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【転載開始】

■年金目減り不可避「高齢者8割就労」の
 無間地獄・・・
 “都合良い数字”で検証する厚労省の姑息
 公開日:2024/07/05 

 

いつまで働けば・・・

 大甘の見通しに不安が募る。
厚労省は3日、公的年金の健全性を5年に
1度点検する「財政検証」の結果を公表。
現役世代の手取り収入に対する年金額の
割合を示す「所得代替率」について
「5割を維持する」との目標を死守した
が、見通しは暗い。

 検証は今後の経済シナリオを4つに
分類。
それぞれ成長率を▼1.6%(高成長)
▼1.1%(成長)▼マイナス0.1%
(横ばい)
▼マイナス0.7%(マイナス成長)──と
仮定した。

 経済成長が現状に近い「マイナス0.1%」
の場合、所得代替率は足元の61.2%から
将来的に約2割減の50.4%にまで落ち込む。
厚労省が理想として目指す「成長率1.1%」
の場合でも、所得代替率は現状より6%減
の57.6%だ。

 前回2019年の財政検証で将来的な所得
代替率が50~51.9%だったことを踏まえ
れば、低下率に少し歯止めがかかったとは
言える。
しかし「成長率1.1%」の前提条件は
楽観的な数字のオンパレード。
実現のハードルが極めて高いのだ。

 まず、前提のひとつが
「実質賃金の1.5%上昇」だ。
実績値は01~22年で平均マイナス0.3%。
足元は25カ月連続のマイナスである。
また、合計特殊出生率を1.36に設定して
いるが、昨年は統計を取り始めて最低の
1.20という惨状だった。

 特筆すべきは、検証に織り込んだ高齢者
の就業率の見通し。
60代は22年の実績値が62.1%だったが、
40年には77.6%に達すると仮定。
70歳以上の就業率も22年から40年には
7ポイント増の25.2%を見込む。

■70歳以上の4人に1人が働く

 将来的に60代の約8割、70歳以上の4人
に1人が働き、年金を下支えする環境こそ
が、所得代替率5割死守のシナリオなのだ。

 「年金制度を維持する安心材料として
楽観的な数字を出しているのでしょうが、
とても額面通りには受け取れません。本来、
理想は働きたい高齢者に働く選択肢がある
ことですが、年金だけでは生活できずに働
かざるを得ないのが現状です。政府は過去
最高税収なのに国民へ還元せず、財政健全
化の名の下に医療・介護などの社会保障費
を削っている。都合の良い数字を並べる前
に、まずは税の取り方と分配を見直すべき
です」
(立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏
=税法)

 年金制度の限界に手をこまねいている
失政を棚に上げ、老体にムチ打って働け
とは“無間地獄”じゃないか。

【転載終了】

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 施設入所など老後のことを考えると働
かざるを得ないのでしょう。

 個人的には、両親が90歳代という事も
あり、退職後は即介護に入ることになり
ました。
父親の介護は15年ほど続き、5月に97歳
で永眠しました。
老衰ですね。

 母親は、95歳で健在ですので、後数年
は介護が続くでしょう。
合わせて、来年には孫が小学校入学なの
で、面倒もみることになります。