BUSINESS Journal 

荻原博子「家庭のお金のホントとウソ」 


 【転載開始】


 ■安倍政権下で「移民」が倍増…  

 日本の健康保険制度の危機がひっそり進行


  6月に発表された政府の 

「経済財政運営と改革の基本方針2018」 

(骨太の方針)のなかで、 中小・小規模

事業者の人手不足の深刻化 を理由に外国人

を幅広く受けて入れていく 仕組みを構築

することが明記され、安倍晋三政権は

実質的な「移民政策」に 大きく舵を切り

ました。


  「移民」について、安倍首相はこれまで 

「日本が移民政策をとることは断じてない」 

と言い続けてきましたが、実際には、

 安倍政権は発足以来、国際的にも「移民」 

と認められる外国人労働者の雇用を促進 

してきました。 

外国人労働者数は政権発足時には 約68万人

でしたが、厚生労働省の2017年 10月末の

集計では約128万人と約2倍に急増しています。 

しかも、建設から家事支援、農業まで、 

ありとあらゆるところで働いています。


  政府は、表向きは「外国人材の活用」として

「高度専門職ビザ」や「技能実習ビザ」などで

働く「能力の高い外国人材の日本 への招き入れ」

と言っていますが、現在の日本で働く外国人

労働者は、国際的には「移民」と認知されて

います。 

そして、約128万人もの大量の「移民」を受け

入れている日本は、すでに15年の 時点で、

ドイツ、アメリカ、イギリスに次ぐ 世界第4位の

“移民大国”と認知されて いるのです。


  こうした状況がありながら、なぜ安倍政権が

「日本は移民政策をとることは断じてない」と

言い続けてきたかといえば、政権の強力な支持者

のなかに「日本の伝統文化を守れ」 

「外国人犯罪を撲滅せよ」と言う人が多く、

なかには外国人労働者を差別視する人 などもいて、

移民政策が不人気だったから です。 

そのため、表向きは否定しておかないと、選挙で

コア層の支持を確実なものにできないという事情

がありました。


  では、なぜ安倍首相は前言を翻し、ここにきて

移民政策に大きく舵を切ったの でしょうか。


 ■安倍政権が移民政策に舵を切ったワケ


  政府は、これまで外国人の就労が禁止 されて

いた「単純労働」とされる分野に新たな在留資格

を創設し、積極的に 移民政策を進める方向を

打ち出しました。 

外国人労働者に対する扱いが180度 変わったのは、

自民党総裁選挙を意識 したからでしょう。


  前述の「骨太の方針」では、外国人就労 について、

中小・小規模事業者の人手不足 の深刻化を意識して

いるということがつづ られています。

 安倍首相は、国会議員票を固める一方で、地方票が

弱みといわれていました。 

かつての自民党総裁選では、大量の地方票が石破茂

陣営に流れたこと もありました。


  その地方票を取り込むために、移民政策 は必要

だということでしょう。

 自民党員には、中小・小規模事業者も多く います。 

地方票を1票でも多く獲りたい安倍陣営と しては、

こうした人たちに「移民を大量に 入れて、深刻な

問題である人手不足を 解消します」とアピール

すれば票につな がると読んだのでしょう。


  ただ、困ったことに、これまで安倍首相が 

「日本が移民政策をとることは断じてない」と言い

続けてきたことで、この国には 「移民問題」はない

ことになっています。 

そのため、日本における「移民」の定義すら あや

ふやなままで、「移民」を受け入れる ことに対する、

確たる指針さえもできて いません。


  さらに、移民政策に大きく舵を切ったにも かか

わらず、「骨太の方針」では、わざわざ 

「移民政策とは異なるものとして、外国人材 の受け

入れを拡大する」と書いています。 

50万人もの「単純労働者」を含む「移民」を入れる

というのに、この期に及んで 「移民ではない」と

強調するというのは、わけ がわかりません。

これは単に、これまで 「断じて入れない」などと

いう強気発言をして しまっているので、

その辻褄合わせなので しょう。


  こうした政府の曖昧なスタンスも、 移民問題を

正面切って論じにくい状況に しています。 

実は、こうした状況が、私たちの将来を ゆがめ、

大きな禍根を残すことになる かもしれません。 

特に、日本の社会保障を揺るがす大きな 要因に

なるのではないかと、個人的には 危惧しています。


 ■外国人による国民健康保険の不正利用  

 事件が多発


  私は、「移民」を入れないほうがいいと は

思っていません。

