LITERA 


 【転載開始】


 ■NYタイムズが報道拠点を東京でなく 

 ソウルに移す理由に「報道の独立性」 

 を・・・

 「日本に報道の自由がない」という国際 

 社会の評価 2020.07.18 

 ※長文ですが重要なので全文掲載。 


 ニューヨークタイムズが 

デジタルニュース部門の拠点を香港から 

韓国・ソウルに移すことを発表した。 

中国政府が、香港における言論の自由など

人権を著しく弾圧する「国家安全法」 を

施行したことを受けたもの。 


 ニューヨークタイムズの香港支局は、 

何十年ものあいだ、アジアにおける 

英語ニュースの発信拠点となっていたの 

に加え、24時間年中無休のデジタル運用 

において、グローバル本社である

 ニューヨーク、ロンドンとともに重要な 

役割を担っていた。 


 しかし、国家安全法には 

「外国メディアの管理強化」も明記され 

ており、中国本土並みにメディア規制が 

厳しくなるのではないかとの見方が強ま 

り、ニューヨークタイムズは 

〈香港国家安全法が、ジャーナリズムに 

どのような影響を与えるか不透明〉とし

 て、拠点を分散させる必要があると判断 

したという。 


 当然の措置だと思うが、問題は、 

ニューヨークタイムズが、香港の代わりに、 

日本の東京でなく韓国・ソウルを選んだ 

理由だ。  


 ニューヨークタイムズによれば、移転先 

としては韓国・ソウル以外にも、

 シンガポール、バンコク、そして日本の 

東京も検討されたが、 

「他の様々な理由のなかでとりわけ、外国 

企業に対して友好的であること、報道の 

独立性、主要なアジアのニュースにおける 

中心的な役割であることが、魅力的であった」

 としているのだ。


  言い換えれば、シンガポールやタイの 

バンコク、東京はソウルに比べると、 

外国企業に対して排他的で、報道の独立性に 

かけると判断されたということだ。  


 たしかにシンガポールは「明るい北朝鮮」 

とも呼ばれるほど、報道の自由が制限され 

ているし、バンコクのあるタイも軍政時代 

復活かといわれるほど近年言論統制の動き 

が強まっている。 

しかし、日本の東京がなぜ、これらの国と 

同列なのか? 


 と思う人もいるかもしれないが、これは 

ある種、国際社会の評価をそのまま反映し 

た結果ともいえる。 


 本サイトでもたびたび報じてきたが、 

ここ数年、安倍政権によるメディアへの 

報道圧力によって日本に報道の自由がなく

なってきていることは、国際社会で半ば

常識になっている。 


 たとえばフランスに本部を置く国際的 

なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」 

が毎年発表する「報道の自由度ランキング」

 では、民主党政権時代の2010年には11位 

だったのに対し、第二次安倍政権発足以降 

急落し2013年53位、2014年59位、 

2015年61位、2016年72位、2017年72位、 

2018年67位、2019年67位。 

今年4月に発表されたランキングでも、 

政権批判をした記者がSNSで攻撃を受けて 

いるなどとして、66位だった。 

G7のなかで最下位なのはもちろん、 

日本より下はほとんど独裁国家や軍事国家 

ばかりで民主主義先進国とは言えない状態だ。 


 2016年には「国境なき記者団」は、 

具体的に沖縄における報道の自由が侵害され 

ていると指摘する声明を公表したこともある。 


■国連でも「政府による圧力が、高いレベル 

 の自己検閲を生み出している」との報告  


 安倍政権の報道圧力は、国連でもたびたび 

問題を指摘されてきた。 

同じ2016年4月には、国連特別報告者、

 デイビッド・ケイ氏(米カリフォルニア大学 

教授)による調査で 

「日本の報道機関の独立性は深刻な脅威に 

直面している」と指摘された。 


 ケイ氏は、訪日し日本における「表現の自由」

の状況を調査し都内で会見 を行ったのだが、

そこでなされた指摘は、 安倍政権の報道圧力を

批判し、日本の メディアの萎縮を強く懸念する

ものだった。 


 「多くのジャーナリストが、自身の生活 を守る

ために匿名を条件に私との面会に 応じてくれまし

たが、国民的関心事の扱い の微妙な部分を避けな

ければならない圧力 の存在を浮かび上がらせまし

た。彼らの 多くが、有力政治家からの間接的な

圧力に よって、仕事から外され、沈黙を強いられ 

たと訴えています。これほどの強固な民主 主義の

基盤のある国では、そのような介入 には抵抗して

介入を防ぐべきです」 

(「国際連合広報センター」ウェブサイト 

2016年4月19日付より) 


