仕事力がアップする経済ノート

【転載開始】

■最悪レベルの「エンゲル係数」が高齢者の
 生活を圧迫・・・
 ますます広がる“老後不安”の深刻度
 公開日:2025/03/04

 

物価高で生活負担圧迫は拡大、年金だけでは・・・
(C)日刊ゲンダイ

 エンゲル係数が43年ぶりの高水準だという。
家計の消費支出全体に占める食料費支出の
割合を示すエンゲル係数は、昨年28.3%
(2人以上世帯)と1981年以来の最高水準を
記録した(総務省2月7日発表、24年家計調査
による)。

 エンゲル係数は貧困の度合いを示す指数で、
数字が高いほど貧困で生活水準が低く、
生活にゆとりがないとされる。
食費は生活に欠かせず削減は困難、そのため
所得が低いほど食費への支出割合は大きくな
り、他の消費への支出は小さくなる。
こうした貧困化への道を進みつつある最大の
原因は、食料品を中心にした物価の高騰だ。
エコノミストの斎藤満氏がこう指摘する。

 「エンゲル係数が28.3%という水準は貧困
の象徴ともいえ大変なこと。所得水準が低く、
経済レベルが低かった時代へ一気に戻し、
日本経済の何十年分の成長を逆戻りさせたこ
とになる」

 身近な食べ物の値上がりは消費に大きな影響
を与えている。
総務省が2月21日に発表した1月の消費者物価
指数は、前年同月比4%の上昇(生鮮食料品を
含む総合指数)。
その半分は食料品の上昇による。
コメ類は70%を超し、キャベツは3倍、
ハクサイも2倍、他の野菜、食品も値上がりし、
食費への支出が増す一方、他への支出に回す
余裕はなくなってきているのだ。

 先の斎藤氏が言う。
「現在の物価の上昇に対する認識は、政府・
日銀と消費者の間で大きく乖離している。
日銀は物価上昇率の目標を2%といいますが、
現在の水準を分かっているのか。『物価と
賃金の好循環を目指す』とする目標はむし
ろ悪循環に向かっている。物価高による消費
者の生活負担圧迫は拡大しています」

■続く「負のスパイラル」

 実質賃金は22年4月以降ボーナス時期
(24年6.7月)を除いてマイナスが続いて
いる。
賃金が上がればコスト転嫁で物価も押しあげ
られ実質賃金はマイナスに動く、まさに負の
スパイラルが続いているのである。

 エンゲル係数の上昇は高齢化にも大きく
影響している。
勤労世帯は28%台だが、定年退職した無職
世帯は30%を超えている。
所得水準が低いため、生活に欠かせない
食料品の支出割合が大きくなってくるのだ。
特にコメをはじめとする食料品の高騰は
高齢者の生活を圧迫する大きな要因に
なっているのである。

 日本の個人金融資産は2179兆円
(24年9月末)。
60歳以上が6割を超えて所有している。
現在の物価の上昇が今後も続けば、高齢者
は貯蓄を取り崩して生活費に充てざるを
得なくなる。
高齢化社会で長生きするリスクを考えると、
老後は貯蓄が減り、年金も減る不安を抱え
たまま迎えることになる。
物価対策の素早い実施が緊急の課題に
なっている。

(ジャーナリスト・木野活明)

【転載終了】

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 定年退職しても、介護があり働けない
方たちも多いと思います。
私自身も両親の介護があり、働けない方
でしたから。

 昨年5月に父が他界しましたが、まだ
母の介護と小学校入学の孫の世話があり
ます。
自治会役員の打診もありますが、抱え込
まないように、暫くお断りさせていただ
いている状況です。
前年に事情を説明したのですが、翌年に
も副自治会長をお願いされました。
他に介護や孫の世話のない方たちがいる
と思うのですが・・・

 どんどん高齢(80代)の方たちが増え
ていく現状ですので、80歳前後の方に
優先的に受けていただけたらとは思うの
ですが。