AERA dot. 連載「ここだけの話」


 【転載開始】


 ■「震災時を下回る個人消費、消費税はむしろ下げよ」


  経済専門家のぐっちーさんが「AERA」

で 連載する「ここだけの話」をお届け

します。


  モルガン・スタンレーなどを経て、

 現在は投資会社でM&Aなどを手が ける

ぐっちーさんが、日々の経済 ニュースを

鋭く分析します。


 *  *  *


  今これをお読みの方で、来年間違い 

なく私の給料は上がる、と確信を持て

 る人がいったい何人いるでしょうか。

 その中で来年10月に消費税を上げ る

のですから、皆様防衛体制に入る わけ

で、消費なんて増えるはずがない。

 GDPの60%を個人消費が占める日本

 ではここが元気にならないと経済は

 どうにもなりません。


  なのにいまだにGDPのせいぜい15%

 しかない輸出、しかも工業製品輸出に

 拘泥する日本はどうかしているとしか

 言いようがありません。

 日本はフランスに対して貿易赤字だと

 いうことを認識していない方が多すぎ

 ます。

 赤字の大半はワインなどの1次産品 なの

です。

 必死になって工業製品を輸出しても ワイン

(個人消費)にはかなわない、 という現実

があるわけです。


  数字で見てみると、結構ショックな 状況

が出てきます。 例えば2人以上世帯の個人

消費支出。

 最新のデータで2018年6月の数字は

 26万7641円。


 比較したいのは2011年3月の29万 3181円と

いう数字です。


  これは東日本大震災があった月の 数字

なんです。

 関西圏の方はそれほど印象はない かも

しれませんが、東京でさえ、 スーパーの

棚から物が消え、ガソリン も販売停止と

なった月です。

 つまり、消費したくても物がなかった 

あの月よりも、今の消費額は低い。

 とんでもない現状と言わざるを得ま せん。


  実はその後、この月の消費額を 超えた

のは消費税増税前の駆け 込み需要があった

14年3月など 数えるほどしかありません。

 震災があった月の消費を超えられ ない。

 その中で消費税を上げることがどれ だけ

経済の重荷になるか、政権も 官僚も理解

しているとは思えない。

 風邪をひいて寝込んでいる患者の 布団に

氷を放り込むようなものなの です。


  こう言うと日本の財政のためには やむを

得ないんだ、という人が必ず 出てきますが、

日本の財政は別に 危なくもなんともあり

ません。

 トルコやアルゼンチンが経済危機に 陥る

のは国の借金を外貨で調達して いるからで、

日本は90%以上国内で 調達し、しかも金利

はゼロ、です。

 経常収支は世界最大にして200兆円 以上

の資産超過。 こんな国は世界中に日本

しかない わけで、この国が倒産したら、

 世界中の国が倒産します。


  とにかく帳尻を合わせたい財務省 が

財政危機を煽り消費税アップを 叫ぶわけ

ですが、これぞ経済成長 を阻害する最大

の要因です。

 したがって、今求められる経済政策 が

あるとすると、いかに消費を増や すか

以外にはありません。

 そのためには一度消費税を下げる という

選択はありです。

 ここで下げると、いずれまた上がる だろう、

と考えた消費者が今や、 とばかりにお金を

使う可能性は十分 です。

 こういう逆転の発想が必要な時期に 来て

います。

 ※AERA 2018年9月17日号

 ぐっちーさん/1960年東京生まれ。

 モルガン・スタンレーなどを経て、

 投資会社でM&Aなどを手がける。


 【転載終了】

 ********************


  消費税を下げようとしたのは小沢氏 

のみですが、そのために安沢氏は嵌め 

られ2年間政治活動を停止させられました。


  背後に、財務官僚がいたと思われます。


  さて、「アベノミクス」に反対した人

たちは、 これがわかっていたからです。


  「富める者はより豊かに、

         貧しきものはより貧しく」、

 数パーセントの富める者が消費しても、

 トリクルダウンが起ころうはずがない の

です。


  「アベノミクス」の基となったリフレ理論

 の提唱者が日本には適さなかったとして、

 理論を撤回しています。


  安倍政権は、やっと3年後めどに

 「異次元の緩和」を終了させようとして います。


  多分、手遅れになりそうな気がしますが。


  消費増税10%が実施されたら、とんでも

 ない不況に落ち込むかも。


  「安倍不況」と言われる所以です。