『今を生きる』
喜びは苦難のはてに
行―――人のために生きる
「行学の二道をはげみ候べし・・・・」
日蓮聖人は仏教信仰のためには修行と学問の両方をはげまなくてはならない、とお示しになっています。「行」といいますと、とても大変な、特別なことのようにお考えになるかもしれませんが、実は私たちが生活しているごとく普通の時間の中にこそ「行」はあるのです。例えば、今、私がこうしてお話しさせておりますが、仏教では法を説くことを「解説の行」といいますから、私も、その行をさせていただいていると考えることができるのかもしれません。そして、このお話しを聞いていらっしゃる皆さまがたは法を聞く、つまり「聞法の行」をなさっているのです。
私たち日蓮宗が信仰のより所としている妙法蓮華経という経典の中に説かれている大事な教えの一つに「菩薩行の実践」があります。
菩薩行とは簡単に言いますと「人のために生きる」という風に考えればよいでしょう。
このテレホン説教を例にとって恐縮ですが、今あなたがお聞きのこのお話し、これがあなたの耳に届くために十数人の人間が直接に関係しています。
間接的に携わっている人の数を入れると、その数倍にのぼるでしょう。
現代は特に、誰もが一人では生きていけない仕組みになっていることに気づかなくてはいけません。ところが、最近ラジオを聴いていたら「情けは人のためならず」ということわざ、この意味を、情けをかけるのは、その人のためにならないから、人に情けはかけない方が良い、というように理解している人が意外に多い、という話しをしていました。それ程、今の世の中は、自己中心的な考え方になってきているのです。
「人のために生きる」すなわち菩薩行の実践は現在にこそ必要な仏道修行です。実践してみて下さい。きっとそこからは、素晴らしい人間関係が生まれるはずです。
◎「人のために生きる」仏道修行が大切です。日々、菩薩道に励みます。
