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【転載開始】

■岐路に立つニッポンの主食・・・
 コメ価格が高騰でも廃業農家急増のナゼ
 公開日:2024/09/07

 

深刻な品薄状態が続くが・・・(C)共同通信社

 「日本の主食」を巡り、意見は真っ二つだ。
農水省が4日、コメの生産者や流通業界関係者
などを集め、意見交換会を開いた。
コメが不足し高騰している事態を受け、米価に
議論が集中した。

 流通関係者は
「昨年は5キロあたり1500~2000円だった新米
の店頭価格が、3000円を超えている」と現状を
報告。
卸売関係者も、高騰が続けば麺類やパンに需要が
シフトしかねないと危機感をあらわにした。

 一方、生産者側は
「今の価格が適正に近いのではないか」とし、
これまでの米価が安すぎたとの見解を示した。
消費者物価指数によると、今年1~6月の米類価格
の上げ幅は、2020年比3.9%。
食料全体の16.1%を大幅に下回った。
円安・物価高にもかかわらず、国内消費量の減少
などにより、値上げは限定的になっている。

 コメの適正価格を巡る「買い手」と「売り手」
の温度差はクッキリだが、安く買い叩かれている
感は否めない。
帝国データバンク(TDB)は5日、
「コメ農家の倒産・廃業が急増中」との調査結果
を発表。
今年1~8月の間に計34件の倒産・廃業が発生し、
すでに昨年1年間の35件に迫り、年間最多となる
のは確実だという。

 背景には、やはり円安・物価高で肥料や農業薬剤、
ガソリン・軽油が高騰したことがある。
加えて、担い手の高齢化や後継者不足が追い打ちを
かけた。

■もう安くは食べられない

 「生産コストの上昇に、価格転嫁が追い付いてい
ません。
『コメは安いもの』という消費者の強い考えが、
価格への反映を妨げています。
今の米価は高いどころか、生産者にとってギリギリ
のラインだと思います。
さらに今後の安定供給を目指すには、新規就農者の
呼び込みや設備投資、農地拡大のための資金を確保
する必要がある。
もっと高値が適正とさえ言えるでしょう」
(TDB情報統括部・飯島大介氏)

 もはや、これまでと同じ価格では、コメ農家の
経営が成り立たなくなっているのだ。

 「消費者も今回の騒動をきっかけに、コメ農家が
置かれた現状を知ってほしい」(飯島大介氏)

 値上げを受け入れなければコメを食べ続けること
はできない。
消費者も岐路に立たされている。

【転載終了】

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 主食の米は、今後大型起業化が必要になって
くるでしょうかね。