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【転載開始】

■備蓄米21t放出“真の狙い”は自民党の大票田
 「JA」救済・・・
 夏の参院選を意識した一時しのぎの姑息
 公開日:2025/02/17

 

なんで今頃になって?(C)共同通信社

 あまりにも遅きに失した決断であり、効果も
未知数だ。
農水省が政府備蓄米の2割強に相当する21万トン
を放出することになった。
コメ価格の高騰にようやく重い腰を上げたよう
にみえるが、視線の先に消費者はいない。
備蓄米放出の狙いはズバリ、夏の参院選対策だ。

  ◇  ◇  ◇

 これまで備蓄米放出は大凶作などに限り、
コメ流通の目詰まりを理由としたのは初めて。
入札に参加できるのは大手集荷業者のみ。
年間の玄米仕入れ量が5000トン以上、
卸への販売計画・契約があることなど条件の
ハードルは高く、主に全国農業協同組合連合会
(JA全農)が買い手となる。

 店頭からコメが消えた昨夏の「令和のコメ騒動」
の時でさえ放出を渋ったのに、方針を大きく転換
させたのはなぜか。
背景にあるのはJA全農の苦境だ。
コメを十分に確保できず、悲鳴を上げていたのだ。
理由は争奪戦の激化である。

 かつてはJA系の組織がコメの生産量全体の半数
近くを買い取っていたが、近年は農協を通さず、
小売業者や個人に直販するコメ農家も増えている。
流通の多様化に加え、昨夏からの米価の高騰以来、
多くの業者が産地調達に走った。
JA全農も2024年産の買い上げ価格(概算金)を
4~5割ほど引き上げたが、アップ分は追加で
支払う仕組みだ。

 「コメ農家にすれば追加払いの見込みがあって
も、すぐ高値で買ってくれる業者に売ってしまい
がち。価格競争に敗れたJAは、昨年末から出荷先
に契約数量が確保できないとの異例の通知を出す
など、窮地に立たされていました」(農政関係者)

■主食用に回せる量が不足している可能性も

 

いまだ「品薄」の認識が晴れない
(C)共同通信社

 24年産の生産量は前年よりも18万トン多くなる
見込みだが、JA全農など大手集荷業者が確保でき
た量は前年同期より21万トン少ない。
この「消えた21万トン」と同量の備蓄米を放出
すれば、JAは潤う。
その分、コメの販売量は増え、確保難でアテにでき
なかった販売手数料収入も補える。

 JA系の政治団体は古くからの自民党の集票組織。
備蓄米放出は、夏の参院選に向けた「票田」救済
の側面もあるのだ。

 「今回の備蓄米放出は、原則1年以内に放出量と
同量を買い戻すことが大前提。いずれ供給量が減る
ことを市場に織り込まれると、米価の引き下げ効果
は薄まります」と言うのは、東大大学院教授の
鈴木宣弘氏(農業経済学)だ。

 こう続ける。
「政府はいまだ『コメは余っている』との認識で
すが、皆『品薄』を感じているから米価は高騰し
ているのです。昨年の猛暑のため、白く濁ったり、
ひび割れしたりと低品質のコメが増え、主食用に
回せる量が不足している可能性もある。原因分析
を怠り、流通業者に責任転嫁するのはお門違い。
長年の減反・水田潰し政策で『時給10円』と言わ
れるほど疲弊しきったコメ農家の生産環境を改善
しない限り、根本的な問題は解決しない。備蓄米
放出は単なる一時しのぎに過ぎません」

 生産者・消費者不在の発想は許されない。

  ◇  ◇  ◇

 政府はようやく備蓄米の放出を発表したが、
米騒動は収束するかと思いきや、そうはならない
という。

【転載終了】

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 前も書きましたが、地方でも30kg/12000円
だそうですが、我が家は30kg/11000円で購入
しています。
我が家は1年分の新米(玄米)を240kg一括購入
して、子供たちの家庭に60kgづつ配っています。

 これからは、知り合いの農家があれば農家か
ら直接購入するのがベターかも。