「心のモヤモヤが消える仏教の言葉」
鳥沢廣栄、法恩院住職の著
「心のモヤモヤが消える仏教の言葉」
鳥沢廣栄、法恩院住職の著
「上求菩提下化衆生」
菩薩とは、菩提薩埵の略語です。菩提薩埵は、サンスクリット語の「ボーディスヴァ」の音写で、意味は「覚りを求める人」です。菩提が覚り、薩埵が求める人です。しかし、菩薩は単に覚りを求めているだけではありません。衆生済度を誓ってもいるのです。
菩薩といえば、観音菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩などの名前を思い浮かべるのではないでしょうか。これらの菩薩は、実は覚りを得ています。しかし、完全なる覚りを得てしまっては、衆生済度ができません。
なぜなら、衆生を救いたいという気持ちも一つの欲望だからです。
ですから、あえて菩薩は仏陀と同じ如来の世界には行かないで、一歩手前の菩薩の位置にいるのです。一切の人々の苦しみを取り除き、安楽を与えるために菩薩でいるのです。
その菩薩の心を表した言葉が「上求菩提下化衆生」です。
すなわち、「上に向かっては悟りを求め、下に向かっては衆生を救済する」
これが菩薩なのです。
向上心は大切です。自分をよりよい位置に高めることは、確かにしてはいけないことでしょう。しかし、それだけではバランスがよくありません。
周囲の人に対しての思いやりも必要です。向上心があまり強くなり過ぎると、周囲への配慮ができなくなることがあります。
自分を高めることと、周囲への思いやりを兼ね備えれば、あなた菩薩もです。
◎「上求菩提下化衆生」とは、「上に向かっては悟りを求め、下に向かっては衆生を救済する」慈悲の心です。
自らのことだけではなく、すべての人に心を配ることが大切です。
一乗会本部教会
