「仏教名言60の知恵」
生老病死の悩みを癒す
おかげさまで生きられる
休まず鼓動する心臓に感謝
*己れの存在をとことん直視する
作家の高見順さんは「驕慢の山」という題で次のように詠んでいる。
「みんな山へ 高いところへ 昇りたがって 谷底へ降りようとはせぬ
自分自身の心さえ」
今日、私たちにとって一番必要なことは「いったい自分とは何者なのか」
という自己反省ではなかろうか。そして洞察した結果、醜い自分があからさまとなり、それを正視することは辛いことであるが、それなくして自分の本当の姿はもとより、人生や人情の機徴がわからず、一生、金魔に取り憑かれた奴隷のようなさもしい生涯を終わってしまうのではないか。
高見さんは、生涯、作家として健康をふるってきたが、晩年、ガンに冒され、死期の迫った残り少ない毎日を苦しみ悶えていた。
そんなとき、今まで黙って働いてきた自分の肉体、とりわけその手を凝視して、「血だらけの手」と題し、次のように詠んでいる。
「赤インクのよごれている手 過去の校正ばかりしている手 赤インキのかわりに彼はいま 彼みずからの血を使っている」
かつては自分の作品に赤インキで幾度も校正を繰り返し、それでもって生活の糧としてきたが、今度は他人の医師の手で自分の肉体の校正をして貰っている。このときになってはじめて自分のいのちの尊さを感じ取ったようだ。
私たちはひとに対して感謝したことはあるかもしれないが、自分自身に対して感謝したことがあるだろうか。生まれてからこの方、一時も休まず心臓が鼓動して呼吸し、考え事もできて今日まで生きて来られた。
そうした自分の心身に対して「よくここまで私を生かしてくれた」と感謝してもよいのではないか。
◎自らが何一つ動かせない、生かされていることを悟り感謝・喜びを日々、魂に刻み生涯現役で過ごしたいです。
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