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【転載開始】

■米トランプ暴走「武器供与一時停止」は
 打撃だが・・・
 ウクライナには「意外なチャンス」と識者
 が解説
 公開日:2025/03/05

 

米ウクライナ首脳会談はケンカ別れに
(C)ロイター

 ロシアがウクライナへ軍事侵攻を仕掛け
てから丸3年が経過したタイミングで、
事態は大きく動こうとしている。
ウクライナの最大の後ろ盾である米国の
トランプ大統領が3日、武器供与の一時
停止を決定。
はしごを外されたウクライナが苦境に立
たされるのは間違いないが、見方を変え
れば、新たな道が開けるかもしれない。

  ◇  ◇  ◇

 トランプは、ウクライナに輸送中の武器
やポーランドに保管している武器など米軍
装備品の供与を一時停止。
ウクライナのゼレンスキー大統領との首脳
会談が決裂したことで強硬策に打って出た。

 米メディアによると、トランプ政権は
「軍事支援が問題解決に貢献しているか
確認するために一時停止し、再評価して
いる」という。
ゼレンスキーが停戦に向けた取り組みを
行うまで停止を継続する構えだ。

 トランプの“裏切り”にウクライナは動揺
を隠さない。
支援の一時停止を受け、議会は声明を出し、
米国の支援に関して
〈ウクライナ国民にとって今まで以上に
重要だ〉と強調。
ゼレンスキーも自身のXで
〈和平の道筋のためにも米国の支援を強く
望む〉と訴えた。

 独シンクタンク「キール世界経済研究所」
の調査によると、侵攻開始から昨年までの
対ウクライナ軍事支出のうち、米国が49%
(670億ドル)を、その他の国が51%
(690億ドル)を負担したという。

 確かに、米国の支援なくして戦争継続は
困難。
米国が供与するミサイルなどが使えなくなれ
ば、ウクライナが現在の戦力でロシアと対峙
できるのは、もって「今夏まで」との見方も
出ている。

 筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)
が言う。
「武器供与の打ち切りはウクライナにとって
最大のピンチですが、同時にチャンスでもあ
ります。米国が軍事支援の筆頭だったわけで
すが、これからは英仏を中心とする欧州へシ
フトするからです。結局、トランプ氏にして
みれば、和平もディールに過ぎません。しか
し、欧州各国にとっては、ウクライナこそが
ロシアからの侵略を防ぐうえで必要不可欠。
何が何でも支援しなければならない。プーチ
ン氏は戦争を止める気はありません。いよい
よ欧州の存続をかけた戦争という意味が強ま
るだけに、ウクライナにとって欧州各国の更
なるコミットメントを得られるのはチャンス
とも捉えられます」

■石破外交の日和見主義
 

「何もしません」と言っているようなもの
(C)日刊ゲンダイ

 欧州は有志連合を組み、ウクライナへの
支援継続や停戦後の安全保障、防衛力強化
などを打ち出した。
ひるがえって、傍観しているのが石破首相
だ。

 石破首相は3日の予算委で、米ウ首脳会談
について問われ、「どちらかの側に立つつも
りはまったくない」と言い放った。
これまで「ウクライナは明日の東アジアかも
しれない」と繰り返し、「法の支配に基づく
国際秩序」を強調してきたにもかかわらず、
だ。
ただの日和見主義じゃないか。

 「G7に名を連ねているわけですから、本来
なら欧州と足並みをそろえつつ、トランプ氏
をなだめるべきでしょう。日米同盟が今まで
以上に強固であればこそ、最大の同盟国とし
てトランプ氏を説得すべきですが、モノ申せ
ない。石破首相のコメントは『何もしません』
と言っているに等しいと感じます」
(中村逸郎氏)

 「ウクライナ側に立つ」とハッキリ言えない
ようでは、石破外交に期待なんてできない。

【転載終了】

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 トランプ政権は、中国にとってはチャンス
ですね。

 トランプの25%の関税は、相手国からも
報復関税が課されます。
「天に唾した飛沫がトランプ支持の下層階級」
に降ってきそうですね。
 

 石破首相については、国民は既に期待をし

ていないでしょう。