日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■中小企業の「賃上げ原資」は空っぽ・・・
大企業の価格転嫁が進むどころか逆に
後退していた!
公開日:2024/01/27
連合は大企業中心(「労使フォーラム」で
講演する連合の芳野友子会長)
/(C)共同通信社
今年の春闘が事実上始まった。
物価上昇を上回る賃上げが最大の焦点だ。
労使のトップが賃上げ方針などについて
講演する「労使フォーラム」が24日、
開かれ、労使は「昨年以上」で一致。
「6%」「7%」と、大企業を中心に大幅
な引き上げが続々と打ち出されているが、
問題は中小企業だ。
「少なくない大企業は取引先の中小企業
の値上げ要請に対し、十分に応じていませ
ん。その結果、大企業の賃上げの原資が生
まれ、大幅な賃上げを可能にしている面が
あります。中小企業の犠牲のもとに、大企
業の大幅アップが実現しているのです」
(経済ジャーナリスト・井上学氏)
日経新聞が昨年12月に大企業の社長
100人にアンケートを実施したところ、
取引先の原材料費や労務費の上昇分を
購買価格に反映すると回答したのは5割弱に
とどまっている。
中小企業庁は毎年9月と3月を
「価格交渉促進月間」と設定。
中小企業の価格交渉・転嫁状況を調査して
いるが、最新の調査結果は衝撃だ。
コスト全体の転嫁率は昨年3月
(回答企業数1万7292社)が47.6%だった
が、9月(同3万6102社)は45.7%とわず
かに減っている。
大企業は価格転嫁を進めるどころか、
後退させているのである。
■昨年の春闘では無理をして賃上げしたが・・・
中小企業の賃上げなくして成功はあり得な
い(政労使会議に臨む岸田首相=右)
/(C)共同通信社
「9月は調査対象が大幅に増え、より実態
を表していますが、微減は苦戦している企業
も加わった影響もあったとみられます。より
高い比率での価格転嫁が大きな課題です」
(中小企業庁取引課の担当者)
中小企業は昨年の春闘で無理をして賃上げ
を実施した。
しかし、この時の賃上げ分(労務費)を
価格転嫁するのは難しい。
9月調査では、原材料費の価格転嫁率が
45.4%なのに対し、労務費は36.7%と
10ポイントも低い。
「原材料費と違い、労務費はエビデンスを
示しにくい。また、人件費は自助努力で解決
すべきという“慣行”が存在する業界もありま
す。ただ、労務費の価格転嫁が進まないと、
中小企業は賃上げの原資を十分に確保できな
いことになる。労務費の転嫁が進むよう取り
組みたい」(前出の担当者)
中小企業の賃上げなくして、春闘の成功は
あり得ない。
【転載終了】
************************
厳しい時に「連合」の会長がこのような
与党すり寄りの方なのは、労働者も不安で
しょうね。
大手企業優遇政策は、まさに、
「企業栄えて民滅ぶ」となりそうですね。