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【転載開始】

■石丸新党“旋風”が吹かないワケ・・・
 主義も施策もサッパリわからず
 「政党とは言えない」識者らバッサリ
 公開日:2025/01/18

 

何がしたい?(C)日刊ゲンダイ

 昨年7月の東京都知事選でみられたほどの
“旋風”は吹いていないようだ。

 前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)
が立ち上げた地域政党「再生の道」のことだ。

 石丸氏は今夏の都議選(定数127)に
候補者を擁立する意向を示したものの、
「政策はここでは出さない。(候補者)各人
の良識、判断に任せたい」とし、議案採決時
は党として拘束せず、賛否も議員個人に任せ
るとしたほか、「他党との掛け持ちも認める」
とも語った。

 この異例の方針に政界からは
「何をしたいのかサッパリ分からん」
「単なる当選目当ての互助会集団」
などと辛辣な意見が続出。
日本共産党の田村智子委員長(59)も
「政策がない。都議選に向けてということで
すから『東京都のここが問題で変える』と
いう理念もない。これが政党と言えるので
しょうか、というのが率直な感想です。これ
は、政党とは言えないですよね。政策がない
理念がない」とバッサリ。

 さらに「(石丸氏は)政治屋の一掃と言わ
れましたけど、(今のままだと)それは議員
になりたいという政治屋集団を作りかねない
のではないでしょうか。それは政治を変えて
ほしいという都民の願いには応えられないだ
ろうな、というふうに思います」とも発言
していた。

■「再生」とは「死にかかっていたもの、
 死んだものが生き返る」という意味

 弁護士の紀藤正樹氏(64)も
X(旧ツイッター)で、兵庫県選挙管理委員会
が昨年11月の知事選を巡り、「当選を目的と
しない立候補があった」ことを問題視し、国に
適正な法整備を求める要望書を提出する――
とした報道を引用する形で、石丸新党につい
ても投稿。

 《当選を目的としない立候補が問題なら、
より根本的に、石丸氏の具体的な政策を提言
しない政党の立ち上げも問題で政党要件を満
たさないとすべき。教義がない宗教法人を認
めるがごときです》

 「政治屋」の定義は複数あるものの、その
一つとして、「政治的な理念や信条がないま
ま“風”頼みで当選を目指す人」も含めた場合、
政策ナシ、党議拘束ナシ、他党との掛け持ち
OK――で公募となれば「政治屋」になりたい
人が集まる寄り合い所帯になりかねない。
田村、紀藤両氏が疑問や懸念を抱くのも当然
を言えるだろう。

 石丸新党は現時点で果たして「政党」と
言えるのだろうか。

 総務省によると「政治団体」とは
「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持
し、又はこれに反対すること」
「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又
はこれに反対すること」などを主たる活動と
して「組織的かつ継続的に行う団体を政治団体」
としている。

 そして「政治団体の種類」として
「所属国会議員が5人以上」
「前回の衆議院議員総選挙(小選挙区・比例
代表)、前回又は前々回の参議院議員通常選挙
(選挙区・比例代表)のいずれかの全国を通じ
た得票率が2%以上」などの要件に当てはまる
のが「政党」であり、ほかに「政党のために
資金を援助することを目的とし、政党が指定し
た団体」(政治資金団体)などがある。

 石丸新党の「政治上の主義若しくは施策」
とは何か。

 さらに言えば、「再生」とは「死にかかって
いたもの、死んだものが生き返る」という意味
だ。
石丸新党は具体的に都政の「何が死にかけてい
る(死んだ)」と考えているのか。
そして、どのように「生き返らせる、生き返ら
せたい」のか。

 何も分からないままでは“旋風”が吹くはずも
ない。

  ◇  ◇  ◇

 石丸新党はどこに向かうのか。

【転載終了】

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 日本社会は経済もそうですが、政治も
混沌とした社会になりつつあり、少数
政党が乱立して、無駄な税金支出が増え
ていきそうですね。