Electronic Journalより転載。

【転載開始】 

安倍政権に衝撃が走っています。5月下旬開催で韓国が調整中
の日中韓首脳会談が中止になる可能性が濃厚になったからです。
中国が日程に難色を示したからです。
 単なる日程調整の問題でないことは明らかであり、背景には尖
閣諸島の領有権をめぐる問題があることは明らかです。安倍政権
誕生以来、5ヵ月になろうとしていますが、安倍首相はもちろん
のこと、安倍政権の閣僚で中国首脳に会ったことのある人は一人
もいないことになります。まさに国交断絶の状態です。
 一方、4月16日に訪中した日本国際貿易促進協会の河野洋平
会長(元衆院議長)は、中国の汪洋副首相と北京で会談したさい
汪洋副首相は次のように述べています。
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 率直に言って中国の今の発展は日本の協力、経済界・企業の協
 力があったからこそだ」と述べ、日中経済交流を強化する必要
 性がある。また日中韓3国による自由貿易協定(FTA)交渉
 についても「今まで以上に積極的に取り組み、早期に交渉の成
 果を出したい」。       ──汪洋副首相(北京時事)
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 この違いは何でしょうか。それはずばり中国の本音は、日本と
の経済関係を正常化したいと考えているということです。そうし
ないと、中国の経済がもたない状況に来ているからです。汪洋副
首相はそういうメッセージを出しているのです。
 もし、5月の日中韓首脳会談が流れると、日本では参院選が7
月にあるので、秋まで中国首脳と接触できないことになります。
これは日中双方にとって大きなマイナスになります。しかし、外
務省はどうすることもできないでいます。無能なのです。
 中国統計局の発表によると、今年1月~3月期の実質GDP成
長率が予定の8%増に達せず、前年同期比7.7 %増と予想外の
減速になっています。しかもこの数字は信憑性に欠けるのです。
粉飾疑惑は3つの点から指摘することができます。
 第1は、今年の2月に中国紙・新京報によると、中国の省や直
轄市など地方政府が発表した昨年のGDPを合計したところ、中
国の名目GDPを5兆7600億元(91兆4700億円)も上
回ったというのです。その差額は、広東省のGDPに相当する規
模になったのです。したがって、地方政府の上げてくる数字には
相当の水増しがあり、それを中央で適当に減らしてGDPを発表
しているのです。
 第2は、中国経済の実態を表しているとみられる鉄道貨物輸送
量は、このところ前年割れや横ばいを繰り返しており、前年同期
比7.7 %増と整合性がとれないことです。
 第3は、中国税関総署による貿易統計の矛盾です。香港向けの
輸出額の伸びは中央の発表によると、大きくプラスであり、3月
に至っては92.9 %増です。
 しかし、香港側の貿易統計では数字が合わないのです。1月の
香港の中国からの輸入量は34.2 %増で半分以下、2月は18
%のマイナスになっているのです。3月分はまだ発表になってい
ませんが、大きく下回るのは確実です。
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         1月      2月      3月
  中央 88.3 %増  35.6 %増  92.9 %増
  香港 34.2 %増  18.0 %減   ―――
                ──4月16日付、夕刊フジ
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 なぜ、このようなデタラメが起きるのかというと、中国本土の
業者(中央)は輸出額が多いと、輸出税の還付が受けられるから
です。したがって、前年同期比7.7 %増といっても信用できず
本当はゼロ成長ではないかといわれているのです。
 中国経済低迷の原因は、日中関係の悪化で両国間の貿易や投資
が低迷したことも大きいのです。中国としては尖閣問題で日本と
もめているときではないのです。しかし、振り上げた拳は大きく
建前としては、そう簡単に下ろせないのです。何かきっかけが必
要なのです。
 そこでいま囁かれているのが小沢一郎氏なのです。小沢氏を特
使として中国に派遣し、問題の解決を図るのです。中国側はそれ
を望んでいるのです。それが昨年暮れから今年にかけて、小沢事
務所に中国がかけた3回の電話の真相なのです。
 「月刊日本」2012年11月号において、地政学者の白馬崇
峰氏は次のように述べています。
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 日本政府が(尖閣諸島の)領土問題を認めずに、日中関係を
振り出しに戻す起死回生の一手が残されている。それこそは、
小沢一郎の特使派遣だ。小沢一郎は習近平の恩人である。
習近平 にとって今上陛下と謁見した意味は、権力を掌握する上で
極めて大きかった。小沢一郎に頼まれれば、習近平は必ず国内を鎮
静化させる。むしろ習近平は小沢一郎の出番、花道を用意して
いるのではないか。
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 小沢特使については、あの渡辺乾介氏も小沢一郎氏とのインタ
ビューで、「あなたには中国に友人が多い。訪中して事態打開に
動く気はないのか」と尋ねています。これに関する小沢氏は次の
ように答えています。
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 不可能ですね。私は日本政府としての結論を出せる立場でも何
 でもない。自分で決められるならいくらでも話し合うが、今の
 立場で中国に行っても向こうも困るし、日本政府も困っちゃう
 でしょう。中国側も表面は強気でも政治家は心配していると思
 う。非常に心配な状況になっていますね。  ──小沢一郎氏
              ──「SAPIOインタビュー」
            /サピオ/2013年4月号/小学館
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                  ── [新中国論/29]

≪画像および関連情報≫
 ●「小沢一郎と習近平」/地政学者の白馬崇峰氏
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  習近平と言えば、2009年12月に行われた天皇陛下との
  会見を思い出す人も多いと思います。この会見は、当時民主
  党の幹事長だった小沢一郎氏が「30日ルール」(外国要人
  が天皇陛下と会見する場合には30日前までに文書で申請す
  るというルール)を破って無理矢理セッティングしたものだ
  として、多くの議論を巻き起こしました。(中略)天皇陛下
  と習近平の会見の日程調整が難航したのは、習近平の訪日
  日程がなかなか決まらなかったからだと言われています。
  事前におおよその日程さえわかっていれば、「30日ルール」を
  守ることもできたはずです。これに関しては、習近平と天皇
  陛下を会見させないようにするために、胡錦濤一派がわざと
  習近平の訪日日程の決定を遅らせたという説も流れているの
  です。中国の(次期)国家主席にとって、天皇陛下と会見す
  ることには極めて重要な意味があります。それゆえ、天皇陛
  下と面会できないということになれば、習近平の権威が大き
  く傷つくことは避けられません。胡錦濤一派の狙いもそこに
  あったと思われます。ところが、小沢氏の「剛腕」により、
  本来であればとん挫するはずだった会見が実現することにな
  りました。そのため、習近平は小沢氏に恩を感じていると考
  えられます。

【転載終了】

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小沢氏の強引とも思われる手法は、プロの政治家としての能力であり、
他の多くの政治家には真似のできない能力なのだろう。

某国が「小沢だけはだめだ」と総理にさせなかったのは、
中国との接近を警戒しているからであり、
日本と中国との経済協力は某国にとって不都合が多いのでしょう。

小沢排除に動いている政治家や官僚は某国の“犬”・・・
ということになりますね。