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【転載開始】


■狭まる西村前経産相「包囲網」・・・

 自民裏金捜査“聴取のオーラス”に選ばれた

 これだけの理由

 公開日:2023/12/28

大トリに選ばれたのには当然、理由がある

(西村康稔前経産相)/(C)共同通信社


 そして彼だけが残った──。

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、

東京地検特捜部が最大派閥・安倍派幹部

の萩生田前政調会長からも任意で事情聴取。

聴取を受けた幹部は松野前官房長官、

高木前国対委員長、世耕前参院幹事長、

同派座長の塩谷元文科相に続き、5人目だ。

特捜部は「5人衆」最後のひとり、

西村前経産相の任意聴取も検討している

もようだ。

オーラスに選ばれたのには当然、理由がある。


  ◇  ◇  ◇


 安倍派の裏金づくりは、公訴時効にかから

ない2022年までの5年間で計5億円規模と

される。

特捜部は安倍派の会計責任者の職員を

政治資金規正法違反(虚偽記載など)で立件

する方針。

その上で会計責任者との共謀の有無を見極め

るため、次々と幹部の聴取に踏み切った。


■焦点は昨年のキックバック処理


 安倍派では各議員に販売ノルマを課した

派閥パーティー券の収入から、

ノルマ超過分を議員側へキックバック。

派閥・議員側双方の政治資金収支報告書に

記載しない会計処理で裏金にしていた。

あまりにも長期にわたって常態化しており、

刑事司法の専門家からは幹部の共謀認定の

難しさを指摘する声が上がる。

「長年の慣習で会見責任者に逐一細かな指示

を行っていない可能性がある」というのだが、

そのハードルを突破する上で、

特捜部が注目しているのが、昨年開催した

派閥パーティー前後の動きだ。


 21年11月に安倍元首相が派閥に復帰し、

新会長に就任。

22年春ごろ、約1カ月後に派閥パーティーの

開催を控えた時期に、安倍元首相はキック

バック中止の方針を提案したという。


 「ところが、議員側はキックバックを前提

にパー券販売を進めており、急な方針転換に

反発が広がった」(安倍派関係者)


 当時、派閥を取り仕切る事務総長を務めて

いたのが西村氏だ。

安倍元首相の意向を受け、西村氏は所属議員

に「今年はキックバックなし」とアナウンス

したらしいが、反発の大きさに周知が徹底

されないまま、5月にはパーティーを開催。

7月には安倍元首相が凶弾に倒れた。


 安倍元首相の死後、安倍派の幹部内で

キックバックの方針を再び協議。


■幹部の醜悪な責任なすりつけ合い

2022年度開催の安倍派パーティー

「清和政策研究会との懇親の集い」

/(C)日刊ゲンダイ


 事務総長の西村氏は、キックバック分を個々

の議員が開いたパーティー収入として記載する

案を検討したという。

事務総長の座は、8月に前倒しされた内閣改造

で西村氏が入閣したのに伴い、現職の高木氏に

バトンタッチ。


 結局、安倍元首相の方針転換は反故にされ、

9月にかけて従来通りキックバックを実施し、

裏金化したというのだ。


 「一連の動きは、派閥を取り仕切る立場と

して当時の西村氏が裏金システムの不適切さ

を認識し、実態と異なる記載を指示した傍証

になり得る。特捜部は安倍派幹部の聴取でも、

昨年のいきさつにどう関与したのかを重点的

に尋ねたとされる。外堀を埋めてから『本丸』

を攻めるのが捜査の常道。聴取の『大トリ』

を務める西村氏が、特捜部の最終標的として

狙われている可能性はあります」

(司法関係者)


 安倍派幹部たちの聴取の様子は

「『俺は何も知らない』『悪いのはアイツだ』

と責任を押し付け合っている」(司法関係者)

と漏れ伝わってくる。

狭まる西村包囲網は、幹部同士の醜悪な責任

転嫁の帰結なのだろうか。


【転載終了】

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 故安倍晋三氏は何故、長年引き継がれ

てきたキックバックの中止を提案したの

でしょう?


 もしかして、故安倍氏は派閥の解体を

察知していたのでしょうか?