『今を生きる』
喜びは苦難のはてに
人はそれぞれに与えられた人生行路を歩みます。
私達は安易な生活を願いつつも、逆に波瀾多い茨の道をたどることがしばしばあります。しかし、前途に横たわる多くの障害を一つ一つ乗り越えて克服してゆく処に人生の喜びが増してゆく、たとえれば、人生とは障害物競走のようなものだといえると思います。
その中で、障害に直面してなすすべもなくたじろぐ人。
すぐさま対策を放棄してしまう人。中途で引き返す人。あるいは絶望のはてに投げ出す人。格闘の中に埋没し挫折する人。苦悩の末ついに障害を乗り越え、苦難突破の喜びにひたる人。その姿はさまざまですね。
喜びを願うことは誰もです。安らぎに溢れた人生を過ごすことは誰しもが望むとこれです。
しかし、実際は私達の願望にそむいて、歎きや悲しみが襲ってくることが応々にしてあります。それはちょうど、晴れ上がった夏空に予想もしない黒雲が突然わき出てくるようなものです。
お釈迦さまは一切皆苦といって、人の世は苦難に充ちたものであると言いました。冷静に見つめれば誠にそのとおりであります。それでは、この苦難から抜け出す道はどこにあるのでしょうか。それは逃避し投げ出すのではなく、勇気を持ってその難に立ち向かうことによってもたらされるものです。
日蓮聖人は、苦難にうずまく人生を歩まれました。そして、その一つ一つにたじろぐことなく立ち向かい、乗り越え突破されました。
そして、その体験の中から「難来たるを以って安楽とこころうべきなり」と仰せになられ、苦難こそ喜こびの源泉なのだと、誠に尊い教訓を残されております。この教訓を胸にこれからの人生行路を乗り越えていって頂きたいものです。
◎日蓮聖人は四度の大難に会われても自らの意思を貫き通され私たちにお題目の尊とさを残して頂きました。御仏さま、日蓮大聖人の慈悲心を悟り幸せを頂きたい、有り難いことです。
