「僕の手は神の手じゃない。人間の手だ。(服部 匡志)」

 

 

 

「才劣り、学幼し。しかし、性質は素直で華美になびかず、僕すこぶる之を愛す(吉田松陰)」

松下村塾に参加していた伊藤博文への吉田松陰の評価である。

 

松下村塾は明治維新の始まりになった場所で、塾生には高杉晋作、伊藤博文、久坂玄瑞など歴史をつくった人間たちがいる。

吉田松陰は情熱をもって教え子を感化した。

感化して心を動かし、知識ではなく道徳を伝えた。

そしてかかわった人たちをプラスに変える。

 

伊藤博文は初代内閣総理大臣ながらも、決して頭脳明晰な政治家とは違う。

 

周囲と比べて明らかに劣る人間だった。それが人としての深みとなった。

伊藤博文が総理になったときに窮地に立たされていた日本は、当時アジアで唯一ヨーロッパに戦争で勝利した国に変わる。

 

マイナスのスタートをプラスに変える努力ができることが伊藤博文の本質だと思う。

 

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ベトナムで活躍している世界トップレベルの日本の眼科医がいる。

月の半分は日本で稼ぎ、半分はベトナムで貧しい人々に無償で医療を提供する。

テレビにも度々取り上げられた。人格、技術、名声、すべてが晴れ晴れしい。

 

ただ、小学校の時はいじめられていて不登校だった。

医学部受験で四浪し、うつ病になりかかった。

その若かりし頃の服部先生を支えた言葉がある。

 

高校の時に他界した父親の言葉、

「負けるな。努力しろ。人のために生きろ。」

自分のためではなく、自分の身の回りにいてくれる人のために努力する生き方をしてみろ

と常に伝えられてきた。

そしてそれが何よりの支えになったのだ。

 

その経験は服部先生の人としての深みになる。

 

医師になった服部先生は、病気で困っている人たちの期待と願いを自然に背に載せる。

そして背に載せたものは、能力と実力に変わる。

 

数多くの偉大な人間は、マイナスからスタートする。

そしてその能力は、周囲から与えられ支えられたものである。

逆に人として磨かれたものを身にまとっているために、周囲から支えられている。

 

 

社会が持つおもしろみである。

 

 

 

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