【転載開始】

 10月1日に安倍首相が、消費税8%への引き上げを正式に決定しました。
いろいろと「期待」を持たせてくれたのですが、
所詮は昨年に当時与党の民主党案に自民・公明両党が大賛成して法案が成立しているので、
どうしようもありませんでした。

 それを受けた株式市場はどうなるのでしょう?

 日経平均は昨日(10月2日)の314円安に続いて、
本日(10月3日)も13円安の14157円と続落しました。
指数に影響の大きいソフトバンクが2日間で約8%上昇しているので、
この程度の下落で済んだのかもしれません。

 それを消費税引き上げの影響とはいえないからか、
米国政府窓口の一部閉鎖による混乱の影響とする評論家が多いのですが、
これはほとんど関係がありません。

 そもそもこれはオバマ大統領と下院で多数を占める野党・共和党との「政争の具」で、
実際の閉鎖は国立公園や図書館など生活に深刻な影響を与えるところではありません。
確かに数十万人の職員が一時帰休となっていますが、
一時帰休でも給料は(少し減額されるだけで)支払われるので財政削減にもならず、
単なるデモンストレーションです。

 最近指導力が低下しているオバマ大統領としては、
主張している保険制度改革を簡単に撤回できないため閉鎖はもう少し続きそうですが、
別にそれで米国債がデフォルトするわけではありません。
これ以上危機的な状況になる前に、ちゃんと解決されます。

 ただ米国経済の本当の問題は、
金融緩和が続いて株式などの資産価格が上昇した結果「貧富の差」が一層拡大したことです。
これは実体経済の「減速要因」となります。
なぜなら人口が圧倒的に多い「貧者」の消費活動が減退するからです。

 つまり足元の米国経済は「減速」している可能性が強いのです。


 日本は「異次元」金融緩和を続けており、そこへ今回は消費税を引き上げます。
つまり金融緩和と消費増税の組み合わせは貧富の差を拡大し、
日本経済を間違いなく「減速」させます。

 安倍首相は、「異次元」金融緩和の結果の円安・株高と、
マスコミの喧騒で「日本経済が本格的に回復している」と錯覚して消費増税を強行し、
さらにその悪影響を打ち消すため「富める法人」への減税を組み合わせる
「二重の間違い」を犯しているのです。


 別に本誌が急に「マルクス主義者」に転向したのではなく、
経済成長と財政再建を両立させるために(基本的には不可能です)金融緩和と法人減税と
消費増税という「最も貧富の差が拡大する」組み合わせを選択し、
その結果が間違いなく「日本経済の減速」であることを強調しているのです。

 しかしこれで日本の株式市場がすぐに下落するわけではありません。
日本経済の「減速感」がすぐに浸透するわけではないからです。

 日本の株式市場にとって当面の懸念材料は、
米国経済の「減速感」が広がることにより量的緩和の縮小がますます遠のき、
長期金利(10年国債利回り)が低下してドル安・円高となることです。

 今でも日本の株式市場は、円相場(特に対ドル)に最も反応するからです。

 一方で米国株式市場は、量的緩和縮小の時期に最も反応します。
米国経済の「減速感」が認識されてくると量的緩和縮小が「さらに」延期されるので、
米国株式は逆に上昇するような気がします。

<後略>


【転載終了】

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この方の分析は、御用学者や御用エコノミストと違い客観的に分析しているので、
個人的には信用していますし、経済のプロと思っています。

この方も、アベノミクスの失敗を指摘しています。
私も、個人的には来年の夏ごろにはB層も気付き、安倍氏は失脚すると考えています。