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【転載開始】
■一体いつまで? 実質賃金4カ月連続のマイナス
に庶民の嘆き
《安倍さん、給料が下がり続けて発泡酒が
水道水に変わったよ》
公開日:2025/01/10
国民は後遺症に苦しむ(C)日刊ゲンダイ
「はたらけどはたらけど猶わが生活楽になら
ざりぢっと手を見る」
明治時代の歌人、石川啄木が当時の労働者の
苦しみや悩みを説いたものだが、令和になった
現代も変わらないようだ。
厚生労働省が9日に発表した昨年11月の
毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)に
よると、現金給与総額(名目賃金)に物価の
変動を反映させた実質賃金は、前年同月比
0.3%減で、4カ月連続のマイナスとなった。
電気・ガス代、食料品などの物価上昇に給与
の伸びが追い付かない状況が続いているわけ
だが、物価上昇の理由の一つにあるのは円安
だろう。
2023年末は1ドル=141円40銭だった為替相場
は、24年6月に1ドル=160円台に急落。
24年の「円安」関連倒産は83件となり、
前年(52件)の約1.6倍に急増した。
円安を招く引き金となったのは、
故・安倍晋三元首相と日本銀行の黒田東彦
前総裁(80)がタッグを組んで推し進めた
異次元金融緩和「アベノミクス」だ。
柱はいくつかあるが、その一つが「国債を大量
に買って市場の資金供給量を増やすこと」
だった。
その結果、24年3月末の時点で国債残高は
589兆円余りとなり、年度末としては過去最大
となった。
この「アベノミクス」によって諸外国との
金利差が広がり円安が進行したのだが、
恐ろしいのはこの流れを止める手段が乏しい
ことだ。
■円安とインフレが止められないアベノミクス
の後遺症
24年6月の参院本会議でも野党議員がこう
指摘していた。
「円安の影響で原油などエネルギー価格が上が
り、食品も値上がりしました。物価の高騰、
この場合、市中金利を高くしてインフレを退治
するのがセオリーです。しかし、金利を上げる
と、日本銀行がこれまでに大量に買い続けた
国債の価値が暴落し、日銀が債務超過となって
しまいます。日銀が債務超過に陥った途端に、
円がドルと交換できなくなるなど、外国から
相手にされなくなり、対外的に円が紙くずに
なってしまいます。だから、金利を上げてイン
フレ退治をしたくてもできません」
野党議員はこれを「円安とインフレが止めら
れないアベノミクスの後遺症」と断じていたが、
いわば物価高に対して日本政府は「打つ手なし」
と言っていいだろう。
この先も続く可能性が高い物価高、減り続け
る実質賃金。
そんな中、ネット上で拡散されているのが、
安倍元首相が2018年3月の自民党大会での発言
を皮肉った投稿だ。
安倍氏は「『安倍さん、給料が上がったから
発泡酒からビールに変わったよ』という若い
工員(略)こういっていました。『安倍さん、
ずっと給料があがったんで、家飲みから外に飲
みにいくことができるようになった。たまには
はしご酒したいな』。皆さん、これが経済の
好循環なのです」と言っていたのだが、その
ビールも資材高騰を受け、アサヒビールは25年
4月からビールや酎ハイなど酒類226品目を値上
げする予定だ。
《安倍さん、給料が下がり続けて発泡酒が
水道水に変わったよ》
《安倍さん、給料ダダ下がりで外に飲みに
行くどころか、家飲みも厳しいよ》
《安倍さん、1円でも安い食品を求めて激安
スーパーをはしごしているよ》
笑えない。
【転載終了】
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「アベノミクス」経済対策に対し、ある
経済学者が「アホノミクス」と言っていま
したが、まさにその通りになりましたね。