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【転載開始】

■マトモな決着は期待薄!
 首脳会談で相対する米トランプと露プーチン
 の思惑・・・
 近づくウクライナ停戦交渉は“当事者抜き”
 公開日:2025/02/17

 

2人の公式会談は2019年G20大阪サミット以来
(C)ロイター

 ウクライナ侵攻から丸3年が迫る中、停戦交渉
が急加速している。
ただし、NATO(北大西洋条約機構)加盟など、
安全保障の確約を交渉条件とする当事者の
ゼレンスキー大統領は蚊帳の外。
「就任から24時間以内に終わらせる」と豪語し
ていた米国のトランプ大統領と、諸悪の根源で
あるロシアのプーチン大統領が主導する。
早ければ今月下旬にも米ロ首脳会談が実施され
る見通しだが、マトモな決着は期待薄だ。

 トランプとプーチンは12日の電話会談で
和平交渉開始で合意。
以降の動きは急ピッチだ。
数日以内に両国と関係良好なサウジアラビアで
米ロ高官による交渉が始まるという。

 舞台が整ったところで、米ロトップが相対
するという運びである。

 急展開の要因のひとつは、ロシア財政の
逼迫だ。
長期にわたる経済制裁は何だかんだでこたえ
る上、軍事偏重に世論の不満がくすぶる。
ロシア経済紙RBCによると、専門家は
「原油価格が急落した場合、財政を支えられ
るのは半年未満だ」と指摘。
原油相場は一時と比べて低迷している。

■プーチンの狙いは経済制裁の一斉解除

 筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)
はこう言う。
「プーチン氏の狙いは経済制裁の一斉解除で
す。引き換えに2014年に併合したクリミア
を除き、ロシア軍を撤退させる用意はあるも
のの、占領地域は維持する構え。一方、トラ
ンプ氏が欲しがっているのはウクライナ埋蔵
のレアアースをはじめとする鉱物資源。その
うち7割がロシアの支配地域に眠る。〈レア
アースなどの提供についてウクライナと取引
をしたい〉と言っているものの、ゼレンスキ
ー氏と交渉できるのは3割だけ。プーチン氏
と握った方が得策と考えているのでしょう」

 高官交渉の顔ぶれも示唆に富む。
米国側はルビオ国務長官のほか、
ウォルツ大統領補佐官や「不動産王」とあだ
名されるウィトコフ中東担当特使が出席。
ロシア側はウシャコフ大統領補佐官、諜報
機関SVR(対外情報局)ナルイシキン長官、
ロシア直接投資基金のドミトリエフ総裁が
入るという。

 「ロシアが支配権を主張するウクライナ
南部は、黒海に面した保養地。温暖な気候
ながら山地ではスキーも楽しめ、自然豊か。
地中海や中東とも近い。復興名目でリゾー
ト開発に乗り出す算段なのでしょう。ウィ
トコフ氏はパレスチナ自治区ガザをめぐっ
てトランプ氏が主張する『中東のリビエラ
化』にも一枚かんでいます」
(中村逸郎氏)

 プーチンに首根っこを押さえられている
トランプはあからさまで、G8復活も主張。
「安倍(元)首相は100%同意していた」
と言い出している。
石破政権にとっても頭が痛い展開だ。

  ◇  ◇  ◇

 米ホワイトハウスが「AP通信」の大統領
執務室での取材を禁止し、独裁化まっしぐ
らの様相だが、今の日本政府も似たり寄った
り・・・。

【転載終了】

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 当事者抜きで停戦などあり得ないで
しょう。
アメリカは、第一次トランプ政権で失敗
したのに、何故トランプを選んだので
しょうか?

 アメリカが、一旦失った世界からの
信頼を回復するのは容易なことではない
と思うのですが。