 さらに、安倍政権が放送法を盾に 放送メディア

に圧力をかけていることを ズバリ指摘。 

ケイ氏は、放送法4条に記されている政治的公平

について 

「何が公平であるかは政府が判断するべきではない」

とし、当時、高市早苗総務層が 国会で

「電波停止もありうる」と発言した ことに関連して、

 「政府は脅しではないというが、メディア は脅しと

受け取る」などと、政府による 報道圧力を危惧。 

そして、「政府は放送法4条を廃止して、 メディア

規制から手を引くべきだ」と述べ、 政府以外の独立

行政機関が監督すべきだと の考えを示したのだ。 


 「政府による『中立性』と『公平性』への 絶え

間ない圧力が、高いレベルの自己検閲を 生み出し

ているように見えます」 

(「国際連合広報センター」ウェブサイト 

2016年4月19日付より) 


 他にもケイ氏は、自民党が2012年に公開 した

改憲草案で、表現の自由を保障する 憲法21条を

 「公益及び公の秩序を害することを目的とした

活動を行い、並びにそれを目的として結社 を

することは、認められない」と制限を加え よう

としていることが、

国連の 「市民的及び政治的権力に関する国際

規約」 19条に矛盾していると指摘。 

また、特定秘密保護法における特定秘密指定 

の曖昧性及び同法による報道機関の萎縮や、 

学校教科書から慰安婦問題の記述が削除され 

たことに対する政治的意図の介入を問題視。 

ヘイトスピーチに対しては、定義が曖昧な 

まま規制するのではなく、まずは雇用や住居 

に関する人種差別を禁止する法制定が必要だ 

とした。

 いうまでもなく、すべて第二次安倍政権の 

成立前後から持ち上がっている社会問題や 

政策の問題だ。  


 ケイ氏は、2017年6月に国連の人権理事会で、

こうした政府・自民党によるメディア圧力 など

について報告。 強い懸念とともに日本政府に

対し法律改正す るなどしてメディアの独立性

を強化するよう 勧告した。  


 さらに2年後にあたる昨年2019年にも、 

ケイ氏は国連人権理事会で、日本は勧告を 

ほとんど履行していないとして、あらためて、 

日本のメディアは政府当局の圧力に晒され 

独立性に懸念があると報告。

 日本政府はジャーナリストへの非難をやめる

 べきだとした。


 ■日経とNHK はNYタイムスが東京でなく 

 ソウルを選んだ理由から「報道の独立性」 

 だけをカット  


 こうした日本メディアの状況を考えると、

 ニューヨークタイムズが「報道の独立性」

に 懸念を抱き、日本に報道拠点を置くこと

を 避けるという判断も当然なのである。 


 しかも、このニューヨークタイムズの拠点 

移転をめぐる報道でも、日本のメディアの 

情けない姿をさらすことになった。  


 実は、ソウル移転については、国内メディア

 でも報じられているのだが、東京も候補に 

上がりながらソウルが選ばれた理由について、 

日本の主要メディアはこう報じたのだ。 


  〈移転先としては東京、バンコク、 

シンガポールも候補にあがっていたと

いう ことですが、ニューヨーク・タ

イムズは 最終的にソウルを選んだこと

について 「外国企業に友好的であること

や、アジア の主要なニュースにおいても

中心的な役割 を果たしているためだ」と

説明しています。〉 (NHK 7月15日)  


 〈同社は移転先にソウルを選んだ理由と 

して、外国企業が活動しやすく、アジア 

地域の主要な報道拠点になっている点など 

をあげた。バンコク、シンガポール、東京 

も候補だったと明かした。〉 

(日本経済新聞7月15日) 


 そう。

ニューヨークタイムズがソウルに決めた

理由として挙げていた3つのうち、 

「外国企業に対して友好的」 

「アジアの主要な報道拠点」については 報じ

ながら、「報道の独立性」については 一切

触れていないのだ。 


  「報道の独立性」に懸念をもたれている

こと について同意するわけでも反論するわけ

でもな く、ネグってしまう──これこそが、

日本の メディアが「報道の独立性」にかけて

いること の証明といえるのではないか。  


 韓国に負けたとかそういうレベルでなく、 

現在の日本で「報道の自由」は民主主義国と 

してヤバイというレベルに危機に瀕している。 

メディアがこのままでは、仮に安倍政権が 

倒れたとしても、権力者のやりたい放題が 

変わることはないだろう。 

 (編集部) 


 【転載終了】

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 安倍政権の8年間で日本のマスコミ 

は世界から致命的な評価を頂いたこと 

になりますね。  


 国連は、相当前から評価しないよう 

な状況ですし、OECDの評価にみら 

れるように、ことごとく日本の評価は 

下がっています。  


 日本がG7にいることさえ不思議な 

のですが、更には、そんな日本が韓国 

のG7入りに反対しているのですから 

笑いものです。 


  日本への国際社会の評価は変化して 

います。

 国民は、現実を直視すべきです。