原子力安全・保安院は、8日、福島第一原発一号機の原子炉格納容器内の放射線濃度が、
毎時100シーベルトに上昇したことを明らかにした。

これは前日に比べて、3倍以上も高い放射線濃度にあたり、同炉内の温度と圧力も上昇しているという。

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、放射濃度の急上昇に加え、
原子炉の温度や圧力の急上昇していること、
更に塩素が中性子に反応して生まれるクロル38という塩素が原子炉内で発見されたことなどから、
炉内で再臨界が起きている可能性が高いと指摘する。中性子は核分裂が起きたときに発生する。
 
臨界とは放射性ウラン燃料などが核分裂連鎖反応を起こす状態のことを言う。
「再臨界」は、臨界状態にあった原子炉が一旦停止して核分裂が止まった後、
燃料棒の露出などでウラン燃料が溶け出して、圧力容器の下部に蓄積するなどして、
制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる状態を指す。

再臨界が起きると核分裂反応の制御が困難になり、大規模なエネルギーが発生するため、
原子炉内の温度があがり水蒸気爆発の可能性が高くなる。

小出氏は、水蒸気爆発が発生し、圧力容器や格納容器が吹き飛び、
今とは桁違いの放射性物質が流出する最悪のシナリオにも今後警戒していくべきだと述べ、
その場合、風向き次第では東京も避難対象となる可能性にも言及している。

米NRCも同様の見方を示してしているようだ。

最悪のシナリオが現実となった場合、世界経済に与える影響は大きい・・・

なんとか、最悪のシナリオは避けてもらいたいものである!