 日本がグローバル化するなかで、海外人材の

受け入れや交流は避けられ ないことだからです。


  そして、外国人労働者と共存していく ので

あれば、その人格を認め、日本人と 同じような

保障も与えていかなくてはなら ないと思って

います。 

彼らは、一緒に働いて、一緒に暮らして いく

隣人なのですから。 

一方で、日本の社会保障制度は、 ただでさえ

財政難で危機的な状況です。


  今、外国人による国民健康保険の不正 利用事件

が多発しています。

日本には、海外に比べて手厚い医療制度 があります。 

自営業者は国民健康保険に、 会社員は社会保険に

加入して、病気に なれば多くの人が自己負担3割

で治療 してもらえます。 

70歳以上では自己負担1割という人が 主流です。


  たとえば、年収約370万円から770万円 の人の

場合、3割負担なので100万円の 治療を受けても

病院の窓口で支払うの は30万円となります。 

さらに、医療費が1カ月で上限額を超えた場合は

超過分が払い戻される 「高額療養費制度」があり

ます。 

同制度を使うと、図のように窓口での 30万円の

支払いから約21万円が払い 戻され、

自己負担は最終的に約9万円 で済みます

(あらかじめ手続きをしておくと、 窓口で一括

処理してくれる病院もあります)。 

  ここでかかった医療費100万円のうち、 自己

負担が約9万円で、残り約91万円 はどうなるのか

といえば、みなさんが 支払っている健康保険料や

税金でまかわれます。


  しかも、夫婦でそれぞれ100万円の 治療を受け

ても、加入している保険 が同じなら合算できるので、

2人で 約9万円の自己負担となり、約191万 円は

みなさんが支払った健康保険料 や税金でまかな

われることになります。


  そして、この自己負担額は入院4カ月 目から

はさらに下がり、4万4400円に なります。 

夫婦でそれぞれ100万円の治療を受けても、

同じ保険に加入していれば、 あわせて4万4400円

の自己負担で済む のです。


  実は、日本の医療保険制度は、 みなさんが

考える以上に素晴らしい 制度です。 

たとえば、すべて自己負担なら 700万~1200万円

かかるといわれる 肝移植も、高額療養費制度が

適用されるので自己負担は10万円以内 で済みます。


  さらに、最新の医療技術も、多くの 人が使う

ようになるとともに健康保険 が順次適用されて

いきます。 

これまでは全額自己負担で約300万円 もかかる

前立腺がんなどの 「粒子線治療」も、4月から

保険適用に なりました。 

さらに、最先端の手術支援ロボット 「ダヴィンチ」

も保険適用なので約9万円 の自己負担で済み、

1年間の投薬で 約1300万円かかるといわれている 

がん治療薬「オプジーボ」も、一部の 治療で保険

の対象になっています。


 ■海外の悪徳業者が日本の健康保険を食い物に?


  このように、日本の公的保険は安くて 素晴ら

しいのですが、その恩恵を受け ようと、

日本に就労ビザで入国して病院 に入院する外国人

が急増しています。

日本は国民皆保険で、外国人労働者は全国健康保険

協会が運営する中小企業 向けの健康保険に加入しな

くてはなりま せん。 

それ以外の留学などで来ている外国人も、 

滞在が3カ月を超える場合は国民健康 保険に加入

する必要があります。


  そのため、日本で高度な医療を安く受ける目的で、

労働者を装って来るケースが 後を絶ちません。 

実際、ベトナム人が2年以上で総額1000万 円の治療

を受けていたケースもありました。


  国民健康保険の赤字は16年度には 約1468億円

でしたが、これは税金で補って いるのが現状です。 

もし、大量に「移民」を受け入れるようになる と、

なかには「日本で働く」という名目で入国 しながら、

「病気になった」と入院し、安い 費用で治療を受け

て帰国してしまう人も増え るのではないかと危惧さ

れています。


  実際に、海外の業者が日本の制度を悪用 して

患者を集める悪徳ビジネスで、 

日本の健康保険が食い物になっている実態 も報告

されています。 (文=荻原博子/経済ジャーナリスト) 


 【転載終了】 

 ***************************


  最近話題に上ったのは、中国人が この日本の

保険制度を悪用している というニュースでしたね。


  ドイツのメルケル首相は、移民政策 が裏目に

でて政権運営に陰りが見え て来てます。


  AI化でホワイトカラー、移民政策で 

ブルーカラーの職が奪われるかも。