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【転載開始】

■斎藤元彦知事の選挙収支報告書で露呈した
 “隠蔽工作”の跡 PR会社への支出は代表務め
 る政治団体経由という不可解
 公開日:2024/12/05

 

選挙カーのデザインも折田氏が手がけたのか
(C)日刊ゲンダイ

 なぜ自身の政治団体を迂回させたのか。
先月行われた兵庫県知事選の各候補が提出した
「選挙運動費用収支報告書」が公開された。
公選法違反疑惑に揺れる斎藤元彦知事陣営の
報告書には、渦中のPR会社に対する支出の記載
が一切なし。
斎藤知事らを刑事告発した大学教授は
「隠蔽の意図を感じる」と指摘する。

 斎藤知事の報告書によると、収入は政治団体
「さいとう元彦後援会」など2団体からの寄付
2130万円、支出は約2370万円。
支出のうち公費負担分は計約250万円で、
ポスターとビラの印刷費として支出先は大阪府
の印刷会社となっている。

 問題は、先月27日の会見で斎藤知事の代理人
弁護士が公表した西宮市のPR会社「merchu」
からの請求書や明細書の会計処理だ。

 請求書には、
①公約スライド制作30万円
②チラシデザイン制作15万円
③メインビジュアル企画・制作10万円
④ポスターデザイン制作5万円
⑤選挙公報デザイン制作5万円──
と5項目の内訳が記載。
弁護士は消費税を含めて計71万5000円を知事選
告示後の先月4日に支払ったとし、
「法律で認められた費用」と強調した。

 一方、報告書は①を除いた4項目を広告費と
して計上。
税込みの金額は請求書と一致する。
「スライド制作は政治活動にあたり、選挙運動に
は含まれないため除いた」と弁護士は説明。
いずれも支払日は同じく先月4日だが、支払先は
merchuではなく、さいとう元彦後援会となって
いる。

 確かに報道陣に示した請求書の宛先も、明細書
の振込依頼人も後援会名義だったが、
なぜ斎藤陣営は広告費を直接PR会社に支払わず、
後援会を経由させたのか。不可解である。

 「確実に言えるのは、PR会社の折田楓社長が
斎藤陣営のSNS戦略を含め〈広報全般を任された〉
と投稿サイトに告白しなければ、後援会を経由し
た同社への支払いが表沙汰になることはなかった
ということです」

■折田楓社長の告白がなければ闇が闇

 

隠匿の気配・・・(C)日刊ゲンダイ

 そう語るのは、郷原信郎弁護士と共に斎藤と
折田社長を公選法違反(買収、被買収)容疑で
刑事告発した神戸学院大教授の上脇博之氏だ。

 「浮上した公選法違反疑惑の打ち消しのため、
斎藤知事が代理人弁護士に対応を任せ、ツジツ
マを合わせる中、図らずもPR会社への支出の
経緯が露呈したのです。ここまで窮地に追い込
まれない限り、報告書の記載から『後援会がポ
スターをデザインできるのか』という疑念は生
じても、その先の存在まではたどり着けなかっ
たはず。PR会社への支払いは闇から闇に葬られ
たことでしょう」(上脇博之氏)

 ちなみに、さいとう元彦後援会の代表者は
斎藤知事本人が務めている。

 「PR会社側に請求書の宛先を後援会にわざ
わざ指定したのであれば、かなり悪質です。
後援会を迂回させることで支出の実態を意図
的に見えにくくした隠蔽工作の跡がうかがえ
ます。よほどPR会社への支払いを世に知られ
たくなかったのでしょう。やましい事実があ
るとしか思えません」(上脇博之氏)

 神戸地検と兵庫県警は捜査に動くのか。
真相解明が待たれる。

  ◇  ◇  ◇

 村上誠一郎総務相は国会で「一般論」と
断ったうえで、こう答弁した。
「候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合
には、その態様によっては公選法上の数量
制限などに違反する恐れがある」――
立花孝志氏の立件はあるのか?

【転載終了】

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 カギを握るのはPR会社代表ですかね。