだと思えてならなかった。
反対された結婚をしたことよりも、
みんなにいい顔をした結果、
余計に軋轢を生んだようにも見えたことが、府に落ちない。
そんな結婚をしたことに、
どれだけ覚悟を持ててるのかと思えてならなかった。
「あんたとは、もう付き合えない。年賀状も、その他いっさい付き合いは出来ない」
そう行って君を突き放したあの日。