日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■関税交渉で日本が持参した危険な「お土産」か
・・・
米国債追加購入の無間地獄シナリオ
公開日:2025/04/18
いよいよ「トランプ関税」日米協議が始まった
(C)ロイター
いよいよ「トランプ関税」を巡る日米協議
が始まった。
交渉役として訪米中の赤沢経済再生相は17日
明け方、いきなりトランプ米大統領らと会談。
追加関税の対象から日本製品の除外を求めた
が、問題は返礼に持参した“お土産”だ。
渡米前から検討されていたのは、米国債の
追加買い入れである。
9日の「相互関税」発動を前後して米国債の
売りが殺到し、金利が急騰。
トランプ大統領が90日間停止を決断した要因
との見方がある。
そこで投げ売りされた一部を日本が買い戻し、
金利を安定させ、トランプ大統領の歓心を
買おうという作戦だ。
■保有1兆ドル暴落必至?
日本政府の米国債保有高は世界最大の
約1兆ドル超。
日本円にして約143兆円は今年度予算
115.5兆円を上回る。運用益の一部は一般
会計に繰り入れ、その額は23年度に約2兆円
に達した。
米国債は安全資産の代表格と言われてきたが、
その常識が今後も通用すると思っているなら、
日本政府の認識は甘すぎる。
■際限なく押しつけられるリスクも
問題は「手土産」、日本は無間地獄に陥る・・・
(赤沢亮正経済再生相)/(C)ロイター
「米国の株式・債券・通貨のトリプル安は、
自由貿易を否定するトランプ関税に金融市場
がノーを突きつけている証拠です。ドルの
信認が失われ、基軸通貨の維持すら危ぶまれ
る中、今や米国債はリスク資産でしかない。
噂通り中国勢が大量売却を仕掛けているのな
ら、より深刻です。長期的にみれば中国の
米国債保有高の激減は明らか。数年前まで
世界最大1.1兆ドル以上の保有を誇っていた
のに、今年1月時点で7600億ドルにまで減っ
ています。海外勢全体の米国債保有高は約
8.5兆ドル。うち友好国の日本と英国、カナ
ダを加えても、約2.2兆ドルにとどまる。
中国の影響力の及ぶ国や相互関税に不満を
持つ国が今後も売り浴びせ、暴落リスクは
高まるばかり。うかつに日本が買い増せば、
トランプ政権の格好の餌食となり、米国債
を際限なく押しつけられる恐れもあります」
(経済評論家・斎藤満氏)
米国内では
「さらなる追加関税と在日米軍の引き揚げで
日本を脅し、1兆ドル超の米国債を超長期の
100年物に買い換えさせる」とのシナリオ
まで取り沙汰されている。
「数兆円単位の運用益が消え、円の急落・
暴騰時の機動的な為替介入も不可能になる。
ますます米国の金融・外交政策への従属性
が強まり、属国から永久に抜け出せなくな
ります」(斎藤満氏)
トランプ政権の「日本が列の先頭にいる」
(ベッセント米財務長官)との甘言をうのみ
にし、優先交渉権に喜び勇んで駆けつけた
赤沢大臣は、まさに「飛んで火に入る」と
なってしまうのか。
【転載終了】
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よく日本外交は、
「弱腰外交」とか「腰抜け外交」と言われ
ますが、慌てて交渉に飛んでいく時点で
負けです。
他国は日本と米国の交渉を注視していま
す。
米国の出方で自国の姿勢を決めるのでしょ
う。
トランプがホワイトハウスで交渉する
のは、国内が関税反対の批判にさらされ、
焦っているからでしょう。
又、米国債購入は以前から中国が外交
カードに使い、売却した米国債を日本が
買い戻させられていたとも言われていま
したね。
無理もありませんね、金利が1%上がると
財政赤字の利払いが9兆円も増えるそう
ですから。