日刊ゲンダイDIGITAL


【転載開始】


■働く女性の6割が

 「異次元少子化対策に期待しない」とソッポ

 ・・・政府の昭和的な価値観に広がる失望

 公開日:2023/06/19

写真はイメージ(C)PIXTA


 政府は“肝いり”の少子化対策

「こども未来戦略方針」を閣議決定したが、

働く女性の64.0%が

「こどもを産む予定はない」と答え、

こどもを生んだ女性の25.33%が

「母親になって後悔したことがある」と回答。

岸田政権の“異次元の少子化対策”を冷めた目

で見ていることがわかった。

これは、組織コンサルティングなどを展開

する株式会社識学が今年4月26日に行った

アンケート調査の結果である。


 岸田首相が異次元の少子化対策をぶち

あげたのは、今年1月のこと。

将来的なこども予算倍増に向けた大枠を提示

していく考えを示し、「こども未来戦略会議」

を設置。

今後3年間を「集中取組期間」と位置づけ、

加速化プランを提示した。


 特に注目を浴びたのは、児童手当の

所得制限撤廃や高校卒業までの支給期間の

延長、第3子以降には支給額を3万円に倍増

するといった経済的支援の強化だった。


 政府の少子化対策に期待が高まったかに

見えたが、結果は冒頭の通り。

特に20代~40代の現在こどもがいない女性

会社員に、「こどもを産みたい、もしくは

こどもを産む予定があるか」聞いたところ、

「こどもを産みたいとは思わない、産む予定

はない」が44.0%、「こどもを産みたいと

思っているが、産む予定はない」が20.0%と、

こどもを産む予定はない“働く女性”が64.0%

にも上った。


 また、こどもを産みたいと思わない、

産む予定がない理由は「こどもが欲しいとは

思わないため」が34.4%とトップで、

「自由がなくなるため」が32.3%、

「こどもを産む・育てる自信がないため」と

「自分自身のために時間を使いたいため」が

同率で30.2%となった。


■自分の時間や人生を犠牲にして後悔する

 母親も


 また、こどもがいる“働くママ”に子育てに

おけるお悩みについても聞いたところ、

「母親になって後悔している・後悔したこと

がある」と回答した人は25.3%に上った。


 「識学のアンケート調査の結果を見て、

まさにその通りだなと思いました。出産を

ためらう女性の多くが『育児と仕事の両立』

『自分自身の精神・体力がもつか』に不安

を感じていることが分かります。子を生み、

母親になったことで自分の時間が持てなく

なったり、キャリアアップが遅くなって

焦燥感を抱いていることも分かりました。

 実際、こどもの存在を否定するわけでは

ありませんが、自分の時間や自分の人生を

犠牲にしている母親がいるのも事実です。

夫や両親など、どれだけサポートがあるか

によっても違いますが、今は、核家族・

共働きがスタンダードな世の中なので、

それに合わせた支援がどれほどできるかと

いうのが今の政治に求められるものなので

しょう。

 政府の家族観は昭和か平成で止まってい

て、令和の今の時代にどこまで即している

のか疑問です。例えば出産育児一時金の

増額にしたところで、結局は病院側が値上

げするといういたちごっこで終わってしま

い、根本解決には至りません。児童手当も、

もし扶養控除をなくすとしたら本末転倒で

す。経済的なバラマキが目立ち、核家族や

共働きの夫婦が子育てしやすくなる具体策

が見えてこなかったのが残念でした」

(3児の母で出産・育児に詳しい

ジャーナリストの中西美穂氏)


 岸田首相は記者会見で、少子化対策で

国民に実質的な追加負担が生じないよう

歳出改革を徹底すると強調したが、

実施すれば3兆円半ばの規模の予算が必要

とされている。

その財源はいまだ明確にされず、扶養控除

撤廃だけでなく、保険料アップや消費増税

に警戒感を抱く子育て世代は少なくない

はずだ。

実際にこども生んで育てる当事者になりか

ねない働く女性たちはいたって冷静だ。


【転載終了】

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 子育て世代や予備軍の要望がどうなのか

モニタリングしているのでしょうかね?